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第54話 竜人王女編 『万夫不当の知恵者』

「ケタケタケタ、ベルカは間もなく滅ぶ。我々はその隙を突き王都を攻める」


 ゲールは劣勢に追い込まれつつある連合軍を遠くより見つめながら部下の竜人たちに言い放つ。

 ゲールを見る部下たちの反応は冷めたものだがまるで気がついていない。ゲールは手に入れたホロウの力に酔いしれ過信し過ぎている。そのため余りにも周りが見えていない。


「俺様は新たな力を手に入れた。この力があれば王都を攻め滅ぼし属国化することも可能だ。そうなれば共和国も俺様のことを見直すだろう。ケタケタケタ」


 部下たちは懐疑的であり得ないと首を振る。説得力のかけらもないその内容はもはや妄想だ。

 シェラにそそのかされゲールはそんなことも分からないほど暗愚となっている。


「さあ、ついてこい。活躍した者は大出世間違い無しだぞ」


 部下たちはほんとについて行くのか、と互いに見合わせる。だがおもてだって離反すればゲールに殺させるかもしれないと誰もが言い出せずにいる。


「何をしている。さっさとこい」


 焦れたようなゲールの言葉に部下たちは慌てて付き従うしかないのだ。

 ゲールはホロウによって力が増したことで進軍速度が通常よりもはやくなっている自覚がない。

 

『ゲール様、少し速度を落としませんか。ついてこれない者が出始めております』


「ケタケタケタ、そのような弱兵など捨て置け」


 あまりの言いようであったが進言した者は閃いた。


『くっ、しまった。この前の戦の古傷が……』


 そうやって足を止めて遠ざかっていく竜人を見てゲールの後方に続く者たちははっとした。

 その手があったか、と。


『ぐああ、足を(くじ)いた』

『あ、ずるいぞ。俺も急に腹痛がっ』


 2人が更に足を止めて脱落していく。一方のゲールは王都を攻め落としたあとのことで頭がいっぱいであり、後ろを振り返る様子がない。ひたすらに先頭を突き進んでいた。

 それをみて部下たちは確信した。これはチャンスだと。


『くそっ、持病が……』

『――っ、頭痛が痛い(笑)』

『あ、虫歯が?』

『爪が割れた!?』

『ぐあああ、水虫が悪化したあーー』

『おら、腹減ったーー』


 どんどん酷い理由をつけて脱落していく竜人たち。急速に数を減らしていく部下たちにも気がつかずゲールは王都に向けて尊大に突き進んでいた。




 水の魔物との戦闘中、都市内部の敵を徐々に押し込んでいたG組の生徒たち。そんな魔法少女に合流するためフレアは近づいていく。

 

「フレアちゃん……」


 最初にフレアに気がついたのはパティだった。姿を確認すると涙ぐみ駆け寄ろうとする。それすら追い越してミュリが突撃していく。


「フレアお姉ざま~~」


 弾丸のようなミュリの飛び込みにも身体強化のおかげで難なく受け止める。体を震わせて泣きじゃくるミュリの頭を優しくなでながら次々に集まってくる魔法少女たちに視線を向けていく。


「皆さん、心配をかけました」

「本当ですわ」


 アリアが展望台からユーナたちを連れて空から降りてきた。


「本当に心配しましたのよ」

「ごめんなさい」


 熱い視線でフレアを見つめアリアは手を取った。


「勝手に死んだりしないでください。次はありませんわよ」

「……すみません」


 そんな2人の様子をユーナが割って入り咳払いする。


「こほん。アリアさん。もう手を離したらどうかしら」


 アリアはぎゅっと両手でフレアの右手を握っていることに気がつき慌てて手放す。


「あ、おほほほ、すみません、つい」

「ん? かまいませんが今は戦闘中です。現在の状況を手短に教えてもらえますか」

「はい、了解しましたわ」

 ――――

 ――



 説明を受けたフレアはふむと頷く。


「では手早くベルカ内部の敵を無力化し、外の援護に向かいましょうか」


 あっさりというフレアにアリアは質問する。


「手早くですか? ですが水の魔物は非常にしつこく簡単には倒せませんわよ」

「それは闇雲に攻撃するからですよ」

「一応、できる限り弱点の火で攻撃するようにしていますが」


 それにはフレアが首を振ってアリアに指摘する。


「そもそも火が弱点だという認識が間違ってますね」

「「「えっ」」」


 一拍遅れてアリアがフレアに詰め寄った。

 

「ど、どど、どういうことですの? 火が弱点ではないって。ですが現に火であれば少ない手数で倒せていますが」

「まあ、それも間違いではありません。ですが私からすればもっと効果的な属性があると思うのですよ」

「それは一体なんですの?」

「土属性ですよ。それも、攻撃魔法で一般的な堅い石や鉱物での攻撃ではなく砂を用います」

 

