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リユニオン  作者: 犬走神威
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第1話「狙撃手(スナイパー)」

前回の投稿からあまり時間が経っていないのですがスマホのメモ帳に前々から書いていたので結構早めに投稿できる状態の犬走神威です。やっと能力の使うシーンが出てきますのでお楽しみにしていてください。

犬走(いぬばしり)。それが彼が付けた彼自身の名だった。そしてこの話の主人公になる。

横たわっていた体から発せられた名前、そして名前が付いたせいで能力と見た目に変化が起きた。年齢は20歳前後、髪色は赤茶で髪型はくせのない男にしては長い感じで、瞳は紅色。追加付加されたところは名前に犬が入っているせいかケモ耳が付いた。

「まだ能力発動してないし、どんな能力か分からないからテストをしよう!ちょうど外は満点の青空だし、ね」師匠は完成したせいなのかやけに笑顔で話しを続けた。

「服とかはとりあえずこれを着て。」渡されたのは暗い部屋にかかっていた医者が着るような白衣だった。

「体も脆いとはいえ一般人より遥かに頑丈だよ。機械の体じゃないから重くもない!さぁ、そこから立って外へ行こうじゃないか!」そう言うと師匠は部屋の扉を開け、横になっている犬走の手を引いた。

「あれ?」犬走は自然と歩き、走っていた。

師匠は城の入口の扉を開け外に踏み出した。が……

「うっ!あ、熱い焼ける溶ける!体が、目が焼ける!」突然犬走が呻きながらその場に倒れた。

目を覚ますと辺りは暗くなっており夜になっていた。横には日傘を持った師匠が座っていた。

「君の体を調べたよ。結果は君は吸血鬼のように太陽の下に出ると能力使用不可に加え、一般人の10分の1ほどしか活動できない特性を持っている。」神妙な顔つきで犬走にそっと言った。続けて明るく

「もう夜だ。太陽はいない。これから能力テストをしよう!」

城から少し下った場所に草原が広がっていた。障害物は何もなく心地よい風が吹いている。

「君の要望にあった羽だけど……」

師匠は何か言いづらいそうに話を進めた。

「常に羽は生えてるんだけど、どうな能力でもいいから1つ発動させると実体化するようにはしてるんだよ。あと、能力を発動してなくても羽の感覚はあるっちゃあるけど見えないし触れない。仰向けに寝ていても邪魔にならないよ。」一応羽の説明としてはこれ以上説明はいらないと思ったのか師匠は能力発動テストを始めるといい出てきた。

「犬走君。君の能力が分からないから戦場へは送れない。ただここで能力発動テストをして分かれば許可を出すけど、君はどうする?」

「俺は……俺は俺の能力が気になるしもし攻撃をされたら対処のしようがない。だからテストを受けるよ、俺は。」犬走は即答だった。現に生まれ直してから会った者は師匠ただ1人だけでこの世界についての情報が少なすぎる。そのため犬走は最低限の対処法として能力が知りたかったのだ。

「じゃあ、能力発動テストを始める!」と言いながら師匠は能力の発動のやり方を教えずに攻撃をしてきた。能力発動により瞳の色が反転した。手始めとして弓矢を召喚し、星々が輝く夜空へと放ち、右手を空へ向けている。

流星(ステラ)」ささやくように、しかし犬走にもはっきりと聞こえた。

「っえ?」当然の反応だ。しかし犬走はただの“流れ星 ”と思っていた。しかしその考えは一瞬の内に砕かれることとなる。空を見てるとさっきまでなかったところに明らかに光り方が他とは違うものがあるのに気づく。そしてそれはどんどん大きく、いや近づいて来ていた。音はなく静かに近づいてきていたが、師匠は満面の笑みで

「さぁ、これが僕からの能力テストの1発目だよ。受け取りたまえ!」

そう言うと右手を犬走の方へ振り下ろした。その途端〈流星(ステラ)〉は爆音と風で犬走を襲ってきた。

「おいおいおいおい!嘘だろ?!俺、また死んじゃうよ?今度こそ完全に消滅しちゃうよ?発動のやり方知らないよ?……あっ、羽!羽で体を包むように……って何か1つ発動してないと羽は使えないんだった!あーどうしろって言うんだー。……あれ?」犬走はふと手の中を見た。そこにはさっきまでなかったところに血のような色の銃弾があった。そして手には強く握り爪がくい込んだせいで血が出ていた。

