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第78話 魔技研編 『フレアの悪巧み』

 魔技研はフレアを怒らせてしまった。テロによって魔法少女を追いつめたことでフレアは魔技研と愚連隊を完全に敵と認定した。失敗した愚連隊はぬいぐるみたちにボコボコにされたことで人々から笑い話の種にされその権威を大いに損なった。オズマは大きな打撃を受けて頭を悩ませることとなるのだ。だが、その程度でフレアの溜飲が下がることなどあり得ない。

 フレアは魔技研と愚連隊を潰すべく次々と手を打っていた。そして、今回の一連の策になくてはならない発明を学園に配備しようとしていた。


「ふふふ、あーーはっはっはっ、与し易し」


 現在、ウラノス魔導騎士学園の校舎は旧校舎も新校舎も合わせて急ピッチで改修工事が進められていた。


「フローレア、ここは一体どういう部屋なのですか?」

 

 警備管制室に招かれたティアナクランが壁一面に広がる無数の画面を見て首をひねる。視線を下げるとコントロールパネルが無数に広がり、魔導通信機器が設置されている。

 これを見ただけでティアナクランはどうしようもなく嫌な予感がするのだ。


(ああ、フローレアが何かとんでもないことをやらかしたことだけは分かります。聞きたくないのですけど……聞かなければなりませんね)


 見てしまった以上王族として問いたださなければならない。後になって発覚し、知りませんでした、などといえば管理責任を問われかねない。それだけフレアの発明は常に先を突き進みすぎるのだ。

 全く気が進まないながらもティアナクランはフレアに尋ねた。


「フローレア、もう1度聞きます。これは何なのですか?」

「ふふふ、ティアナ。前回のテロ騒動を受けて、警備体制の強化が急務だとは思いませんか?」

「ええ、そうでしょうね。大勢の人の来園が見込まれる学園祭です。そこでテロが行われる危険を考えれば中止も検討がしたいところですが人々の期待も大きいのですわ。そこで学園祭を中止をすれば民の反発が大きくなります。悩ましいところですね」

「その通りです。民は学園祭開催を心待ちにしています。共和国のこともあり中止は難しいでしょうね」

「それと目の前に広がる装置と何か関係があるのですか?」


 ティアナクランの疑問を受けてフレアがこれが答えだと示すため設備を起動して見せる。

 各設備に魔力が入り魔導具たちが活動を始めると壁一面に備え付けられた100以上の画面に学園各所の映像が写し出された。

 その意味にティアナクランが気がつくと開いた口が塞がらず(ぼう)(ぜん)とする。してやったりとフレアは得意げに話し始めた。


「この警備管制室では学園各所に設置した魔導具と即時視界を共有しここで集約。監視することが可能なのです」


 聞いた瞬間にティアナクランは遠のきそうになる意識を必死につなぎ止める。なんてものを作ってくれたのだと怒鳴り散らしそうな気持ちを必死に自制する。

 

「あ、ああ、頭が痛いですわ」


 フレアがまたも王国を揺るがす発明をやらかしたのだと知り、頭痛が止まらない。

 そんな王女の苦悩には気がつかず、興奮気味にフレアがまくし立てる。


「更に警備管制室に音声通信の魔導具を複数配備。怪しい人物を見つけたら現場の警備に連絡して急行してもらう手はずです」


 それにはティアナクランの顔が真っ青だ。この連絡網をもし軍事に用いれば戦争の形が一変してしまう。あまりの危険性から軍事利用限定、それも上級指揮官のみとした機密保持を徹底しなければならない。

 問題はそれを共和国の重鎮も来る学園の警備に導入することにある。ティアナクランはとても隠しきれる気がしなかった。この技術を共和国に見せていいものか、すぐに王都に飛んでいって国王と協議が必要だと考えていた。


「ああ、頭が痛いですわ。お父様になんて報告をすれば……。わたくしがいながらこれほどの暴挙を見過ごすなんて」

「ええ、その通りです。魔技研の暴挙をこれ以上見過ごすわけにはいきません」

「違います。暴挙とはあなたの発明のことです」

「ほへ?」


 王女はそれはもう涙目でフレアの両肩につかみかかると言った。


「視界を即時共有する? こんな発明悪用されたらとんでもない事ですわよ。というかこの発明によって起こりうる事態に対応した法律の制定と道徳的規範にルール作り。そもそも王国の文明を著しく混乱させる過剰技術をポンッと作ってくれちゃって……、あああーーーーっ、どうしてくれますのっ!!」


 口調や態度から見ても王女の悩みは察して余りあるものだ。しかし、フレアはしれっと責任を押しつけた。

 

