女は首から下が無かった。
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だがその女はまだ生きていた。
そして俺は、首から上がなかった。いや、なくなっていた。俺の首は既にここ(・・)にはなかった。
―・・!
だが、俺の心は辛うじて体の方に残っていた。自分の体は多少の傷はあれど、無傷そのものだった。
―・・・
そして考えた。どうすれば生き続けることができるのか。だが答えが見つからない。そうこうしている間にも自分の意識、心が段々と薄く、消えていくのが分かった。早くしなければ、早く道を探さなくては・・・
―ァ・・
その時だった。自分の体から一メートルくらいの距離を開けた先に、先ほどの女が俺の方を見て、口をもごもごと動かしているのが見えた(・・・)。目に光はなかった。が、女の口は、喉は、荒い息をしながらも俺に何かを伝えようとしているのが分かった。
そして俺は耳に神経を集中させた。あいつが伝えたいこと。それを聞くために・・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わた・・・・・・・・・・・・
・・し・・す・・・
・・・をた・け・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それ以降、女の声を聞き取ることはできなくなった。だが口の動きを見れば(・・・)。そいつの言いたいことが大体わかった。
〝私を助けて、あなたを助けるから〟
もう俺の心は他の何よりも小さくなっていた。
もう迷っている暇などない。
俺は0.1ミクロンほどの力を振り絞った。その力の行く先は、歩く足と、頭部を持ちあげる手。
―スゥ
俺は徐に女の頭部を持ち上げた。女は美しい顔で泣いていた。そして五回。女は口を動かして、目を瞑った。俺はそれを見届けてから、誰とも知れない女の頭部を自分の首にくっつけた。
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・・・・・・・
ありがとう・・
「!」
俺の心はあの五回動かした女の声を聴いた途端、ビックバンが起こったように宇宙が生まれた。そして俺は目を覚ました。目を覚ましてから、ここはどこかの廃工場であったこと、俺とあの女は違う学校の制服を着ていたということ、廃工場の一部が研究室だったこと、俺はそこに来たくて来たわけじゃないこと、俺は三人の家族がいたこと、俺と女は大きなビーカーの中に溺れない液体と一緒に入っていたこと、そして・・・・
ここは俺の実家、自分の部屋のベッドの上。
「おい、・・・・・・・」
女の声はそれっきり聞こえなくなっていた。
物語 思いついたら すぐ投稿
というわけで投稿しました、後悔はないです。この先男と女はどうなるのか。そもそも名前も考えてなかった。あとで考えるか。という訳で、世界観も、登場人物も、起承転結も本当にこれでいいのかと思いましたが、これでいいんです。物語はいつも唐突に始まり、唐突に終わります。そして想いが強ければ、もしかしたら続きが見れるかもしれない。私はこの物語をどうしていくのか。あなたたちにぶん投げます。そして返ってなかったとしても、私が続きを思いついたらすぐ投稿したいと思います。物語紡ぎとして・・・・