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第124話 魔技研編 『リンフォース』

長い間更新をお休みしてしまい、ご心配をおかけして大変申し訳ありませんでした。体調の悪化で緊急入院となり、この間ようやく退院となりました。今後は体調を見ながら活動を再開していきたいと考えております。今後とも応援よろしくお願い致します。

王都ロンドウィルに巨大な影がさす。人々は空を見上げ、王都をまるごと押し潰す巨大な島が落ちてくる圧迫感に足が竦む。

『どこにも逃げ場がない』

 その絶望が王都の人々の表情を絶望に染め上げていく。その絶望を切り裂くように空を走り抜ける幾筋もの軌跡が人々の目にうつる。


『……魔法少女だ!』


 暗闇に染まっていく人々の心にわずかだが希望の光が灯る。人類を守護する心優しき変身ヒロインたち。彼女たちが纏う魔力が燐光のようにきらめき空を舞う。王都を押しつぶそうとする空中要塞マガツを魔法少女たちが必死に止めようと動いている。それを地上から人々がはらはらした面持ちで見守った。


『頑張れ……』


 最初は王都に住む小さな少女が小さく呟く。


『頑張れーー、魔法少女』


 応援の輪は徐々に広がり、巨大なうねりような熱気へと変じていく。この絶望的な状況でも諦めない。魔法少女が懸命に立ち向かう姿が人々の心を揺り動かす。その感謝のおもいが地上を満たしていく。すると不思議な現象がはじまった。

 はじめは、ポツポツと。小さな、ほんの小さな魔力の灯りが人々の中から生まれた。それが加速度的に増えていき、いつの間にか眩しいほどの魔力の輝きとなって吹き上がっていった。その魔力は魔法少女たちへとのびていく。空にいる魔法少女たちだけではない。魔力を使い果たしてすでに倒れた魔法少女たちにも魔力を届けていった。


 


 魔法少女たちに魔力が届けられる少し前のこと。

 命に代えても国を守る。ティアが決意を固めた様子で手にもつ神具の宝珠を握りしめたとき、気がついたマコトが制止をかける。


「駄目ですよ」


 戒めるような強い口調。思い詰めていたティアははっとしたようにマコトを見つめる。神具の力で王都の人々の命を脅かす空中要塞落としを阻止する。そんな考えを見破られティアが申し訳なさそうに視線をそらした。


「ティア、仲間を信じて」


 言われてティアが地上の方に目を向ける。ティアナクランの巨大な守護の魔法障壁が空中要塞を止めようと展開されている。今のところ障壁は落下の加速を緩めるのが精一杯といったところ。Sクラスやゼロクラスの魔法少女たちも空中要塞を魔法で攻撃したり、要塞下から押し上げようとしている。とはいえ大量のホロウイーターや堕天使クライムを撃退したことによる消耗で魔法出力に陰りが見え始めている。


「でも、このままでは……」


 呪いを解いて完全に伝説の魔法少女の力に覚醒したところで長年の衰弱から回復するまで時間がかかる。フレアも同様万全ではない。それではいま要塞を止める術がない。神具の奇蹟でないと王都に住む何十万の人々が命を失う。見捨てることはできない。そんなティアにフレアが声をかける。

 

「ティアちゃんは1人じゃないよ。仲間がいるよ。それにみて」


 フレアが指し示す先には王都から沸き上がる巨大な魔力だ。一つ一つは小さなマッチのような灯り。だけれどもおびただしい数が地上から飛び立ち、魔法少女たちの力となっていく。


「これは……王都に住む人たちの魔力……? 暖かい光……」


 ティアにとけこんでいくのは魔力だけではない。魔法少女を応援する人々の願いと感謝の気持ちである。それが胸に広がるとうれしさに、心強さに涙腺が緩みそうになる。魔力だけではない。その気持ちが力を与えてくれるようだ。