「まあ、そこは国王陛下にお任せします」

「丸投げするなっ!! 自分の発明に責任を持ちなさい」


 王女の言いたいことはもっともだ。これではビスラード国王陛下の胃と心労が危ぶまれる。そこでフレアはティアナクランに小型の箱形魔導具を手渡した。


「なんの真似ですか、フローレア」

「その魔導具は携帯用の記録装置《メモリークリスタル》です。映像と音声を忠実に記録、再生することができます」

「なんですって!?」


 更に聞かされるトンでも発明にティアナクランの堪忍袋が危うい。正気度もすり切れる寸前だ。

 だがその後に聞かされるフレアの言葉でティアナクランは踏みとどまった。


「これで王族が頭を悩ませる悪徳貴族の不正も暴けると思いませんか? それに危険な相手に渡ったときは自壊機能もあるので悪用の心配も不要です」

「えっ?」

「魔装宝玉が魔法少女にしか使えないのと一緒ですね。それを応用して作っていますから製造法が他に漏れる心配もありませんよ。当然グローランス工房の機密管理も徹底していますから」

「ふむ。なるほど」


 最低限の対策はしているのだと知りティアナクランはわずかに気を持ち直す。

 それどころか確かにこれは不正を糾弾するためにこれ以上ない証拠となりうる。映像と証拠を突きつけられては言い逃れもできない。問題はこの魔導具の信頼性が問われるのだがそれは王族で検証し、証拠能力を認めるよう根回しをすれば良いだけの話だ。

 フレア自身が前世で技術を奪われた苦い経験があるので対策は2重3重に行っている。

 

「確かに厳重に管理して運用すれば使えますわね」

「そうでしょう、そうでしょう」


 満面の笑みとともに胸を張るフレア。ティアナクランに褒められてとても嬉しそうだ。しかし、次なる言葉でどん底に突き落とされる。


「それはそうとフローレア、後でお説教です」

「ええーーっ!!」


 フレアにとっては恐怖の代名詞。

 王女のお説教。

 あっという間に血の気はひいて体がガクガクと震え出す。

 

「そ、そんな、どうして……」

「あなたには自重という言葉を骨の髄までたたき込んであげます」

「いやああああ、ルージュさん。たすけてええええ」


 信頼する護衛の名を叫ぶが無情にも彼女に届くことはなかった。




 学園祭開催が近づくことで日に日に忙しくなる生徒たち。その様子を幾つか紹介する。

 学園祭準備期間中、特に頼られる人物がいた。それはロザリーである。

 今も生徒間でもめ事が発生したため仲裁に入っている。


『俺たちが使うはずの資材を隣のクラスの連中が使っちまったんだ。再発注する時間なんてねえよ。どうしてくれるんだ』

「あのーー」

『俺たちのクラスの廊下まで塞ぐから分からなくなったんだろ。むしろちゃんと整理しろよ』

「話を聞いてくれませんか」

『なにおぅ』


 仲裁にきたロザリーの呼びかけは現在無視されている。そんな中、突然ロザリーは涙した。


「ああ、神よ。私はなんて無力なのでしょう。この程度の仲裁も満足にこなせないなんてシスター失格です。生きている価値なんてないんだわ」


 泣き崩れる様を見ていた女生徒たちはロザリーを気遣い話を聞かない男子生徒たちを非難し始める。


『女の子を泣かせるなんて最低ーー』

『あ、いや、泣かせるつもりは……。というかあれくらいで泣かなくても』

 

