イベント三日目
祝(?)、開始から1年
アングラントで泊まった俺達は、オルヴさんとの話し合いが終わった後、最初の部屋に戻り攻略会議まで休んだ。
協力をするために掲示板の攻略会議のチャットに参加して情報のすり合わせを行った時に、オルヴさんの話も情報としてあげておいた。
イベント二日目で浮遊大陸はほぼ探索を終えていた、東西南北それぞれにダンジョンがあったようだけど、ダンジョン攻略はできていないようだった。
『お昼までには着きたいね』
「そうだね」
アングラントを出た俺達が向かっているのは西側のダンジョン、協力メンバーの合流をすることになり、後衛が少ない西側のダンジョン攻略を手伝うことにした。
南側のダンジョンも後衛が足りなかったようだけど、西側には甘味系の素材があるらしく決め手となった。
ちなみに西側の実力者が初日に混乱の状態異常をくらい、治される間に3パーティーほど被害を受けたらしく、合流メンバーはまだ1回も死に戻りしてないことが条件だった。
オルヴさんの話にあったモンスターが一週間というキャンプ後のフラグっぽい、アプデ実装後なのかこのイベント中なのかはわからないが、イベント中ならば見つけにくい隠しフィールドを解放してフラグ回収した、うちらのサーバーは有利なのではないだろうか?
西側ダンジョンの前にフィールドボスらしき、強めの昆虫が出るそうだ、インスタントダンジョン扱いなのか、この昆虫を倒さないと西側ダンジョンにはたどり着けないので不可避だ。
『お~い、君たちも協力メンバーかい?』
そろそろかな?と思っていたら、前から横に体格のいい人から声をかけられた。
「そうです」
『待ってたよ、よろしく』
横に体格のいい人はオレールさん、前衛の盾役らしいが盾よりも体が大きくて大丈夫なのだろうか?
『フリジルト、弓を使うわ』
『………』
『彼、喋れないのよごめんなさいね。クロトはオールラウダーよ』
クロトさんは、『クチなし』という、ほうれん草似たアイテムで今は沈黙の状態異常にかかってるらしい、もとから喋れないのかと思ったが違ったようだ。
俺達も自己紹介を済ませてパーティーを組むことにした、身軽なクロトさんに斥候をしてもらうことになり、クロトさんの沈黙が治る待ち時間を利用して『クチなし』は持ってなかったので採取させてもらった。
十分な量の『クチなし』を確保して軽めの休憩をとっていたら、クロトさんの沈黙も治った。
俺達はフィールドボスのブラッドビートル討伐へと乗り出すことにした。