「この現象は、交易都市ベルカでの防衛戦でもあったな。しかし今回はミラクルマギカリングが補助した形跡もない」


 マコトは驚きと共に人々の可能性を見て嬉しそうに目元が柔らかくなった。

 王都内では魔力を使い果たし倒れていた魔法少女たちも立ち上がった。そしてティアナクランの防御魔法の補助に回り始める。弱々しくヒビが走るティアナクランの魔法が修復されていく。押し返していく障壁に空中要塞の落下速度が減じ始めている。


『レイスティア。空中要塞はわたくしたちがなんとしても止めます』

『そのとおりよ。こっちは任せなさい』

 

 ティアナクランから魔法通信が入り、その後にシャルから快活な声が響く。シャルを中心に幾つもの軌跡が空中要塞マガツに向かって突撃していく。

 

『《リンフォース》』

 

 詠唱と共に魔法少女たちが純白の魔装法衣に変身し神々しい姿を見せる。4分間だけ全力全開で魔法力を解放し凄まじい力を得る。まさに切り札ともいえる変身である。時間が切れると魔力を使い切り戦闘継続が困難になるため本当の最終手段ともいえる。


『いっけえーーーーーー』


 シャルたちは空中要塞の土台の側面にとりつくと、超高速推進飛行を発動し少しずつではあるが王都の外に押し出すよう移動させていく。

 それをみて、ドローペが目を見張った。


『ば、ばかな。空中要塞マガツがどれだけの質量だと思ってるんだい。それを力ずくで押し返すなんて……ありえないさね』


 驚きのあまり妨害するという思考すら働かない。ドローペはついには王都外に追いやられ、空中で止まったマガツを見送ったのちようやく我に返る。


『おのれええええーーーーい。こうなったら私自らあんたら全て滅ぼし尽くしてやるさね』


 怒りの咆哮が王都を震撼させていく。空中要塞を止めるためリンフォースを使った魔法少女たちが次々に地上に降り立っていく。魔力をほとんど使い切り、立っているのもやっとの状況だ。

 それでもまだ力を残している戦力が残っている。ティアたちだ。


「みんな、ありがとう。後は任せて」


 ティアは決意を固めて神具を用いる。彼女が溜めた救世主経験値。その力を神具に注ぎ込むと彼女の体と魂を蝕む呪いの呪縛から解き放つ。


『しねえええ』


 巨大化したドローペの手から、禍々しい魔法とは異なる力が渦巻いていく。邪神の力を借りて渦巻くそれはさながら邪神砲撃。邪神砲とでもいうべきであろうか。

 雲をかき消し王都を消しとばしてしまいそうな圧倒的な破壊が迫る。それを見た王都の人々は恐ろしさにすくみ上がる。それほどの砲撃を前にしてもティアは毅然と前に出る。伝説の魔法少女ピュアマギカとして完全な姿を取り戻した彼女にとっては目の前の力は理不尽なものたり得ない。


「ピュアマギ、《エレメントショット》」


 魔力で形成した魔装の弓を出現させ、素早く射貫いた七色の弓は大きな螺旋を描いて膨らみ、弧を描きつつドローペの邪神砲に突き刺さっていく。2つの力の衝突によって閃光が空に広がり遅れて突風が遠心状に広がっていく。


『なんてこったい。相殺しただって!? ピュアマギカってのはここまでの力があるのかい』


 ピュアマギカのティアに注意がむいている間。リリアーヌ、シルヴィア、ユーフェリアが攻撃を仕掛けていく。それぞれが超一流の実力をもっている。それでもあまりの巨大な体と防御力、何よりすぐに傷が塞がる回復力。厄介な能力にマコトが目を細めた。


「ほむ。王都を守りながら、それもあの巨大な敵を倒しきるのは手間がかかりそうですね」

「マコトお兄ちゃん、多分あの再生力は吸収したホロウイーターの命をつかって再生してると思うんだよ。だったら元を絶つのはどうかな」

「さすがはフレア。いい着眼点だ」


 褒めながらフレアの頭をなでると、えへへ~~っと嬉しそうな声が返ってくる。それを眺めていたティアがなにやら不満そうに見るのだがスルーする。それよりも今は目の前にいるドローペの対処を優先した。


