イベント二日目 4
アングラントではじめて見る蟻人にはびっくりしたけど、黒蜜きな粉のような和菓子っぽいケーキセットを楽しんだ。今はコーヒーを飲みながら掲示板をながめているところだ
チラリとモニカの方を見ると、次に何を頼むかメニューを唸りながらにらみっこしている
掲示板に視線を戻す、最初は乱立していたスレッドもなりを潜めていてイベント攻略に向けてまとまろうって動きがあるようだ
【必読】イベント攻略・肆【募集】
・情報の摺合せ、質問など協力してくれる方は記入よろしく。
・夜20時に攻略会議を開くので代表者は参加よろしく。
・今のところ、【シグルド】のマスターがまとめ役なのでシグルドまで連絡くれ。
【シグルド】のクランマスター、シグルドはサンテールで活動している有名人だ。サンテールを治めている【フォースター】のアリオスさんの部下みたいな立場で、みかける時はいつも2人でいる。
仲の良い美青年達の薄い本が量産されていて一時騒ぎになった事があったが、出回る直前で抑える事が出来た事があった。その時に協力をしたから向こうもこちらを覚えているだろう。
甘い香りがしたのでモニカの方を見ると、大福のようにモチモチ
していそうな白いモノを食べていた、半透明な蜜はハチミツ?が中に入ってるらしい。
モニカと話し合った結果、シグルドさんに協力することにした。
「んっ!?」
なんか周りが騒がしくなったので周りを見渡す、店内の客がみんな窓の外を見ているようだった。
なんかあるのか?とモニカと一緒に外を見ると、アングラントの中央に位置した塔から店にむかって光のアーチが架かっていた。
よく見ると、光のアーチを数人の土妖精と蟻人が歩いてくるのが見えた。蟻人は離れたここまで届く威圧感を放っている
『騒がしくて済まない、客人達はアングラントタワーまでご同行してもらいたい』
さっきとは違う丁寧な口調でクゥさんが俺達についてくるように告げた
「わかりました」
俺達は光のアーチを通って中心にあるアングラントタワーまできた、すり鉢状の街中を光のアーチで繋げることによって移動を簡単にしてるようだった。
高い所から見てわかったが、東西南北の4ヶ所に階層移動用らしき昇降機があった。通常時は昇降機を使って移動してアーチでの移動は緊急時だけなのかも知れないね。
『わざわざ来てもらって済まない、さっそくだが地上の様子を教えて欲しい』
アングラントタワーの執務室みたいな部屋について、ソファーに座らされると同時に、威圧感を放っていた蟻人がもう待てないとばかりにたずねてきた。
『オルヴ様、いきなりだと客人もわからないですから、落ちついて下さい』
土妖精がオルヴと呼んだ蟻人に落ち着くようにうながした、クゥさんが言っていた族長だろう
『俺はオルヴ、アングラントの矛であり盾でもある。かつて我々は地上で暮らしていたが───』
運ばれてきた飲みものを飲んで少し落ちついたのかオルヴさんが話しはじめた
要約すると、おそろしく強い魔物が襲ってきて次々とやられていって全滅寸前のところ、当時の技術を集めて土妖精族が大陸を浮遊させて魔物から逃げたらしい。
土妖精達の護衛として蟻人達が守っているのがこの街で、浮遊大陸で逃げた後も魔物の手下が追撃してきたから街を隠したそうだ。
そこそこ強い魔物はまだいるみたいだけど、掲示板でも騒ぎにはなってないみたいだし。とりあえずは安全なんじゃないかな?きたばっかりだからあまりわからないけど、わかる範囲で地上の事を話したら解放された。