「これだ!」静かにそう言い放つと意識を羽へと移した。そして次の瞬間、全身を隠せるような大きな漆黒の羽が現れた。

「よし、でも能力なんて……発動させてないんじゃないのかな……」師匠には犬走が手に握りしめていた銃弾が気づいていなかったが、無事に羽を呼び出せたことにほっとしていた。

「能力発動、おめでとう!その羽は……いやその翼は私が作った最高傑作で耐久力は折り紙付きだよ?安心して守りに入りたまえ!」

犬走は答える暇もなく翼を全身に覆い被せた。次の瞬間、〈流星(ステラ)〉は犬走を直撃し大炎上を起こした。地面は抉れ、師匠もガードしていなければ吹き飛ぶほどの威力であった。衝撃が収まり残るは犬走を含めた周囲の鎮火が師匠の能力によって行われた。

「かなり威力も流星(ステラ)の大きさも抑えたんだけど……まぁ、どんなに守りが固くてもそのままの威力が通るのが流星(ステラ)。犬走君の翼は貫通したんかなぁ。そんなこと考えるより先に鎮火だ鎮火。鎮火目的で使うんじゃないんだけどまぁいいか!」そう言うと静かに能力を発動させた。

「咲け、すみれの花!」そう言うと炎上地帯に大きな半透明のすみれが咲き、指を鳴らした瞬間に水に変化して消化した。

「おや?翼がまだある。隠れてないで出ておいで。それとも翼を残して中で焼けちゃったのかなぁ?」そう言いながら師匠は犬走の翼に手をかけて開いた瞬間、銃声と共に師匠はその場に倒れた。そして犬走は

「この翼すごいなー、衝撃も熱もないし軽いし外の音や声は聞きたい時に意識すれば聞こえるときた。だけど翼は若干焦げちまったがすごいなししょー!」犬走は師匠を倒したと思っていて嬉しそうだった。何が起こったのかというと、血で銃弾を作るという能力を発動し翼を展開。そして防御中と消火中にこう思っていた。「銃弾が作れるなら師匠みたいに武器を作れるんじゃないか?」そして案の定作れてしまった訳だが、突然の攻撃で腹が立っていたのか不意打ちで師匠を撃ったという感じである。まぁ撃たれた本人も無闇矢鱈に能力使い始めのやつに対策なしに近づくはずもなく

「そうだろー?だって俺が作ったんだもの。昼夜逆転(ターンオーバー)」またもや師匠が能力を発動させた。〈昼夜逆転(ターンオーバー)〉とは読んで字のごとく昼間なら夜に、夜なら昼間に一時的にする能力である。師匠がなんでこの能力を選んだかというと、犬走は吸血鬼故に太陽が苦手なのである。そして今は夜、ということで太陽を召喚したという訳だ。もちろん犬走も翼で影を作り隠れたが〈すみれのはな〉で辺りが水浸しで蒸してきたせいで暑さでまた気を失いかけたところで〈昼夜逆転(ターンオーバー)〉を止めた。犬走が気を失いかけて止めたというよりは師匠が暑すぎて止めたというのが正解だが何とも子供の喧嘩のようになっていた。

そして師匠は犬走に聞いた。なんで能力発動してないのに翼を広げれたのかと。犬走は説明をした。

※ここでは繰り返すことになるため省略!

納得したようで

「だから私を撃つことが出来たんだね。で、もう一度銃を召喚してくれないかな?」と言いながら犬走に寄って行った。もちろん攻撃する意思がないから瞳の色が戻っている。それを確認し犬走は再度銃を召喚した。

「へぇー、2丁の拳銃かー、いや待てよ、拳銃にしては長いしスコープもかなりの倍率だし……1回銃を繋げて?」そう言うと犬走は師匠の言う通り銃を繋げた。繋げた瞬間、銃本体の長さが変わり、2mほどの長さのスナイパーライフルに変わった。

「やっぱりね。ん?ここに2mって書いてある……ってことは長さを変えられるのか。どれどれ」と言いながら師匠は長さを変えた。最短で2m、最長で5mまで変えられるようで師匠は