「ああいう巨大な敵を倒す方法は先人の知恵を借りるのがいいだろうな。例えば、酒に酔わせたり、目など弱点を突くとか。まあ、今回その1つを採用するにあたり誰が主力不在時ドローペから王都を守るか……」

「何の話?」


 攻撃を中断し一時退いてきたリリアーヌたちが話に加わった。マコトはドローペに視線を向けると御園衆エリザベートの小隊が注意を惹きつけて戦ってくれているのを確認した。それを見てマコトは表情が引きつり激しい頭痛を覚える。秘密部隊が表に出たら駄目だろう、と。これほど目立ってしまっては確実にティアナクランにばれる。


「ユーフェリア、なぜエリザベートたちが?」

「暴走したんだと思うよ。目立つの大好きだし」

「……そうか」

「心中察するんだよ」


 ティアナクランへの言い訳をどうしようかと思考が向かえば塞ぎ込んでしまいそうだ。とりあえず横に置くことにする。それほど時間はないが作戦を伝える時間がとれたことは僥倖だ。大規模魔法を得意とするエリザベートたちなら最悪数発の邪神砲でも防ぐことができるだろう。


「今から作戦を伝える。戦力を2つに分けようと思う。ドローペの牽制を行う班と”直接”奴を叩く班だ」

「はいはいはーーい、当然あたしはマコト様の専属護衛だから一緒だよね」


 誰よりも早くユーフェリアが手を上げた。多くの者が出遅れたと苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべる。


「ははは、頼もしいな。じゃあドローペの口の中をこじ開けて体内に突入するか?」

「「「えっ!!」」」


 今度はマコト以外の全員が頬を引きつらせる。巨大化しているとはいえ人の口内に踏み入るには激しい抵抗があった。重苦しい雰囲気に感性のずれたマコトが見当違いの慰めを口にする。


「あはは、大丈夫だって。口臭対策にガスマスクがある。臭くても大丈夫だよ!?」

「「「そういう問題じゃないよ!?」」」

「あれ? 防護服も必要!?」

「「「心配が明後日の方向だから!!」」」

 

 体内に入って内側から攻撃するなど非常識極まりない発想はどこから来るのかとフレア以外の魔法少女たちは呆れるしかない。

 マコトは彼女らの反応に気にした様子もなく人選を発表する。


「俺と一緒に突入するのはティア、そして、フレア。外でドローペを牽制するのは……」

「――お待ちください」


 突入の人選に自分の名前がなかったシルヴィアが異議の声を上げた。なんとなく予想していたマコトの対応も早かった。シルヴィアの手を両手で掴むと丁寧な口調でお願いする。


「ドローペの戦術級砲撃をいなせるのは鉄壁と名高い鎧竜鱗の使い手であるシルヴィアしかいない。頼れるのは君だけなんだ。どうか頼まれて欲しい」

「――っ!! わかりましたわ。お任せ下さいマコト様」


 頼れるのは君だけ、そんな甘い言葉に酔いしれるようなシルヴィア。熱に浮かされるようにじっとマコトを見つめる彼女にもはや否定する思考など一欠片すらない。

 むうっ、とまたもティアの焼き餅が頬を膨らませる。触れると爆発しそうなのであえてスルーの構えだ。


「うわあっ、これはルージュ様に報告案件だね」


 ユーフェリアが後の火種になりそうな言葉を呟くがそれもスルーするしかない。

 なにせ他に火種どころか大炎上しそうな人が控えているのだから。


「マコトっち」


 言葉少なに呟くのはリリアーヌ。笑顔なのに命の危険すら感じるのだから危急の事態である。


「えっと、ピアスコート、さん?」

「その他人行儀な呼び方はなにかな?」


 彼女の言葉がとても冷たくて鋭い。あまりの切れ味にマコトは心が折れそうになる。温厚なリリアーヌがこれほどあからさまに態度の表すのだからその怒りのほどは余程だ。


「なんと、呼べばよろしいでしょうか……」

「前みたいに名前で呼べばいいじゃない。まあ、親友だったのに、ずっと一緒にいたのに全く秘密を教えてくれなかったわけだけど」


 ずっと一緒?

