VR戦争 8
体調崩し中
ミミさんの予測した地点手前で【炎上】のメンバーであろう機体を発見した、クランカラーというのか黒い二足歩行機で背中にランドセルのような四角い箱を取り付けてあった。
『気付かれないようについていこう』
様子をうかがいながら後ろをついて行くと、別の機体が現れた。
何か情報のやりとりをしているのか、しばらくしてから移動を再開し元の場所へと戻って来た。
『巡回してるようだな』
『この先に何かあるってことよね』
「たぶんね」
『偵察してくるわ』
ロザリーが使い魔を出して、使い魔に《隠密》を使い先行してもらう。
『見えたわ………』
「どう?何かある?」
しばらくして使い魔が目的地へとたどりついたようで、《視覚共有》しているロザリーが報告をあげた。
『派手な角がついた車体があって………周りには【炎上】のメンバーが多いわね』
『派手な角つき?』
『護衛してる感じにも見えるから当たりかも?』
『一か八か、仕掛けて見るか』
「そうだね」
使い魔を戻して出発の準備をする。
『見つけたよ、赤いヤツ………うちのメンバーの仇を取らせてもらう』
音声とともに射撃が始まった、【クリムゾン】の車体を銃弾が撫でていく。
『直撃したのに無傷かい?………なんて頑丈な機体だい』
射撃方向を見ると両腕が銃器になった黒い機体【炎上】のクランマスターが操るディザスターがいた。
右腕のガトリング砲らしい銃で撃たれたようで煙があがっている。
【クリムゾン】を撫でた弾は流体構造の防御膜により少しずつ角度を変えられ逸らされたので、直撃したわけではない。
『見つかったか、ノエル気をつけろよ……ロザリーとジェラールは反撃』
『ディザスターかよ』
ディザスターからの攻撃をノエルが避けていくが何発か車体を掠めていく。
両腕の銃器を切り換えて攻撃して放熱のサイクルをうまくとっているのだろうか、激しい攻撃が止むことなく襲ってくる。
『反撃の隙がないじゃない』
『敵の増援来ます』
索敵をしていたミミさんが敵の動きを報告してくる、ディザスターの攻撃で異変に気づいたのか敵がこちらに寄せてくるようだ。
「流体金属の残りも半分切ってる」
『ディザスターを引きつれながらだが、強引にでも角つきを【ドゥーム】の射程に入れるしかないだろう』
流体装甲がそれまで持つかは微妙なラインだが、このままディザスターから逃げてるだけではジリ貧だ。
角つきを目指しての突破作戦にかけるしかないね。