 戸惑う男子生徒はようやく言い争いを中断した。ロザリーは畳み掛けるように一層嘆き悲しみ、自らを責める。


「なにもできない無能な私はきっと副委員長を辞めさせられるのでしょうね。ああ、名誉顧問である王女殿下に死んでお詫びします」


 死ぬまで思い詰めたロザリーの態度に生徒たちは罪悪感を覚え頭が冷える。加えて王女の名前が出たことで生徒たちははっとして慌てだす。


『おい、この程度のもめ事で王女殿下をわずらせたら不敬じゃねえか?』

『だな。悪かったよ』


 こうして両者の(いさか)いは解決の方向に向かう。こうした一見変わっているロザリーの後ろ向き発言手法によってつつがなく準備が進められていく。


「ああ、神の慈悲により迷える子羊たちは救われました。感謝致します」


 そしてロザリーは悲嘆から立ち直るとけろっとした笑顔で男子生徒2人に詰め寄った。


「では問題を起こした両者は罰として教会に寄付をお願いしますね」

『『えっ!?』』


 それ以降、寄付を強要するロザリーのうわさが広がると揉め事が驚くほど少なくなっていったらしい。




 生徒たちの提案で目玉企画の1つとなった舞踏会。

 ダンスの練習にはフレアとユーナが講師となって学園の(げい)(ひん)(かん)で教えることとなった。ダンスは上流階級でもなければまず習う機会がない。

 ユーナは子爵令嬢。フレアには爵位はないが祖父と母が騎士爵で作法に問題ない。

 ダンスはユーナが男装をして男側となり女子を指導。フレアがドレスを着て男子を指導する側となっている。


「ほむ、私が女子を指導した方が良くないですか?」

「駄目よ」

「ですが……」


 フレアが視線を周囲に巡らせるとほとんどが女子であり、視線がユーナに向いている。男装したユーナに憧れ、ときめいている女子が多いのだ。

 これでは指導に支障が出るのではと危惧していた。


「それともフレアさんは可愛い女の子と踊る方が嬉しいのかしら。例えばシャルさんのようにね」

「なんでそこでシャルさんの名前が出るのですか?」

 

 チラリと目を向けると会場にはシャルの姿も見られる。講師役がフレアと知ってシャルはなぞのやる気を見せていて瞳にも気力がみなぎっている。だがシャルの視線には多分に恋する乙女の感情も含まれていてユーナは面白くない。


「……鈍感(ぼそり)」

「えっ、何か言いましたか」

「なんでもないわ」


 ユーナは突然フレアの手を取るとダンスを始める。最初は戸惑うがすぐに指導前に見本を見せる意図だろうとユーナに合わせて踊る。

 迎賓館にはフレアが開発した魔導具によって音楽が既に流れている状態。優雅な音色に合わせて2人は集まった生徒たちに華麗な舞を()(ろう)していく。


『はあ~~、ユーナ様。素敵ですわ』


 女生徒たちからうっとりするような溜め息とともに熱い視線が集中する。当の踊る2人は既に周囲のことなど気にならず互いのことに意識が集中している。

 だからこそフレアはユーナから感情の乱れを感じ取る。


「今日のユーナさんはおかしいです。なにか焦っているのですか?」

「焦りもするわよ。知っているかしら。魔法少女の危機に現れる男の子の話」


 フレアはドキッとしてわずかに足が乱れる。大抵の人間は見逃すところだが一緒に踊るユーナはすぐに動揺を見て取った。

 ユーナはさらに密着して顔をフレアに寄せる。


「(やっぱり、彼はあなたなのね、マコトくん)」

 

 フレアにしか聞こえないよう耳元で小さくささやく。

 それを見ていたシャルはほおを膨らませてユーナを睨んでいる。


「意味が、分かりません」

「親友に隠し事するんだ?」

「それは……」


 困っているフレアにユーナはクスリと笑う。


「これでも認めないのは言えない事情があるのでしょう。いいわ、私はあなたが昔助けてくれたマコトくんだって信じているもの」

「……いいのですか?」

「ええ、いつか話してくれることを信じて待っているわ」


 それからくるりと舞う間、フレアの瞳にシャルが映り込んだのを見てユーナは壁に追い込むと壁に手を当てる。嫉妬で荒々しい昔の気性が表に出るとユーナはフレアに言い寄る体勢となった。


「ユーナ……さん?」


 フレアのほおにそっと手を当てユーナがいう。


「フレアさん、いいえ。マコトくんは誰にもわたさない。必ず私のものにする」

「ほえっ!?」


 突然の宣言はフレアにだけ聞こえる小さなもの。しかし、シチュエーションだけでも生徒たちには刺激的だったようで黄色い声が会場に響き渡る。


『きゃああああ~~~~』


 その後、ユーナのファンクラブが結成された。これによりユーナの学園における発言力は大きくなっていった。




 附属校の方では屋外で行われるヒーローショーの準備が進められていた。(きゅう)(きょ)決定したイベントということもあって設営側は時間が差し迫っていて殺気立っている。だが、附属校の子供たちが時折様子を見に来てはがんばってーと応援すれば和やかな空気とやる気を振りまいてくれる。

 その外れではマルクスが共演するスタッフと稽古に忙しかったりする。


「ああ、その変質者みたいな顔なんとかならないのかしら。美しくないわ」


 ルージュのあんまりと言えばあんまりな駄目出し。それでもマルクスは努めて真面目な顔を意識してキリッとした表情を作る。それを見てフレアとルージュと顔を見合わせると頷きあう。