 シルヴィアが首をかしげ何かに気がつき始める。マコトはそういえば、と”爆弾”がそこかしこにある事に気がつく。シルヴィアの王女とは思えないがさつな裏の顔を知っていること。加えてフレアとマコトの秘密がばれるとものすごい面倒なことになりかねない。


「リリアー……」

「はあ!?」

「リリー」

「何かな。マコトっち」

「ごめんなさい」

 

 リリアーヌはマコトの謝罪を受けてようやく溜め息を吐く。


「全部片づいたらちゃんと話してもらうからね。今後は隠し事一切無し」

「はい」

「だったらまずはドローペの口を開けないとだね」


 そうしてマコトたちがドローペに視線を向けると山よりも大きな巨大な老婆がしわを深めてにたりと笑う。


『いっーーひっひっひっひっ、馬鹿だねえ。作戦をわざわざ口にして。対策を取られるとは考えなかったのかい』


 言われればもっともな話にシルヴィアは、はっとして口元を手で覆う。だがそうした反応はシルヴィアだけだった。他の者に焦りはみられない。むしろ挑発するようにユーフェリアがドローペに言う。

 

「この距離でもはっきり聞こえたんですか。お年の割に地獄耳なんですね」

『やっかましいさね』

 

 もったいぶったような仕草でドローペは口を閉じ、巨大な左手で顔の下半分を覆い隠してしまった。


『これでそっちの策は無効さね。作戦会議は内緒でするもんだよ』

 

 そこでリリアーヌが気になる宣言を出した。


「マコトっち、作戦第一段階成功だよ。第二段階に入るから」

『了解。ナイスアドリブでしたよ、リリー』


 不思議なことにマコトがいるにもかかわらず、マコトの声が魔法通信越しに聞こえてきた。それにはドローペだけではなくシルヴィアもあ然とする。


『な、なな、どうなってるんだい。第一段階……成功?』

 

 目をこらしてみればマコトとティア、フレアが幻であったかのように消えていく。


「時空魔法《在りし時の名残》」


 これはリリアーヌの時空魔法による幻術。時空操作で存在感をその場に維持し対象者をそこにいるかのように見せる魔法だ。


『魔法による幻術? バカな、いつの間に打ち合わせを』


 ふっとリリアーヌが自信たっぷりに解説する。


「マコトっちとは何年もずっと一緒だったんだよ。彼の表情から考えを読むことぐらい難しくないよ」


 ユーフェリアもうんうんと頷き余裕を見せる。それを眺めていたシルヴィアが負けず嫌いを発揮。慌ててリリアーヌに同調した。


「と、当然私も気づいていたわ。まんまとだまされたわね、ドローペ」

((絶対うそだ))

 

 リリアーヌとユーフェリアの意見は完全に一致したが2人はあえて指摘することはしなかった。

 遅れて体内に違和感を感じたドローペは既に3人が内部に入り込んでいたのだと自覚するのだった。




「中は亜空間に近い構造のようだ」


 マコトは薄紫色にうっすらとみえる不思議な空間を見回してそう判断する。内部は生物の内臓器官のようなものはなく、壁も果てが見えない。まるでちょっとした宇宙空間にでも入り込んだような錯覚すらしてしまう。所々に浮かぶ小惑星のような岩石がゆらゆらと漂う。


