はじまりの街 2
広場を後にした俺たちは大通りをしばらく進んでから細い路地に入った、すぐ角の三階建ての青紫の建物『ネモフィラ』がシロの店らしい
『まずはフレンド交換しよっか、良いよね?』
店に入ると店舗部を突っ切り、二階へと案内してくれた、座ってるようにとクッションを渡されて、店員に何か指示しに下に行き戻って来てすぐに提案してきた
「いいけど、こっちからどうやって申請するかわかんない」
シロからのフレンド申請のウインドウが目の前に浮かんでる、許可に触れるとポーンと音がなりフレンドになりましたと出る
『えっとね、アカウント登録した時の端末を身につけてるはずだから、触りながらメニュー呼び出せるよ』
そうなのか、髪が長くなるとか変なことがあったから気にしてなかったが、確かに端末を身につけてる、竜が剣に巻きつくように抱えているお気に入りのペンダント型の端末を服の中から引っ張り出した
『へぇー、リューイはペンダント型の端末なんだぁ、私のは腕輪型ね、ペンダント型だと最初に全部設定しちゃった方がいいね』
メニューとか自分のウインドウはフレンド以外の人には見えないらしい、操作してる姿が怪しく見えるそうだ
メニューからフレンド登録申請をシロに送り、オプションからメニュー呼び出しのショートカットの仕方を教わり設定していく
『おっ来たね』
『お待たせしました、紅茶をお持ちしました』
『紹介するね、この娘はネル、私が出歩いてる時に店を任せているから、私がいない時に何か用あったらネルに言ってね』
二階にあがる時に店にいた人だ、黒地の服にエプロンドレス、どっからどうみてもメイドさん、某電気街で見るようなのではなく裾の長いクラシカルタイプというやつだ
「俺はリューイ、よろしく」
『リューイ様ですね、よろしくお願いいたします』
ネルは紅茶とショートケーキをテーブルに置くと下に戻って行った
『DDOはね、最新技術を使っているから味覚エンジンも違和感ないよ、甘い物いくら食べても太らないのは良いよね』
ショートケーキを食べてシロは幸せそうな顔をしている、試しに食べて見るけど、違和感なく普通のショートケーキだ