ケリュケイオン
二つにわけたくなかったから、いつもの倍の2000文字になってます、次から新章に突入予定
『もうちょっと内装とかいじれないのかい?』
『無理ですメェ』
【ケリュケイオン】の拠点として与えられたクラン用のホームエリアを自分好みにいじりはじめてはみたが、なかなかうまくいかないねぇ
すぐに投げ出したアモンにため息を出しつつ下がらせた
『あなた、いったい何やったの?防護システムがズタズタになってるんだけど』
なんの予兆もなく現れたのは龍神様の力の一部らしい、龍神様とは似ていないが
『こっちが聞きたいねぇ、遊んで良いって言うから、言われた通り結界をはって遊んでただけなのに、ちょっと“炎熱地獄”使ったら、せっかくはった結界がダメになってあまり遊べなかったよ』
『それだけでダメになるような構築してないわよ、穴が空いて不安定なところに負荷がかかった感じなんだけど、他に何かしてない?』
もしかしてアレか?原因に心当たりがあったよ、さて、どうやって誤魔化そうかねぇ
『お茶ですメェ』
『ありがとう、、、ってあなた誰?、、、アモン?』
オカメにアモンがみつかったから、正直に話そうかねぇ
『悪い悪い、説明聞いててもよくわからなかったから結界はる要員としてアモンを召喚したんだわ』
『召喚?、、、あなた、説明の途中でいなくなったから、まだそんな能力ないでしょう』
『こっちに連れて来てもらった時に術式は見たから、みようみまねで召喚しちゃった』
『しちゃったって、、、あなた、まさか』
『たぶん、想像通りであってるねぇ』
『なんてことしてくれるのよ』
オカメがぶつぶつ考えはじめた、意外にも予想より穏やかな怒りかただねぇ
『原因がわかったし、早急に対策するからしばらく召喚は使わないでね』
『あいよ』
『それで、結界要員のアモンっていったかしら、仮想体じゃないから、今のままだとやられたらシステムに取り込まれるから早く仮想体に変えないと』
『わかったメェ』
『あなたも、残りの調整するからね、でないとモンスター用のデータで仕事できないんだから』
『仕方ないねぇ、この世界で遊ぶための約束だからちゃんとやるよ』
オカメが睨んで来たのをうけながら、手の平を振って降参の意を示す
『ただでさえ勝手にイベント用の仮想体使われて時間ないのに、システム修復という余計な仕事まで増やされたんだから』
怒りながらも手は空中で動かして光がアモンとこっちに向かってくる
『少しの間動かないで』
『メェ』
『あいよ』
あまり時間がかからずに光を浴び終わった、染み込むように消えると少し体が軽くなったような気がするよ
『くれぐれも結界をはる前に人を殺さないこと、情報が流れて復活できないから、、、天人ならいいけど熱くなって周りを巻き込まないようにね』
『その為のアモンだから、大丈夫だねぇ』
『バアル様は事前準備は念入りにするのに、本番でやらかしていつも力業になるメェ』
『うるさいよ』
失礼なことをいうアモンを蹴りつける、オカメがなぜか呆れてるねぇ
『本当に頼むわよ』
『わかってるよ』
最後に念押ししてこちらに背を向けホームエリアから出て行こうとする、足下に魔法陣のような模様が浮かび上がる
むこうで退屈すぎて少し暴れようとしてたら、たまたま来たオカメを見つけたのは運が良かったねぇ、何度かオカメを観察してたら面白いことをしてる予感がしたのさ
ここのような遊ぶために作られた世界があるなんて思わなかったけど、街ひとつ消されたくなければ遊ばせろと頼みこんだら、ルールを守れば良いと言われたからルールを守らないとねぇ
キンッと金属が弾かれる音がした、考え事をやめて音のした方を見るとリョータが床に倒れてた
『何?この子』
睨んでるリョータを見ながらこっちに聞いてくる
『こっちに来てから拾ったリョータだよ』
『拾った?』
『モンスターに襲われてたところに通りかかってね、モンスターの方が興味あったからねぇ』
『それで?』
『ん?、、、あぁ、その時は天人とか同じように遊んでる仮想体と思わなかったから怪我治そうとしたんだけど、、、』
『だけど?、、、ベルフェゴールには回復使えないわよね?』
気づいたのかオカメがこっちを向き、続きを促す圧力が強まる
『この世界の“すきる”ってやつだとダメだからむこう方式で治したら、前世のトラウマまで思い出したらしいねぇ』
『………』
『女に毒殺されたみたいだねぇ、女は敵って思ってるみたいだよ』
オカメが何か考えてるうちに、リョータにオカメについて説明する、この世界の管理人って言えばわかるらしいからねぇ
『リョータ様、わかってると思いますが現実の方では犯罪ですからお止めくださいね』
『あぁ』
『女性専用の天人殺しというロールということで遊び方にとやかく言いたくないですが、満足したらやめた方が良いですよ、世の中の半分は女性なのですから』
『………』
『他の方に不快と思われ、悪質だと判断され要請されればこちらとしても警告や、アカウント停止など対応しないといけませんので』
『………わかった』
『それとバアルと一緒で、わたしにも性別はありませんので敵視しないでください』
この世界の管理人に一プレイヤーがたちうちはできないだろうしねぇ、いつかはやってみるのも一興かねぇ
『ではベルフェゴールお仕事頑張ってください』
仮想体の名前で仕事しろと命じて、オカメは今度こそ帰っていった