「多分長さ変えてもこれは射程が伸びたりはしないからあとはその射程距離だけど……」何か思ったのか師匠は能力を発動させて銃弾を作った。

「これは自分の射程距離を知りたい時や銃の射程を知りたい時に使う弾丸何だけど、普通のスナイパーライフルって届いても2kmだと思うんだけど、さっき食らった時、一応思いっきりガード貼ってたけどあと数ミリで破壊されてたから相当な威力か相当な射程、またはその両方だから。普通に撃つと危険だから空に撃つとしよう。」これは撃たれた人だから言えることでもあると言わんばかりに言った。

「それは同感だ。射程は分からないけど威力はすごいのは撃った時に感じてた。反動はなかったけどなんか違う感じがした。」と言いながら師匠から弾丸を貰い、装填した。この銃はリロードという概念がないので手間は省けている。そして空に向けて撃った。一瞬の内に見えなくなり師匠が指を鳴らした。すると師匠の手のひらに吸い寄せられるように戻ってきた。射程の結果はなんと計測不可であった。

「どういうことだよ師匠。なんで計測不可なんだよ?」

「一応測れてるところで言うと秒速30万kmまで、射程も80km以上飛んでるし威力は……なんと驚くなよ?被弾者を一瞬の内に元素に変えるほど。よく土に還るとか言うだろ?あれのような感じだよ。被弾者に走馬灯を見せることもなく葬り去る一撃で倒し切る、まさしくスナイパーの頂点だよ。それともう一つ。昼間気絶した時に調べた結果に面白いものを見つけてね!」

「ん?面白いもの?」

「そうさ、スナイパーライフルのスコープを必要としないうえに百発百中の能力。〈千里眼〉を持っているよ、君は。ただ〈千里眼〉とは言っても千里しか見れないんじゃなく見たいところを見れる、例えばこの世界の裏側だったり、もしかすると前居た世界なんかも見れたりするよ。」

「言われてみれば確かに。さっきの弾丸だって〈流星(ステラ)〉だって見えないはずなのにくっきり、はっきり、鮮明に見えてたわ。」

「そうだろう。無意識とはいえ、戦闘中だし。多分〈千里眼〉は能力発動中とか戦闘中は常時発動かもしれないね。あと、スナイパーライフルは結果として分かったけど拳銃タイプもいくつかわかってる事があって。2丁で連射が可能で発射間隔がものすごく早いうえに射程が1kmあるんだよ。その分威力は距離があればあるほどかなり落ちてくる。仮に射程いっぱいで撃ったとしても指先で軽くつつかれた程度しかないし、至近距離でも殴られる程度の痛みで貫通力がない感じだね。だから拳銃タイプは牽制用としてだね。」

「他に師匠が調べてわかったこととかないの?」

「まだあるさ。これはチートクラスのもの2つ、1つは〈死者蘇生(リザレクション)〉。これは自分のHPを半分削り死んだ人を生き返させるもの。もう1つは〈瞬間移動(テレポーテーション)〉こっちは指定座標に移動することが出来る。それに加えて名前で能力付加したのが〈地獄の業火(Inferno shadow)〉だ。地獄の業火とは言っても読み方がInferno(インフェルノ)shadow(シャドー)で業火の要素はないが発動すると君の考えで動き、操れる使い魔が現れる。使い魔は武器にもなるし狼のようになり乗れる。武器に関しては大鎌一択になってるけど大鎌で斬られたら最後、使い魔に吸収されて胃の中で溶かされる、ホントの意味で地獄だし、溶けるから暑い……ここで業火という感じになっているんだけど、話についてこれてる?」

「う、うん、とにかく強いことだけは理解したよ。それよりスナイパーライフルの事なんだけど、速さ的にはピンと来ないけどどんくらい速いんだよ?」

「そうだなー、大体光の速さだよ。君の持ってる〈瞬間移動(テレポーテーション)〉のような感じだと思ってればいいよ。」

「つまりは瞬間移動をしてるかのような速さってことだよね。」

「そうそう!あとは頑張れば〈瞬間移動(テレポーテーション)〉を応用とかも出来るかもしれないからたくさん使って学んでいけばいいと思うよ。」

そう言うとテストを終わりにして師匠は疲れたのか犬走の翼で城まで一緒に帰っていった。

「リユニオン」の第1話をご覧頂きありがとうございます。前回の投稿時に少ないと思い多めにしました。前書きでも書いてありますがストックがかなり多いです。ということもあり、今回は本当でしたら第1話と第2話を別々に投稿する所を1話にまとめてしまいました。読みずらかったかも知れませんが様子を見つつ繋げたりしていきますので次回もよろしくお願いします。

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