 それには魔法少女たちの頭上に無数の疑問符が浮かんだ。土属性というだけでも首をひねるところだ。それなのに威力も期待できず誰も魔法で使おうとしない砂を用いるというのだ。理解できなくとも仕方ないのといえる。その中でユーナだけが何かに気がついた。


「あ、もしかしてあのときの粉塵爆発は……そういうことだったのね」

「ユーナさんはわかりましたの?」

「ええ、アリアさんはミュリさんが起こした粉塵爆発のこと、おぼえているかしら」

「あれは大惨事でしたわね。いま思い出しても頭痛が……」


 額に手を当ててこめかみがひくつかせるアリアと申し訳なさそうにしているミュリ。ユーナはまあまあと抑えながら本題はそこではないと続ける。


「まあ、それは置いておいて。あのとき直接巻き込まれた水の魔物は一撃だったわよね。あれは火によるダメージのせいだと勘違いしていたわ。けれどそうではなかったのよ」

「それだけでは分かりませんわ。どういう意味か説明してくださらない」

「答えはね。水の魔物が小麦粉を大量にかぶっていたからよ」

「???」


 それでも分からない生徒が続出するなかでサリィもようやく正解に気がついた。


「あら~~、そういうことだったのね。水が小麦粉を吸っちゃたら固まっちゃいますもの~~」

「「「っ!!」」」

 

 おっとりサリィの言葉で魔法少女たちはようやく答えにたどりついた。

 そこでパティが納得し作戦を提案する。


「じゃあさ、土の魔法少女が水をよく吸う砂で魔物を固めてから攻撃すれば良くない?」


 それにはアリアがパティをじっと見つめてため息をつく。


「えっ、アリアちゃんどうしたの?」

「いえ、もっともな意見なのですがパティさんに提案された作戦ですとそこはかとなく不安が……」

「ひどっ!!」


 ショックを隠せないでいるパティ。だがフレアがパティの考えを支持する。

 

「いえ、パティさんの作戦が正解です。水の魔物はその性質から攻撃すると派手にぶちまかれますがそれでダメージを逃がしほとんど攻撃が通っていないようです。そのため固めてダメージを通りやすくすることが必要なのです」

 

 その説明を受けて多くの生徒が納得し感心したような視線をフレアに向けた。そして、口々にやっぱりフレアちゃんがいないと駄目だね、と魔法少女たちは意見を交わした。


「ふふふ」

「アリアさん、何かおかしなことでも?」


 アリアが突然嬉しそうに笑うのでどうしたのかと尋ねる。


「いえ、フローレア教官は魔法少女になくてはならない存在だと改めて実感しましたのよ。さあ、みんな、内部の敵はあと一息ですわよ」

「「「おおーー」」」


 アリアのかけ声で動き始める魔法少女たちにフレアは慌てて引き留める。


「ちょっと待ってください。動きを止めるだけでかまいません。あとは私が亜空間にひとまず封印します」

「封印? どうやって」


 そこでアリアはフレアの目が竜人のようになっており魔力で赤く輝きだしたことに気がついた。


「って、えええーー、フローレア教官の目がおかしなことになっていますわよ」

「なんか復活したら妙な力に目覚めてしまいしまして。亜空間操作が可能になったのですよ」

「はっ?」


 多くが何言っているの? 

 と言いたげにしているなかでパティがぽんと手を打つ。


「ああっ、もしかしてエクリス王女がしたキ――」


 何を言いかけたのか察したユーナがすかさずパティの口を塞ぐ。


「エクリス王女がフレアさんに施した儀式に関係あるのかもしれないわね」

「ええ、ママもそのようなことをいってました」


 ユーナはパティに余計なことは言わないよういい聞かせた後提案する。


「ひとまずフレアさんの案でいきましょう。可能かどうかなどフレアさんに聞くのは愚問というものよ」


 生徒たちからすればフレアへの信頼は絶大だ。できると言われればフレアならば、と納得してしまうことも多い。

 それでもユーナはひとつ疑問を投げかける。


「だけど分からないわ。どうして撃破せずに封印などという手間を取るのか聞かせてくれるかしら」


 やはりユーナは鋭い。フレアはごまかしたままことを進めたかったのだが仕方なく理由を話すことにする。


「……分かりました。現在ベルカを襲っている水の魔物。皆さんはその正体に疑問を持ちませんか?」

「水の魔物の正体ですの?」

 

 アリアを始め多くの生徒がそんなこと考えもしなかったとその意味を深刻に受け止めている様子がない。

 その中でやはりユーナがいち早く仮説を立てて福音魔法を遠くにいる水の魔物に向けたのだ。


(やはりユーナさんはすごいですね。確かめる方法も的確です)


