VR戦争 3
泊まり勤務続いてなかなか更新できず
北西の丘
『予定通り手加減しました、次の作戦に移ります』
『よくやった、そろそろ向こうもジャミングを突破するだろうから、スキルを使うように』
『わかりやした』
通信が途切れる。
『順調ね』
作戦位置にディザスターを移動させながら聞いた報告に笑みが溢れた。
いまだにどちらの軍も手に入れてない北西の丘にはすでにクランメンバーによって罠が張られている。
『北西に向かっていた敵部隊は叩いた、中央から北西に回せば、あの国の連中でも中央は取れるだろうし………』
敵国の練度も良いが、まだVRゲームというよりかはリアルよりの動きだからつけいる隙だらけだった。
『っと、そろそろだね………“隠密”』
スキル“隠密”を使い、気配を消しながらディザスターを目的地へと慎重に進めるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
北西の丘を入手したアナウンスが流れないままこちらの布陣が完成した。
防衛用の罠を幾重にも張って丘を守る、もし罠を突破してもすぐに奪還出来るよう細工もしてある。
なので、南東の丘に対して南西部隊全てで円陣を維持しながら距離を詰めている。
『おっ!!解析が終わったようだな』
ノエルがジャミングを無力化に成功したようで敵の位置情報が各自に転送された。
『敵は正面だな』
『こっちには気づいて無いんでしょう?』
『そのようだ、側面から攻撃を仕掛けよう』
南東の丘の敵軍は2列の縦陣だったが厚さがあまりないようだ。
『やっと通ったか………こちら中央攻略のエディーである。ロランくんはいるかね』
側面を突くべく移動しようとしたところで“戦術通信”がきた、中央で何かあったようだ。
『エディー司令、どうされました?』
『北西の丘に戦力を送りたいのだが、そっちからいくらか出して欲しい』
『気になってはいたのですが、北西はまずい状況なのですか?』
『不明だ………ただ敵の数が多かった理由はわかった。1機だった物を解体して役割を決めて作り直したみたいのようだ。当たった感じだと索敵や通信用と思われる機体が多いな』
『なるほど………となると敵の配置を素直に信じるのはまずいですね』
『そうだ、気をつけるのは車体のわりに大型な砲を積んだ装甲車、黒塗りの二足歩行機だ』
『少しお待ちください………ノエルどうだ?』
ノエルがスキルを発動させたのかエフェクトがでた。
『黒塗りの機体かどうかはわからないけど、二足歩行機は20ってところだな』
『エディー司令、こちらは私達だけで大丈夫のようです。残りはそちらに回します。』
『頼んだ』
『というわけだ、みんな聞いてたな』
『良いけど、私達だけでやれるの?』
『たぶん大丈夫だろう【クリムゾン】は強いし、こちらにはリューイがいるからな』
「フーを出すこと期待してるなら、悪いけどフーを出す気はないよ」
『大丈夫だ、でも援護はしてくれるだろう?』
「援護くらいなら構わないよ」
『最終強化までいったわけだし、リューイのサポートあって負けるってのは考えられないな』
いざとなったらロマン砲もあるしとの呟きは聞こえないふりをしたが勝算は高いようだ。




