イベント初日
夏休みに入った午後、待ちに待った運営公式の加速イベントが始まった。専用フィールドに集まったイベント参加者の前に白衣の男の映像が流れる。
『イベント企画部の西岡だ、いつもDDOで遊んでくれてありがとう。今回のイベントは夏休みということでキャンプをしてもらう、期間は最短で一週間だ………』
『一週間なんて、このあと予定が』、『これはデスゲームなのか?』、『ログアウトさせろ』とか一昔前に流行った小説ネタが聞こえるがちゃんとログアウトはメニューにある
『………、このフィールドは後日実装予定の浮遊島になっているから、イベントを頑張れば後でいいことがあるぞ………人数の関係でサーバーは分けさせてもらった、サーバー間の移動は出来ない』
時間倍率を引き延ばしているから、いつものようにリアルで2時間分しか時間は経たない。一旦ログアウトしたら戻ってこれない。熟練度のデスペナはないけど、ステータスがどんどん減少していく。とか説明が入る
『最後に、前回のPVが好評だったから、今回もPV制作する予定だ。新規プレーヤーはレアアイテムやスキルアップに、古参組に追いつけるよう頑張ってくれたまえ』
イベントの説明が終わったのか、白衣の運営の姿が消える。
「キャンプだったね」
『そうだね、まずは拠点作りからかなぁ、リューちゃん?』
「とりあえず、移動しよっか」
モニカとともに拠点に使えそうな場所を求めて移動するといい場所を見つけた
「森に少し入ると川があるし、街道からも近いしここにしようか」
モニカも異論はなかったようで二人で分担しながらモンスター避けの結界、お香、テントと次々と設置していく
『次は食料の確保かな?』
「安全エリアにはなさそうだったから、フィールドに出ないとダメだね」
『果物なら少し持って来てるよ』
「いざって時のために食料はいっぱい持ってるけど、それを使ったらキャンプっぽく無いんだよね」
いいながらインベントリを見ると持ち込み食料は使えないようになっていた。モニカもインベントリの食料が使えないことに気づいたようだ
フーに留守番をお願いして、モニカと食料探しに安全エリアを出た。少し進むと牛型のモンスターが突っ込んできた
「“水球”」
横方向から水球を当てると牛モンスターが横倒しになる、もがいている間にモニカの風魔術が追撃で入るとドロップアイテムを残して消えた
『そこそこ強いのかな?』
「はじめたての人にはきついかもね」
どうやらこのエリアの敵はそこそこの強さのようだね
『???』
ドロップアイテムを鑑定しようとしたら、なぜか出来なかった