 そしてユーナはわずかにめまいを起こしたようにふらつくとパティに支えられる。


「ユーナちゃん、大丈夫? もしかして水の魔物に福音魔法を使ったの。あれって精霊とのチャンネルに使うもの……だよ……ね」


 話しているうちにパティもようやくとある可能性が脳裏に浮かんだのだろう。


「ま、さか。ウソだよね。あれって、水の魔物って精霊さんなの?」


 パティにとって精霊は特別な想いがある。友達になった風の精霊ジルとの別れがあるからなおさらだ。


「パティさん、気を強く持ちなさい」


 ユーナがパティの肩を逃がさないようにしっかり掴んだあとにフレアに問いただす。


「水の魔物は精霊だったのね。フレアさん、ちゃんと説明してくれないかしら」

 

 フレアもパティに近づきパニックにならないように抱きしめながら重い口を開いた。


「そうです。ホロウは精霊を魔物におとしめて意志に関係なく操っています。魔法少女なら感じるでしょう。水の魔物を見ていると気持ちが沈むのは助けを求める精霊たちの悲痛な叫びです」


 聞いていた魔法少女たちはショックを隠しきれずに動揺した。


「で、では。私たちはいままで操られているだけの精霊を倒していたのですか。な、なんていうことを」


 罪の意識に頭を抱えて泣き出す子もいる。フレアが語気を強めてまくし立てる。


「悪いのは操っているホロウです。止めなければ精霊が罪のない人をあやめていました。皆さんは知っているはずです。精霊さんたちは優しく、純粋で友達になれることを。止めてくれた私たちを恨むなんて決してありません」

「でも……」

「それに、いま私たちは知ったからこそ出来ることがあります。ベルカを救うだけでなく、生き残っている多くの水の精霊を可能な限り助けましょう」

 

 ボロボロに泣いてしまっているパティをみてアリアはぎゅっと拳を握りしめる。ホロウに対する強い敵意。友達のパティを泣かせた怒り。そして、知らなかったとはいえ罪悪感。それらを飲み込みパティに近寄った。


「パティさん、ガランでの『よこし魔』との戦いを思い出しますわね」

「……ひっく、……ぅん」

「分かっているのなら泣いている暇はありませんわよ」


 アリアに諭されパティは思い出す。あのとき『よこし魔』にされた男の子がそれでも必死にあらがっていたように、水の精霊たちもきっと人を殺したくはないとあらがっているはずだと。


「水の精霊は助けを求めてる。だったら助けなくちゃだね」

「ええ、今からでも助けられる命がある。だったら立ち止まっては駄目でしてよ。そうでしょう、みんな」


 アリアの必死の訴えに魔法少女たちは涙を堪えて再び立ち上がる。


「ん、…………絶対助ける」

「ホロウ、ゆるせないっしゅ」

「自ら手を汚さず他人を操ってとは外道の所業。見過ごせぬ」


 次々に賛同の声が上がるとフレアが良かったと安どした。

 このまま塞ぎ込むのではと心配だったが、悪を知り見過ごすなど魔法少女がするはずがない。

 フレアは改めて魔法少女たちの強さと仲間と励まし合う絆を確認した。


「水の魔物を元に戻す方法は浄化魔法です」

「つまり、フィニッシュアタック《ミラクルマギカブレス》の出番ね」

「ですが個々に使っていては魔力が持ちません。何より根本的な解決にはベルカの外に見えるあの大きな魔物、いえ、上級精霊を元に戻す必要があります」


 全員が城壁の外に視線を向ける。高い壁からでも見ることができる余りにも巨大な水の魔物。

 時々、凄まじい魔力砲撃を放ってきてはベルカを脅かしている。

 今はまだティアナクランの強力な魔法障壁で防いでいるが魔力がどこまで持つのか分からない。


「皆さん、これより作戦を伝えます。迅速に内部の敵を無力化しますよ」

「「「了解」」」

 

 フレアが合流し、息を吹き返したようにG組の生徒たちは快進撃を始めた。



 

「よくやった方か」


 エクリスは戦場を見下ろし当初より3割近く減じている自軍を見やる。

 セリーヌの采配により負傷者はあれど死者はほとんどいない。適切に部隊に指示を出し被害を最小限に抑えていた。


「これだけの被害にもかかわらず死者はほぼ無し。軍師という役職。共和国には存在しないが取り入れるのもいいかもな。だが」


 これ以上は陣形の維持も困難となり被害は加速度的に増えることは目に見えている。

 セリーヌも申し訳なさそうに返事をする。


「はい、これ以上は一方的に殲滅される展開に傾いていくかと。申し訳ありませんエクリス王女」

「よい。十分に時間は稼いだ。わらわが病によって生じた消耗もそれなりに回復できた。これより戦場に出て親玉ごと敵を食い破ってくれよう」

 