「ああ、ごめんなさい。顔は元から変質者だったのね。これでは直しようがないわ」

「おおい、泣くぞ。マジで泣いて良いか?」

「あはははははは」

「フローレア、ここは笑うところじゃねえ」


 ヒーローショーは現代の知識を参考にしている。そのためフレアは総合プロデューサーとして指揮する立場にあった。


「すみません。ですがマルクス。見た目だけで笑いがとれるというのは芸人としてはとても美味しいことですよ」

「俺は芸人じゃねえよ。一応騎士なんだが?」

「えっ?」


 それにはフレアがほんとに驚いた風に声を上げるのでマルクスは声を荒らげる。


「いや、そこ驚くところじゃねえよな?」

「てっきりマルクスは騎士芸人だとばかり」

「ふざけんなっ、せめて芸人騎士にしろ。芸人がメインみてーじゃねえか」


 フレアとのやりとりを見ていたルージュは上品にクスクス笑う。


「あなた滑稽だわ」

「ぬおおっ、フローレア。お前の護衛、言葉の刃が鋭すぎなんだが」

「すみません。ルージュさんってブラックジョークが好きなんです」

「マジかよ。良い性格してやがるな」

「ありがとう」

「褒めてねえ。皮肉だよ、分かれ」


 都合の悪い言葉は無視してルージュはフレアに提案する。


「フレアさん、本当にこんな筋肉バカが主役で良いのかしら」

「マルクスは子供たちの受けがいいので心配いりませんよ」


 そう言ってからフレアはマルクスに魔導具を手渡した。


「何だこれは?」


 マルクスは渡された魔導具をよくながめる。大きさは手のひら大。形状はエンブレムのようであり竜の装飾があしらわれている。

 だが何より目を引くのがとてつもない力を持っていることが分かる中心の宝玉である。マルクスはそれがなんなのか徐々に理解すると慌て出す。


「おいおいおいおい。これって魔装宝玉じゃねえのか?」

「厳密には違います。それは《魔装甲冑》もしくは《マギウスアーマー》と呼ばれるものです」

「いやいやいや、猛烈に嫌な予感がするんだが。これってまさか変身できるって言わないよな?」

「できますよ?」


 マルクスは顎が外れんばかりに口が大きく開き、衝撃のあまり言葉を失っている。


「安心してください。これはマルクス専用です。魔装宝玉に比べれば性能は低いですよ。まあ、現行の魔導鎧と比べれば桁違いの性能ですけどね」

「なぜ、これをいま渡した?」

「もう、マルクスってば分かってて聞いてるでしょ。当然私の新発明をヒーローショーでお()()()するわけですよ。正義の変身ヒーロー、マルクスの誕生です」

「おまえ、これやらかしたら大騒ぎになるぞ。王女殿下には話通してるんだろうな」

「したら止められるに決まってるじゃないですか」

「当たり前だ。俺だってこれがとんでもない発明だって分かるぞ」

「だからこそ、魔技研はもうぐうの音も出ないほど打ちひしがれるでしょう。これからは魔導鎧ではなく、魔装甲冑の時代なのです」


 確かにこの技術を軍に独占提供すればもはや魔技研は立場を失う。それに気がつくとマルクスは血の気が引いてしまった。


「当日が楽しみね。魔技研の副所長はどれほど滑稽な表情を見せてくれるのかしらね」

「ルージュ、お前も止めろよ」

「どうして? ゴーマンは先日のテロの首謀者よ。証拠が見つからないからと検挙できない無能な王国の憲兵に代わって処断しようというの。あなたも力を貸しなさい」

「あのテロって魔技研の仕業だったのか?」


 もはやマルクスは頭を抱えるしかない。マルクスとしても悪が見逃されているというのは騎士として許せないものがあった。


「どうなっても知らねえぞ」


 と言いながらマルクスも悪巧みに引きずりこまれることになった。




 学園祭開催まで残り1週間を切り、交易都市ガランには続々と人が集まり始めている。中でもその日は重要な他国の賓客が大挙して到着していた。

 彼らを率いているのはファーブル翼竜共和国第一王女エクリスの妹である。多忙につき来訪できない姉に代わって第五王女のシルヴィアが代表としてやってきた。


 一団には共和国の大商人や官僚らも多くいる中で一際(かん)(ろく)のある竜人がいる。

 彼は共和国通産産業省の大臣ルドルフである。王より王国との通商を任されたエクリス王女名代の顔は立てるがルドルフは必要ならば強権を発動して主導するつもりでもいる。


「ここにエクリスお姉様が熱を上げている人間がいるのね」


 端正な顔つきだがシルヴィアは苛立ちもあって目つきが鋭くなっていく。翼のないガランの民を見回すとシルヴィアは差別的な言葉を口にする。


「翼なしが」


 それにはルドロフが忠告する。


「言葉には気をつけられよ。ここは人間の国であり同盟国でもあるのだぞ」

「分かっているわ。でも、心の中で思う分にはかまわないでしょう?」


 改める気はなさそうだとルドロフが溜め息を1つこぼす。


「あの強く、美しく、誇り高いエクリスお姉様が人間を見初めるなんて何かの間違いだわ。化けの皮を剥いでやる。たいしたことがないとみれば帰らせてもらうわよ。覚悟しなさい」


 びしっとガランの奥に見える学園に向かってシルヴィアは指差すと言った。


「フローレア・グローランス」


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