好奇心猫をも殺す
店が潰されるとは穏やかじゃないね、屋台の娘さんの名前はアーシェというらしい、アーシェさんは現状に至るまでの話をしてくれた
アーシェさんはお父さんと二人で食堂を経営していたそうだ、ある日向かいの空き家がいきなりレストランになった、そのレストランはアーシェさんのお父さんと同門の料理人がオーナーらしくあいさつに来たらしい
それからしばらくしてアーシェさんの店からレストランに客が流れてレストランと食堂で客の取り合いになった………ん?近くに食べるところ出来たらどっちに行くか迷うのは普通だよね
お父さんが怪我をしてしまったらしい、アーシェさんが売り物レベルで作れるのは豆スープだけなので店は休業にして屋台での豆スープ販売に切り替えたところに豆の値段が上がり屋台販売しても赤字になるようになった
仕方なく捨てられるさやで豆スープを作ったけどさやだけで豆のないのに元の値段で売れないと休めに設定してギリギリ生活出来てはいると
「それで、潰されるって証拠はないの?」
『豆スープだけになったとたんに豆の値上がりですよ』
「………」
アーシェさんの被害妄想な気がする、ちょっと調べてみないといけないかな
「さっきの人達は?何か話してたよね?」
『レストランの人達ですね、屋台販売じゃなくレストランで働かないかって勧誘です』
休業状態になったから手をさしのべてくれたんじゃないのか?好奇心猫をも殺すと言うけど首を突っ込むんじゃなかったかな
「お父さんの怪我って、どれくらいで治るの?」
『腕の複雑骨折みたいで1ヶ月です、治療魔法かけてもらうのに金貨2枚なんです、金貨2枚稼げばすぐにでも』
金貨2枚ってことは20万デルね、豆の値上がりによりその日暮らしで精一杯だと治療費まで稼げないよね
アーシェさんに店まで案内してもらってレストランに行ってみたけど美味いね
コース料理三点、前菜に旬菜の盛り合わせ、牛フィレ肉のステーキに梅とちりめんじゃこのご飯で銀貨1枚とか良心的な値段で悪い店じゃなさそう
店の人に頼んでオーナーを呼んでもらった、アーシェさんのことで話があるって言うと会ってくれることになった
広場でのやり取りを説明すると、囲んでた男を呼んで手荒な真似をするなと言っといただろうって怒り出した、、、やっぱりアーシェさんの誤解みたいね
アーシェさんのお父さんのアインさんと飲みに行って帰りに変な転び方をして複雑骨折したとか、店出せるのがアインさんの店の近くしかなかったとか、店再開できるまでアーシェさんの面倒みようと誘ったりとかが真相で潰そうとは全然思ってないようだ
途中からおかしいなとは思ったんだけどね、とりあえずアーシェさんのお父さん治す20万デル分は協力するのに了承してもらった、心配してたのかオーナーからも頼まれた
料理熟練度上げるチャンスだね




