水竜の試練 6
おそらく最後のアイテム、橙の宝石を手に入れるために転移陣をオレンジ色にして移動したわけだが、移動先は砂漠だった
さっきまでひんやりとした場所にいたせいかすごく暑い、辺りは何もなく砂ばかりで何をすればいいのかわからない
まずは安全の確保からかなぁ、気配察知を使い反応がないことを確かめる、次に水術の確認をしよう
砂漠で水気がほぼないところで水術は使えるのか?、、、“アクアクリエイト10”を発動したところいつもより小さな水球が出来る
多めに魔力を使う感じになるだろうけど問題なく水術は使えるってことだね、作った水球を飲んで喉を潤す、、、いきなりの砂漠だったけど水の心配はいらないね
明るいから暗視は上げられないだろうから付け替える、練習中に覚えなかったけど、ようやく覚えた投擲にするか不意討ちに備えての金剛にするか合成術にするか、悩むところ
水術に魔力多めに使うから、今回は金剛にしとこうかな、、、いつの間にか修得スキルが多くなってきたね
幸運先生に仕事してねとお願いしながら歩きはじめた、砂を踏む音を聞きながら慎重に進むけど景色は変わらないから本当に進んでるのか不安になる
?、しばらく進むと何かの音を捉えた、、、気配察知には反応ないから範囲外から聴こえたみたいだ
聴こえた方に進むと、人型の仙人掌が農作業していた、、、砂漠で農作業とかどうなんだとか仙人掌動いてるよとかツッコミどころがあるんだけど、気配察知に反応ないのはなぜだろう
『やぁ』
遠めに観察してると、仙人掌がこちらに気づいて声をかけてきた
「こんにちはー」
仙人掌ってしゃべるんだと思いながら挨拶を返す
『来てたのはわかったんだけど、仕事が終わらなくてね』
「へぇー、なにやってたんですか?」
なんか首の辺りにチクリと痛みが走った、逃げなきゃいけないかなと警戒する
『警戒してももう遅いよ、終わったからね』
仙人掌の手にはいつの間にか赤い液体があった
赤い液体を自分にかけると仙人掌が分裂して、掘った穴に入り自分で穴を埋め始めた
『説明しても断られるから勝手に抜かせてもらったよ』
仙人掌が布を渡してくる
「それでも説明欲しかったな」
首に走った痛みは針を飛ばされたみたいだ、倒す気なら一気にやられていただろうから戦う気はないんだろう
布には薬が塗ってあるのかすぐに回復した、、、即効性の効果は高いポーションの証だったはずだ
『まぁまぁ、君があまりにも硬いからつい力を入れすぎたんだよ、、、本来ならひっそり刺して抜くのにさ』
首に針飛ばす前に血抜き針が刺さらなかったらしい、装備したばかりの金剛さんがさっそく仕事したんだろうね、見ると熟練度が上がっていた
「10回もひっそり刺そうとしないでくれる?」
『ついムキになってしまったよ』
いい仕事をした後みたいな声を出して笑われた
『こっちの用事は済んだからすんなり渡してもいいんだけど』
一頻り笑ったあとに、仙人掌はどこからかオレンジ色の宝石を取り出した
「だけど?」
『君、魔力高いみたいだから養分にしたい』
怖いことをさらりと言う仙人掌から距離を取るがすんなり追い付かれる
『あー、言い方が悪かったね、ひとつクイズを出すからそれに答えてもらうよ、正解すれば宝石を渡そう、不正解なら追加で血をもらいたい、、、勿論不正解でも宝石は渡すから』
「まぁ良いよ、悪い仙人掌じゃなさそうだし」
仙人掌の動きを見る限りだいぶ格上の相手みたいだから、同化中の動きについてくることからまともに戦っても勝ち目はないだろう