VR戦争 7
体調崩してました。
中央の丘奪取を目指して移動を開始してすぐに《戦術通信》が届いた。
指令部と合流して北東の丘へとちょっかいをかける、敵の配置を誘導してロラン小隊が側面から強襲をかけるかの話し合いがされた。
数の上での被害はこちら9割、敵軍は5割。
敵軍の動きが思ったより鈍いおかげで、指令部はなんとかやられないでいるがジリ貧なのが現状らしい。
『どうしてだと思う?』
「さぁ………戦闘系の部隊が不在なのかな?」
情報を整理した結果、索敵や通信、工作系の補助を重視した編成らしかった。
おそらく敵軍の火力担当を減らした影響なのでないだろうか?
【炎上】と少しばかりの火力担当に、索敵や工作などの大量の特化機体で最初の倍近い戦力になったのだろう。
実際の戦力は数字以上の開きがなかったと思われる、でないととっくに負けてるはずだ。
『………つまり、【炎上】しかまともな戦力がないってことだな』
「ばかげた威力の砲車はあるけどね」
『あまりみなくなったから、ほとんど始末したんじゃないか?』
『それで動きが鈍いってことね』
その分狙いがつけられないのかバラまくような攻撃しかできない戦闘車両、なのに連射がきかないうえにチャージまでに時間がかかる欠陥品のようなのが戦力だったのだろう。
最初の頃は数を揃えての面制圧のような砲撃も今では散発になっている。
いくら威力があっても弾速は遅いし狙いも甘いのでよほど油断してないと当たることはないはずだ。
『偵察機のような火力の低い機体による機関銃で、包囲され削られてるんだよな』
『そうみたいね』
『本部も向こうも、魔術師がいないってことか』
広域魔術による砲台も魔力付与による強化攻撃もしてこないところを見る限りそうなのだろう。
『本部が陥落する前に、【炎上】を叩くか押さえ込むのが勝利条件だな』
『丘一つじゃ中央兵器がほとんど使えないのが救いだけどな』
丘一つの状態では威力が出ないし、チャージが遅くてなかなか使えない。
他の丘を取られた瞬間に危険度が跳ねあがるけど、全部に対応出来ない。
ロラン小隊のとる行動は敵の大将を叩いての逆転狙い、【炎上】を見つけたら頑張って無力化するしかない。
『解析からだとこの位置が怪しいと思うわ』
『よし、その地点に向けて行こう』
ミミさんの予測地点へむけて向けて移動する、敵中央軍の南側が【炎上】がいると予測した場所だ。




