表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まったりギルドのレイド攻略。  作者: ゴッティー
1/3

第1話 目を覚ますと

ん…ここは…


「ねえ、君どうしたの? こんな森で昼寝していたら襲われるよ?」


大きな帽子…ぼやけてよく見えないけど女性の方かな? こんな森で昼寝って…森?

綺麗な森。ぼやけていてもちゃんと葉と葉の間から透きでている太陽の光。


「ねえ、ちょっと? ってあなたちょっと大丈夫? あなた、口から血が!!!」


何を言っているのかな? 口をパクパクしているけど何を言っているか全く聞こえない。それより、綺麗な人だな~。少し視界が良くなってきた…。モデルさんかな? 目鼻立ちもはっきりしているし、耳もこんなに…長い? エルフ………


「あなた、大丈夫? これでもう傷は塞がったし、かなりハードに動かない限りは簡単には開かないと思うわよ」


「…ん、ここは一体?」


「ここは私の隠れ家。あなたお腹に刃物を刺されたような深い傷があったわよ?」


お腹に傷? って確か秘書の中野さんに私の部屋で…


「あの、助けていただきありがとうございます」


「礼はいいよ。それにごめんね、こんな散らかった部屋で」


私は腰を起こし、周りを見た。床と丸テーブルには大量の本と紙、そしてキラキラと光った液体が入った試験管。それは今までに見たことの無い輝き方。私はついその明るく光っているピンク色の試験管をじーっと見てしまっていた。


「えっと、魔法を見るのは初めて? 私はリリス、魔女よ」


「魔女?」


「そうよ、でも怖がる必要は無いわ。私は他の魔女とは違って材料を力尽くで奪ったりしないわ。それに私はあまり戦いが好きじゃないの」


「えっと、魔女ってそんなに大勢いるんですか?」


私がそう質問を問いかけるとリリスさんは首を傾げた。


「あの、あなた魔女を知らないの? どこかのお嬢様?」


「えっと、リリスさん、現状がわからないのですが、とりあえず地図を見せて貰っても?」


「地図? ええ、良いわ。あなた地図が読めるのね。やっぱりどこかのお嬢様なのは確かね…」


「今、私達がいる場所は?」


リリスさんは地図の斜め右にある森を指した。東西南北の記号は同じ、けれど地図に載ってある文字は全て私の知らない、そして見たことも無い外国の文字。とにかく、私達がいる場所はここ。そして町が西南の方向に。この地図を見る限り、ここは日本で無い事は確か。


「あの、それで何か分かった?」


何がわかったかというと、まずここは私がいた世界とは全く違うということがわかった。そしてもう一つ分かったのが、この世界の地図は前の世界の何百倍も質が悪く、示されている大陸の距離も曖昧。他にもここにいるリリスさんの被っている帽子や服などもまるで中世の時代よりもまだ前の技術で作られた品だということはすぐにわかった。とにかく町がどこにあるのかが分かったからには行ってみるしかないよね。


「はい、分かりました。ありがとうございます。そして助けてもらい大変感謝していますが、今は町に行かないといけないので…。お礼はまた改めてしに来ます!!」


と私は言って、この部屋の扉を開けた。リリスさんには悪いけど、今はもっとこの世界の事を知り、生きていくために必要なお金と住み家も見つけないと。まだ一日しかここにいないけど、お腹の傷も治してもらったわけだし、早く稼ぎどころも見つけて恩返しもしなくちゃだね。


「ちょっと待ってください、この森には数多くの高難度モンスターがいます。今、まだ完全には治っていないあなたの体では…」


リリスさんはそう言って私の腕を掴んだ。魔物って、確かファンタジーの本で読んだ気がする。魔物、魔法などの影響で生物が一定の確率で体を進化させると共に、脳を劣らせ、人間に敵意を持つということが書かれていたような気がする。これでも日本にいた時は仕事の合間などにちょくちょく読んでいたものだ。


「なので私が町まであなたを送ります」


確かにリリスさんは魔女と言っていたし、もし一緒に同行してくれるならとても心強い。だけど本当にそこまでしてもらっても良いのかな? それにこのタイプの話だと主人公の力や魔力が物凄く高く、異世界を無双するみたいな話があるけど、私もそんな感じの力があるのかな?


「ありがとうございます。ではこれからよろしくお願いします」


私が礼を言い、またリリスさんの家へと戻ると、彼女は自分の部屋に入っていった。それにしてもここ、本当に秘密の隠れ家って感じがする。外からはただの木にしか見えないけど、中は意外とちゃんとした家になっている。リリスさんは自分の部屋に入ると、階段を下りる音がしたから多分まだ地下があってそこに寝る場所とかもあるんだろうな~。子供の頃はこんな感じの家に憧れていたのを思い出すな~。


と、色々と昔、小さい頃の事を思い出している間に、リリスさんが部屋から出てきた。見た感じリュックやカバンなどは一つも持っていないようだけど、案外町は近いのかな? それだと助かるんだけどな~。最近、家にも帰らずに会社の社長室でずっと仕事をしてたから町まで歩けるか心配だな。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