奪還作戦 3
二つに別けようか迷いましたが1話扱いでいきます、前半がヒナ視点、後半が陽動部隊のバルカン視点になっております
リューイから連絡がきた、状態異常料理を無事に振る舞う事ができるようだ、2時間くらいで効果が出るようにするとのことなのでこちらも作戦開始だ
ベアルさんから聞いた、リング城の隠し通路の入口へと向かう
『川沿いの掘建て小屋、コレね』
中に入り土嚢など川の氾濫に備えたであろう道具をどかして行くと、隠された入口を見つけた、灯りを用意して入口から地下部分へと入る
しばらく一本道が続いてから少し広い空間に出た、奥の方に扉があり中はちょっとした城が建つであろう財宝部屋になっているらしい
『すごいわね』
中に入りあまりの光景に思わず感嘆の声が漏れる、予想よりずっと豪華な品揃えになっている、強大な力を秘めているだろう剣や封印を施しているのになお禍禍しい首飾り、鈍く光る古代の金貨や眩い金のインゴットなど所狭しと置かれている
扉に持ち出し禁止の術が掛けられているから正しい手順を踏まないと、手前の空間で罠発動するみたいなので持ち出せないみたいだが眺めてるだけでも飽きない、コレだけのモノが整理されてないのわちょっと許せないので後で言っておこうと心に止める
小屋から隠し通路を見つけ、ここにたどり着けて宝に満足して終わりってわけじゃない、、、宝を隠してる為に小屋に入口を隠してるってのはカモフラージュだから先に進む、コレだけのモノとは思わなかったから聞かされてなければわからなかった
金貨の中に先に進む為の魔道具があるらしいので探すと目的の物を見つけ2枚持つ、部屋の隅にある小さい空気穴みたいなのを見つけると持ち出した金貨に魔力を通す
魔力を通したことにより、2枚がセットの転移魔術が起動する、木の絵が描かれた方の金貨を勢いよく穴に投げ込む、途中で詰まらないように斜めになっているらしいけど念の為ね
若葉の絵が描かれた方の金貨を使い、木の金貨と場所を入れ換える魔道具を使い木の金貨の場所に転移して水の中に落ちた、、、勢いつけすぎたようだ、水の中から出て役目を終えた金貨を穴から投げ入れて戻しておく
『水があるなんて聞いてないのだけれど』
魔術で服を乾かしながら部屋の中を見回すと、水は一角が崩れたのか部屋の半分が水の空間と化している、保存か結界か何かの魔術で半分だけ被害があるで済んでいるみたいだ
服も乾いたので水没した部分を避けて扉を開ければ通路いっぱいに何かの植物の根が蠢いていた
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鎧を着せた訓練用の人形を土魔術で操って隠しておく、予想される進路に数ヵ所に配置を済ませてリューイに連絡を入れたのがだいぶ前だ
向こうからも連絡が来て半分くらいはこっちに割いたんじゃないかとは言っていた、こちらは俺を含めて10人もいない、まぁ優秀な土魔術の使い手が確保出来たから時間稼ぎなら問題ないだろう
そろそろ相手にも見える頃合いだろうと、土魔術をかけてもらいながら慎重に進む、草を魔術で結んで罠を作ったりしながら進むと矢が飛んできた
『敵襲ー、弓隊反撃用意』
土魔術に阻まれ当たらなかった矢に狼狽える振りをしながら後退していこう、後退の合図をだしながら叫ぶ
合図を出しながら矢を用意して10本上に放り投げる、魔術が起動して矢が向かって行くのと後退の準備が出きたのが同時だった
『次の矢が飛んで来たら少しずつさがるぞ』
術師を護衛するように展開しながら矢を避けつつさがりはじめたのを確認する
さっきより勢いをました気がする矢は術に無力化されてはいるが近づいてきてるのでそろそろ術が飛んで来てもおかしくはない
的にならないように動き出したのと魔術が飛んで来たのが同時だった、まだ手前だけど敵さんが少し攻勢に出て来てくれたのを嬉しく思いながら動きながら後退を始める
餌に食いついた敵を引っ張りながら少しずつ後退、変に思われないように術による応戦もさせて慌てて放った魔術がはずれる演技などして怪しまれないようにはしている
『向こうの術師も腕がいいな』
盗賊とは思えない防御魔術を人形越しに見た術師が報告してきた
『伏せてある人形には気づいた様子はないんだろう?』
『それは問題ない、最後尾にいる部隊が今3つ目の所を通りすぎたくらいだ』
『作戦は順調なんだ、後少ししたら反撃するからもう少し引っ張るぞ』
『あぁ、中間地点まで来たら流石に逃げられないだろうし、倒しちゃっても良いんだろう?』
『戻られるよりは良いけど無理はするなよ』
中間地点で反撃を提案してきた部下の意見を採用する、本当はもう少し引っ張りたいけど、避けたり当てないように反撃したりでフラストレーションがたまってるのか士気が高くなってるのか我慢がきかなくなってるようだ
中間地点まであと少し逃げる演技を続けよう