 今も戦場では必死に連合軍が応戦している。明らかな劣勢を戦い抜いた兵たちにエクリスは感化され高ぶっていた。

 そこに待ったの声が上がる。


「それはまだはやいですよ」


 背後から聞こえた声に3人はふり返る。

 そこには死んだはずのフレアが立っていた。魔法通信で息を吹き返したと報告を受けていたが実際に目で確認すると耐えきれずにティアナクランが駆け寄って抱きしめる。


「フローレア、良かった。ううぅ」

「ティアナ、心配かけてごめんなさい。もう大丈夫ですよ」

「本当に、……何で、いえ、わたくしこそふがいなくてごめんなさい。だから、だから、もう、かってに死なないでください」

「……はい」


 2人の雰囲気を見て取りエクリスがセリーヌに尋ねる。


「あの2人、友人関係なのだよな?」

「ええ、そう聞いてます。少々ティアナクラン殿下に行き過ぎなところもみられますけど」

「ふむ。困ったな」


 なにやら思案しているエクリスを置いてセリーヌはフレアに質問する。


「あのーー、フレアさん、さっきのはやいってどういうことですかあ」

「ああ、そうでした。大将が出るのは最終局面です。エクリスさんはそれまで後ろで大きく構えてくれればいいのですよ」


 そういうフレアにエクリスは現実を突きつける。


「だが戦況は我が方の不利ぞ。戦線は崩壊寸前である。わらわの介入無しにどうやって盛り返すつもりだ? そなたが引き連れてきた魔法少女たちが加わったところでどうにかできるとは思えぬ」


 エクリスがフレアの後ろに控えるG組の生徒の面々に視線を巡らせているとフレアは自信たっぷりに答えた。


「任せてください、問題はありませんよ」

 

 そう言ってフレアは神龍眼の力で亜空間から道具を取り出し、大量の液体を用意していく。


「ほう、その目、神龍眼に目覚めたか。ますますいいな」


 エクリスはフレアが何をするのか楽しそうに見守っている。ティアナクランはフレアに一体何をしているのか説明を求めた。


「フローレア、その液体は一体何なのですか」

「なにって魔法の接着剤ですよ」

「接着剤?」

 

 なぜいま戦場にそんなものが必要なのかと疑問を口にする間もなくセリーヌに指示を出す。


「セリーヌさん、連合軍に一時撤退命令」

「りょーかいーー」


 セリーヌはフレアに聞き返すことなどせずすぐに信号魔法を頭上にあげていく。

 不可解な指示にもかかわらず連合軍は見事に後退を始めて水の魔物と連合軍に距離が生じ始める。

 こうなると2人の王族は置いてけぼりだ。


「続いて土使い、風使い用意!!」

「了解ですの~~」

「まっかせて、フレアちゃん」


 サリィとパティ、それぞれが中心となった魔法少女たちが協力魔法の準備にとりかかる。それにはティアナクランが戸惑いを隠せない。


「えっ、ええっ! 土属性? 火属性はないのですか?」

 

 戸惑うティアナクランを無視してユーナが魔法の接着剤を空中に散布するとサリィたちが砂を大量に巻き上げて運び、接着剤と混ぜ合わせる。戦場を覆うほどの大量の砂をパティたちが風によって水の魔物たちの頭上に落とし込んでいく。

 

「フローレア、あなた一体何がしたいのですか。あんな威力もない砂を落とした程度で水の魔物が倒せるとでも言うのですか」

「いいえ、倒すとはいってませんよ」

「何ですって!?」


 おもわず怒り出しそうな剣幕に後ずさりかけたがフレアは冷静に見るように戦場を指差した。


「えっと、倒しはしませんがこれで軍勢は無力化しました」

「はあ!? 一体どういう……」


 フレアの真意が分からず目をこらして戦場を見渡すと砂で固められて身動きがとれない水の魔物がいた。


「水の魔物が止まった!?」

「砂は水で固まり水は砂に吸い上げられます。そして特製の魔法の接着剤でがっちり固めましたからもう彼らは何もできません。さあ、あとは敵の親玉を残すのみ。あとは真打ちにお任せしますよ」


 それにはティアナクランばかりかエクリスすら絶句した。

 連合軍があれほど苦戦した水の魔物、2万の軍勢。

 それがフレアが現れた途端あっという間に制して見せたのだ。2人の驚きはどれほどのものか察する。


「これは……一騎当千、いや万夫不当の知恵者よな」


 口にしてからエクリスは悦びで体の震えが止まらない。

 眼下の戦場ではフレアの策で大逆転したことに気がついた連合軍が都市中に響かんばかりに歓声を上げる。

 万の敵をたった1人の策で制してしまう。これもまた実力とするのならばこれ以上の正妻候補はあり得ない。そう確信したエクリスは思わず頬を染めてフレアに恋する表情を向ける。


「これがフローレア・グローランスか」


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