春のハロウィン 3
キリの良いところ探してたらいつもの倍に、平野フィールド入る前できった方が良かったんだろうか?
ハロウィンイベントの専用フィールドでリアフレ達とゲーム内での合流をした、フレンド交換も終わったのでそろそろイベントを始めよう
今回のハロウィンイベントはカボチャ型のmobを討伐するらしい、ランキングはなくてドロップアイテムは倒した人のモノ、10体倒せば参加賞がもらえることになっている
専用フィールドの中央部分にカボチャ型mobの数がどこからでも見えるようにでかでかと表示されている
パーティーを組んでキラーとメルクに前衛、真中にモニカ、後方を警戒するのが俺でYの字で岩山地帯を進んでいた
『トリットリー、、、』
俺の目の前を茶色い物体が高速で横切っていった、擬態してたのか気配察知にはかからなかったよ
「けっこう早いね」
通り過ぎていったカボチャ型のmobを観察してたら『カボ』とモンスター名が出た
『モニカ、やって』
再び突進してきたカボにメルクが前に進み出てタワーシールドを構え受け止める
『いくよ、“風鎚”』
タワーシールドにぶつかり動きの止まったところに空気の固まりで押し潰されたように地面に叩きつけられ硝子が割れるように粉々の欠片となって消えていった
「やりすぎじゃない?」
『だな』
『違うの、リューちゃんが見てるからつい気合い入っちゃって、、、』
『シールドで止めた時のダメージでだいぶ削れてたみたいね』
カボは少し速いだけでそれほど強くないのかもしれない
「右前の方に反応3つあるよ」
さっきのカボは擬態してたせいで反応無かったようだけど、今度は気配察知に反応があった、ゆっくり移動してるみたい
『サンキュー』
キラーが腰から剣を抜き左右で構える、やっぱり双剣みたいだ
岩の陰から紫色の茄子みたいなmobが飛び出してきた、名前はナスーンになってるね
『『『トリミー、トリッキュー』』』
カボのようにいきなり突っ込んではこなかった、同じ台詞を繰返しながらこちらの様子をうかがってくる
『ハロウィンって元はなんだっけ?』
「確か、お盆とかと同じだったかなぁ」
あの世とこの世がつながり悪霊などを追い払うためにカボチャをくりぬいて恐い面を作ったのがジャックランタンだよね
『茄子や胡瓜につま楊枝を刺して、霊の器にしたようにカボチャをくりぬいて悪霊払わせて秋の収穫祝ったんだよ』
モニカが補足してくれた
『ということは、あの茄子mobは味方なのか?』
いまいちよくわかってない様子でキラーが聞いてくる
「たぶんね、トリッキューはtrick youでトリミーはtreat meだね」
『ということは悪戯はされたくないからもてなせば良いのか、、、』
とりあえず“アクアクリエイト10”で水を出してサボテンにやったみたいに血をまぜて差し出してみたが反応無かった
『treatってよくない状態をよくするって意味もあるから』
モニカの言葉にナスーンを観察すると確かに動きが少しおかしいかも
「回復系って誰か使える?」
『使えるよ、任せてリューちゃん』
モニカが本を取り出してページをめくっていく、目的のページが見つかったのか開いたまま手を離した、本が宙に浮きページから魔力が溢れ癒しの光なのかナスーンに降り注ぐ
しばらく光を浴びてたナスーンの動きがよくなり、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねてちょっと可愛い
「モニカ、ナイス」
跳ねるのをやめるとナスーンが何か差し出してきた、確認する間もなく手の平から光になってパーティーメンバー全員に吸い込まれた、インベントリの中を確認したら食材『ナスーン』を手に入れてる、アイテム化したら普通の茄子に見えた、、、目の前のナスーンだったらどうしようかと思ったけど安心だよ
『さて、参加賞もらうために、どんどん行こうか』
『『『「おー!!」』』』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『そっちいったわよ』
『任せろ』
カボの突進に合わせてメルクがシールドを構えたが、カボは急転換してキラーの方に向かう。キラーが2体のカボにまとわりつかれているところに方向転換したカボと新たに現れたカボが2体で5体のカボに狙われている
カボの色で性能が変わるみたいだパワー型の緑、遠距離から種を飛ばしてくるオレンジ色、バランス型なのか手強い赤、最初に遭遇した茶色はスピード型かな
岩山で戦闘しつつ進んでたら平野フィールドまできた、平野フィールドは手付かずだったのか、カボに群がられているというわけだ
「危ない“水壁”」
気配察知に反応があり、見るとオレンジ色のカボがキラーを狙っているのか口をあけて射撃体勢に入っているのでとっさに水壁を使う。持続時間短めの横2メートルの厚さの水が壁となる
『“ソニックウェーブ”』
水壁が種を防くと、オレンジカボに向かってモニカの風魔術が飛んでいくと真っ二つになり欠片となって消えた
キラーの方を見るとメルクが合流したようで最後の一体を斬り伏せるとこだった
「お疲れ、モテモテだったね」
『赤いのは手強いな、タイマンなら負けないが囲まれるとキツいな』
「参加賞の10体討伐は達成したけど、どうする?」
『続けるにしても、やめるにしても少し休憩したいわ』
専用フィールドのマップを見ると安全エリアが近くにあるみたいだったので、移動することにした




