春のハロウィン 4
蜂型ドローン3体が雑霊を取囲んだ、雑霊を逃がすことなく針を刺すと一瞬淡い光を放ち姿が消える
『やれやれ、意外と大変だったねぇ』
つぶやきながらドローンの回収作業と周囲の確認をするバアル
『あー、聞こえるかい?』
『バアル?、、、あなたねぇ、ちゃんとシステムから通信しなさいよ』
『直接の方が楽だからねぇ』
『で、何?』
『こっちにきた雑霊は全部捕まえたみたいだねぇ』
『ありがとう、お疲れ様でした』
『それで、蜂型ドローンなんだけど、、、もらってもいいのかい?』
『なんで?』
『動かしてたらけっこう気にいったのさ』
『んー、面倒なことに使わないなら良いわよ』
『迷惑はかけないさね』
『一応これで仕事は終わりだけど、暇だったらあなたもイベント参加して、送り返すの手伝ってくれても良いわよ』
『考えとくよ』
話すこともなくなったので“念話”をきると、ドローンの回収を終わらせる
通知がきてプレゼントBOXに今回の仕事の報酬が届いた、ついでのように本来の仕事の資料も入っていたが、見るのは後でいいだろうと項目を流し見したバアルは気づかなかった
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
安全エリアについた、他にもいくつかのパーティーがいるが安全エリアは広かった。俺たちは他パーティーの邪魔にならないように大きな木の近くのスペースを陣取った
『数字がふえなくなったな』
キラーがカボのポタージュスープを飲みながら、中央のmob数表示を眺めてつぶやいた
安全エリアに着く前までは減った数字がどんどん増えていった、一応減るスピードの方が早かったが。今は増えなくなったからか、凄い勢いで数字が減って行く。今日中に終わるのか心配したのは杞憂だったようだ
『もうちょっとやっていかない?』
『あたしは大丈夫だよ、、、リューちゃんも平気だよね?』
「平気」
女性陣はカボとホットケーキミックスに少し牛乳を加えたドーナツにトッピングして爪楊枝を刺してロリポップ化したのを食べている、ちなみにカボ料理のバフは魔力と体力アップのようだ
インベントリ内をみてたら大量のカボ素材があったから数を減らそうと、簡単なカボチャのお菓子とポタージュスープを作ってみた。DDO内での料理プレーヤーは貴重なので俺が料理スキル持ってるってわかり、周りのプレーヤーからの勧誘が凄いことになってしまった
キラーとメルクに守ってもらい事なきをえたが、勧誘の嵐がすぎさった後にキラーも誘ってきた。メルクがキラーをすぐに引き離し、離れた位置からでは何を話しているのかはわからなかったが、こちらに戻ってきたのはメルクだけだった
『いいぜ、せっかくだから数字がなくなるまでやろうか』
キラーが近づいてきながら答える、さっきまで4桁だった数字はもう3桁になっている
もう少しやることになったから、せっかく減らせたカボチャはまた増えそうだよ
「安全エリア出たらどこに向かおうか?」
『中央行ってみるか』
『任せるわ』
マップによると中央には、ハロウィンタウンというイベント専用の街があるらしかった。モニカも任せるってことなのかメルクに賛同するようにうなずきながら、片付けをはじめた
「じゃあ中央行こうか、、、食器類はこっち持ってきて」
モニカから食器を受けとり水魔術で食器を洗いインベントリの中にしまっていく
みんなも片付けを終えたようで、俺達は中央エリアへ向けて出発した