第23話 安全確認・商業ギルド
ちょっとはやめの投稿です。
次は遅くなるかもしれません
暖炉亭を後にし、また透明化の魔法をかけてから、商業ギルドに向かった。
そこまでの道のりにも、時折チンピラ冒険者が徘徊しているのを確認した。
そうして何とか商業ギルドにたどりつくと、たまたま中に入る人がいたので、その後ろを付いていき、中に入る。
そして、扉が閉まると同時に透明化の 魔法を解除する。
そしてそのままカウンターに向かい、
「こ…こんにちは…」
いつもの受付の人・ミルカードさんに声をかけた。
「いらっしゃいヤムさん。買取なら待ち時間なしで大丈夫ですよ」
ミルカードさんはいつも通りの対応をしてくれた。
「あの…」
僕が口を開こうとすると、
「あの頭の悪い冒険者ギルド長。先日ここに来た時に、『おい女。このディウス様の情婦にしてやるから、有り難く思いながら我が屋敷に来い!』などという、頭のわるーいお貴族様がお抜かしやがるようなお言葉を抜かしやがりまして」
と、話し始めたミルカードさんの顔が、笑顔のままなのにもかかわらず、だんだんと恐ろしくなっていき、
「おまけに、『ついでに商業ギルドの綺麗所もまとめて連れてこい。それくらいはこのディウス様の情婦としては当たり前の勤めだ』などと既に私を情婦扱いしてくれやがりまして」
笑顔のままで血管が浮きまくり、手に持っていたペンがへし折れていた。
その圧倒的な怒りのオーラに、ギルド内にいる全員が圧倒されていく。
「たまたま帰ってきたギルド長が止めて下さらなかったら、脳天から真っ二つにして差し上げたのに…実に残念でした」
ミルカードさんは心の底から残念そうな笑顔を浮かべていた。
その残念そうな笑顔に、僕を含めた回りの人達は恐怖しか感じていなかった。
「とまあ、あの男に対しては、私を筆頭に全員が嫌悪感しかありませんから安心してください」
ミルカードさんは殺気を納め、柔らかい笑顔を浮かべたとおもったら、急に厳しい顔になった。
「でも、貴女が原因で今回の事件が起こったのは事実。そういう事の原因になりそうな相手への対処は、よく考えてから行動しなさい。いいですね」
「はい…。申し訳ありませんでした」
その言葉は、胸に刺さる言葉だった。
「まあ今回の原因は、貴族程ではないにしても、厄介な相手ですから仕方ありませんけどね」
ミルカードさんはそういってまた笑顔に戻った。
ちがう。
僕にとっての正解は、一度向こうに接触し、魔眼で関係者を魅了し、僕への興味を消しておくことだった。
そうしていれば、今回の事件は起こらなかったはずだ。
ギルド長が接触してきた日に向こうへ行き、ギルド長を大人しくさせておけば良かったのだ。
前世では唯々諾々と従う事しか出来なかった。
だから今世では嫌だと主張をすることにした。
だがそのせいで、他の人達に迷惑をかけてしまうという事がある。
それが痛いほど理解できた。
とりあえず、詳しい事情を聞くのと、謝罪のために
「あの、ギルド長さんはどちらに?」
リガルトさんに逢わないといけない。
「2階にいるはずだけど…あ、降りてきたわ」
リガルトさんは、僕の姿を見つける足早に近寄ってくる。
「無事だったかねヤム君。この町中の状態でよく無事にたどり着けたものだ」
「申し訳ありません。私のせいで町中の人にご迷惑をかけてしまいました」
僕は深々と頭をさげる。
もうこれしかできることがない。
すると僕の肩に手が置かれ、
「気にすることはない。君の事件が起きる前から、あの冒険者ギルド長は色々と噂がある人物だったのだよ。君が居なかったとしても、いずれこういう事態は起こっていただろう」
リガルトさんが慰めてくれた。
その時、商業ギルドの入り口から大勢の足音が響き渡り、
「今日こそ我が冒険者ギルドの指名手配者を引き渡して貰うぞ!」
あの冒険者ギルド長・ディウスの声が聞こえてきた。
リガルトさんは直ぐに、
「上に!」
そういって僕を隠そうとしてくれた。
が、今一歩おしかった。
「見つけたぞ!」
冒険者ギルド長・ディウスに見つかってしまったのだ。
逞しいメセの街の住人達その3
ミルカードさんは、ギルド長に継ぐ権力者です
冒険者時代は戦士として活躍していました
彼女を怒らせるとただではすみません
((((;゜Д゜)))
見つけられてしまいました
次回は対決です
ご意見ご感想よろしくお願いいたします