「マコトお兄ちゃん、そこら中から嘆きの声が聞こえるかのようだよ。あまり長居したくないの」


 怖がりなのか、はたまた邪悪な気配を感じてかフレアが怯えたようにマコトに寄り添い、袖にそっとしがみつく。


「これは取り込まれた精霊たちの、ホロウイーターの嘆きでしょう。ひどいことをしますね」

「恐らく元凶となるドローペがこの中にいるはずです。見つけ出して無力化できれば話は簡単なんだがな」


 フレアは周囲を見回した。代わり映えしない広い空間の空虚さに身を縮めている。

 

「ドローペって人はどこにいるんだろ。探すの大変だよ」

「だったら向こうから来てもらうか」

「……えっ!?」

 

 意図を図りかねて可愛く首をかしげるフレアにほっこりする。その後マコトは容赦ない行動に移る。

 魔装銃《MMK8》をスキルで呼び出すと無差別に乱発射する。


「いけ、《ブラストキャノン》」


 戦術級に届きそうな巨大な光の砲撃がこの空間の中で乱れ飛ぶ。暴虐なまでの破壊砲撃が休むことなく放たれていくうちに空間そのものが悲鳴を上げているかのような耳障りな音を響かせ始める。

 場を蹂躙されてようやく相手方に動きが見られた。空間の奥の先から無数の邪神の力が込められた赤紫のどす黒い矢が雨のように飛来してきた。


「きましたね」


 神龍眼スキルで呼びだした魔装銃剣に武器を切り替えると、『マジックガンモード』に変更して銃剣部分が折りたたまれ砲身が解放されていく。マコトは素早くクイックショット。魔力の弾丸が次々に撃ち出されていく。それは正確に襲いかかる邪神気の矢を迎撃し相殺していく。

 その隙を縫ってあっという間に目の前に飛び込んで来ていたドローペがマコトに向かって豪腕を振り抜いてくる。


「マジックブレードモード」


 今度は銃剣部分が伸縮し長さ一メートルほどのびると赤く発光する火属性の刀身へと変じる。それでもって斬り上げてドローペの手首をねらう。だがあまりの堅さと纏う邪気の濃さに負けて魔装銃剣がバキンと破断するような音を立て砕け散った。

 ドローペの拳の軌道は逸れ、マコト自身も体を反らすことでどうにか直撃を回避する。それでも巻き起こる拳圧がマコトの体を嵐のように引きちぎらんと巻き込む。そんな体勢であってもマコトは次なる攻撃に入った。どんなときでも反撃できる速射性に優れたマコトのオリジナル技である。


「《ガンマギウスナックル、ギガントキャノン》」

「瞬剛拳」


 2人の技は相打ち。互いに攻撃を受けたことで両者は反発し合う磁石のように吹き飛んでいく。マコトはうち、小惑星に激突し押し出されるようなうめきを上げる。


「――こほっ」

「マコト」

「マコトお兄ちゃん」


 2人の魔法少女が慌てて向かい助け起こす。マコトは先にいるドローペの傷ついた体が急速に修復している様子を確認した。さらに邪神の力でまた一回り大きく強くなっていく様子にあきれ果てた。


「あの御方が執着するはずさね。敵にすると本当に厄介だ。これほど追い詰められたのは共和国でも経験がないねえ」


 そういう間にもドローペの体はムキムキで大木のような太い筋肉に変わっていく。変化はまだ続く。邪神の気が鎧のように体を覆って戦闘形態へと変わる。


「な、何なの。あの姿」


 ピュアマギカであるフレアからしてもドローペの姿と威圧は十分な脅威を与えるものだった。それを証明するかのようにティアが牽制に放った遠距離魔法が鎧のような表面に弾かれ無力化されてしまうのだ。


「もう終わりさね。今のあたしゃ邪神様より権能アビリティを授かった。もうあんたらに勝ち目はない」

 

 ドローペから広がる邪神の波動によってフレアとティアがすくみ上がりそうになったがマコトは気合いではねのける。


「神の意を借りて威張るなよ。――決着をつけてやる、いくぞ、ティア、フレア」

「「はい」」


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