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第14話 図書館の利用と街でのお泊まり

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ありがとうございます!


5/15 誤字修正

役所に併設されている図書館は、利用には身分証が必要で、入館料1000クラムで時間制限は開館から閉館まで。

平民は貸し出し不可。

持ち出したり破損したりすると、罰金・逮捕は勿論、最悪死罪なんてこともあるそうだ。


僕は図書館や図書室が好きだ。


前世の家では本を読む暇は与えられなかったが、学校では、昼休みの時間、みんなが昼食を食べている時にだけは、図書室で本を読むことができた。


図書館は、僕以外の家族が旅行に行っている間だけ行くことができた。

司書の人には睨み付けられ、30分したら追い出されていたけれど。

それでも、図書館・図書室の本だけは、嫌がらせをせずに知識をくれた。


なので、せっかく来たのだからと、このメセの街の図書館にはいってみることにした。


書架が並び、本が整列し、インクの匂いがするのは、前世の図書館と変わらなかった。

僕は入館料を払い、さっそく本を手にとった。

世界地図や歴史書。

神話に寓話に昔話。

魔法のハウツー本に研究書。

魔物図鑑に動物図鑑。

武器防具のカタログに流行りの物語小説など、色々な本を読みまくった。


そのため閉館時間になっても玄関にこなかったために、

「御客様。閉館時間でございますので…」

笑顔で怒っている司書さんにつまみ出されてしまった。


外に出たときには、日が傾き始めていた。


八百屋のおばさんのところで、なにか買ってから帰ろうと寄ってみたところ、

「そういえばあんた。宿は決めてあるのかい?」

「いえ、このまま城門をでて帰りますが?」

僕としては平常運転なのだが、おばさんから見ればとんでもないことだったらしく。

「何馬鹿なこと言ってるんだい!あんたみたいな若い娘が夜に独り歩きなんて冗談じゃないよ!私の知ってる宿を紹介してあげるからそこに泊まっていきな!いいね!?」

「はいっ!」

おばさんの迫力に思わず返事をしてしまった。


よくよく考えれば、中世な感じのこの世界で、夜に移動するのは犯罪者か訳有りか、盗賊か魔物に襲われている時くらいだろう。


それに、一応。女1人で夜にうろうろすると怪しまれるのは間違いないので、泊まっておくのは正解だ。


そうしてたどり着いたのは、清潔な感じのする建物だった。


看板には、『暖炉亭』と書かれてあった。

「こんばんはー」

中にはいってみると、外見の印象と同じく清潔で、右手にはカウンターを兼ねた厨房があり、左手は広いスペースに椅子とテーブルが並び、食事ができるようになっていた。

そしてその壁には看板通りの、煉瓦で出来た大きな暖炉が存在感をはなっていた。

「いらっしゃい。暖炉亭にようこそ。食事かい?それとも泊まりかい?」

声をかけてきたのは、年齢は40代くらいなのだろうが、体育会系で引き締まった感じの女性だった。

多分ここの女将さんなのだろう。

「あ、泊まりでお願いします」

「あいよ。一泊素泊まりで5000クラム。食事は別払い500クラムで提供してる。風呂は無いけど、別払いでタライとお湯は提供してるよ」

「じゃあ、一泊お願いします。あと夕食も」

僕はそう言って、鉄貨5枚と、青銅貨5枚を女将さんに渡す。

「毎度。部屋は2階に上がって左の奥だよ。夕食はもう食べられるから、荷物を置いたら降りてきな。あ、戸締まりと貴重品の管理はしっかりね」

そう忠告しながら鍵を渡してくれた。


あてがわれた部屋は、やっぱり清潔で、ベッドのクッションもなかなかだった。

とりあえず入り口以外の鍵をきっちりとかけ、神様のバッグにリュックや金剛杖やフード付きのマントやらをしまい、それを肩にかけて、食事をするべく下に降りていった。


下の食事をするスペースはさっきと変わっているはずもなく、何人かの宿泊客が食事をしていた。


空いている席にすわると、女将さんが食事の乗ったトレイをもってきた。

「おまたせ。今日のメニューは、カフトと野菜の重ね焼きに、ルマーのスープ。ブートは3つ目からは1つ30クラムだよ」

「ありがとうございます。いただきます」

女将さんが笑顔を浮かべながらカウンターに戻ったのを見届けたあと、早速いただくことにした。


カフトと野菜の重ね焼きは、ジャガイモ・ニンジン・キャベツのキッシュ。

カフトはジャガイモのことだ。

ルマーのスープはトマトのスープ。

ブートはバターロールくらいの丸いパン。


キッシュはジャガイモがぎっしりつまっていて食べ応えがあり、トマトスープは酸味がきいていて、タンパクなキッシュの味付けの意味もあるらしい。

そのコンビネーションは実にすばらしかった。

夢中で食べていたために、夕食はあっという間に終わってしまった。


今いるお客さんは物静かな人ばかりみたいだけど、面倒が起こらないうちに、部屋に引き上げることにした。

「ごちそうさま。おいしかったです」

「そいつはよかった。ゆっくり休んでおくれ」

「はい。おやすみなさい」

そう言って僕が部屋にはいって鍵を閉め、荷物整理や確認をしていると、下から大声が響いてきた。

「おう女将!酒だ!」

「なにが酒だい。既に酔っぱらいじゃないか!」

酒場にもなっているらしいから、そういうお客もくるのだろう。


そのまま荷物の整理をおえると、僕は気にすることなくベッドに横になった。



いずれは街への定住か、テレポートゲートでの移動を考えています。

食品の名前を考えるのが大変…


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