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閑話 4

今回はちょっと視点を変えてます


~リーフェン王国地方都市メセ在住 ロブン青果店女将イザベラの視点・馴染みの客との無駄話を抜粋~


ヤムちゃんが最初にうちの店に来たときには本当にビックリしたわよ。

なにせお貴族様しか出入りしてない薬師ギルドにいくっていうんだから。

それで無事に帰ってきたと思ったら、今度は冒険者ギルドに商業ギルド。

若い女の子が行くところじゃないわよねえ。


でもまあ、薬も売れてるみたいだし良かったってところかしら。

でもあの子危なっかしいのよね~。

日も暮れてるのに城門の外に出ようとしているんだもの!

慌てカタリナのやってる暖炉亭を紹介したわよ。


あそこの旦那さん、お料理上手いのよね~。今度教えてもらって、うちの野菜や果物を売るときに使わせて貰おうかしら?


そうそう、ヤムちゃんの話よね。

いい娘なのは間違いないわね。

なにしろ来る度に、うちの野菜や果物を買っていってくれるんだもの。

それに、ちょくちょく健康相談にものってくれるし、商業ギルドを通してだけど、薬も安く分けてくれるからね。


この前も生地屋のご主人がぎっくり腰になった時に居合わせて、マッサージと湿布で治してもらったらしいし。

まあ、その時にご主人が鼻の下伸ばしてたのが原因で、ご主人が奥さんに平手打ちされたらしいけどね。


できれば街に住んで貰いたいけど、店を借りるにも大金がかかるし、なによりあの薬師ギルドが、この街で薬を売るなら自分たちの作品を一定数購入しろとかいって、粗悪品を法外な値段で押し付けてきて、断ったらチンピラみたいな冒険者がうろつくから商売にならなくて、小さい薬屋はみんな潰れちゃって、大きなお店も負担になって大変らしいし、住むのは難しいでしょうねぇ。

あら、ごめんなさい余計なことぺらぺらと。


そういえばあの子、お料理も上手いのよ。

この前、エリプをかなりおまけしてあげたら、次に来たときには、エリプを使ったお菓子を作って来てくれたのよ。

それがもう美味しくて美味しくて♪

私と主人と娘であっという間に食べつくしちゃったわよ。

薬師じゃなくて菓子職人だったら、街に住めないかしらねぇ?

あ、でもそうなったら、そっちでもお貴族様に目をつけられるかしらね。

薬の方でも目をつけられるくらいの腕前なんだしね。

そうそう、角の靴屋さんの娘さん、出戻って来たって話、本当なの?

あれだけ大騒ぎしてとつ…

以下略






冒険者ギルド・リーフェン王国地方都市メセ支部ギルド長 ディウスを見る第三者(かみの)視点~


一人の男が、冒険者ギルド内部にある一番豪華な部屋で、一本のポーションをみつめていた。

そのポーションは、最近商業ギルドが卸している、高品質ポーションだった。

男は考えていた。

これを冒険者ギルドで独占すれば、莫大な利益があがる。

なにより、偉そうな口を利くだけで、金を浪費することしか出来ない薬師ギルドのカス共を切り捨てることができる、と。

そこに、ノックの音が響く。

「入れ」

「失礼いたします」

入ってきたのは、特徴の薄い、平凡な容姿の男性だった。

「そのポーションの入荷元が判明しました」

男はピクリと眉をあげる。

「最近街に出入りしている若い女のようです。街に定住はしていないらしく、10日ごとに街に来ているようです」

「次に来た時に、私の命令をつたえておけ」

「畏まりました」

男はほくそ笑み、己の栄華を思い描いていた。


男は元々王都の冒険者ギルドで活動していた冒険者だった。

冒険者としては銀級(シルバーランク)どまりであったが、冒険者を引退し、職員として働き始めた。

が、元来の高圧的で自己中心的な性格のため、資金の使い込みを初めとして、

冒険者への依頼料の不正な天引き。

実力不足の者への無謀な依頼の強要。

初心者からの強制的な指導料の徴収。

自分にとって都合の悪い、反抗的な冒険者の制裁。

依頼内容の改竄など様々な不正行為を働いていた。

であるにも関わらず、証拠を残さなかったため、幹部にまでのしあがった。

さらに、それで得た金でベスダンという侯爵に取り入り、後ろ楯を手にいれた。


そして、先代の冒険者ギルドマスターが、高齢により代替わりすることになった時、「自分こそがギルドマスターに相応しい」と声高に主張し、根回しや恐喝をしたが、先代が後継者に選んだのは、別の人物だった。

そして、本人からすれば、左遷同然に配属させられたのが、メセの街のギルド支部だった。

男は困惑し、激怒した。

自分はギルドマスターなのになぜ移動しなければならないのか?

あの若造が先代のギルドマスターに取り入って、私を王都からおいだしたのだ!

ちがう!私こそがギルドマスターなのだ!

ここがこの国のギルドの中心なのだ!


そう勝手に結論づけた男は、この街の領主をも蔑ろにし、己の欲望のままに振る舞い始めたのだ。

自分の栄光は永遠だと確信して…。


最初に考えてたプロットが、書いている最中にごそっと変わることがよくあります。

それにより、存在を抹消されたキャラもいます。

後で何かに使うつもりですが


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