VR戦争 2
相手国との口上交換が行われている。
今回の戦争の勝利報酬、戦争時のデスペナについての説明がされ相手国が了承して互いに健闘しようみたいな内容を遠回しに長々と述べ終われば戦争のスタートだ。
『マスター、配置はどうします?』
『クライアントからは盛り上げろと言われてるからね………各部隊に均等に振り分けておいて』
『了解しやした』
連絡にいくクランメンバーを眺めなていたら暗号通信が入った。目を通すとジャミング開始するとのことだったので許可を返信したところで、口上交換が終わったのだろう両軍が離れていく。
『さぁ、戦争の時間よ………蹂躙しなさい』
ディザスターの操縦席から戦術通信が発せられて、黒塗りの部隊が散っていった。
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サバイバルゲームというよりかはシミュレーションゲームのような感じの戦争が始まった。
相手の青軍はこちらの倍以上の軍、おまけに負けなしのクランがついていて圧倒的に不利だが出来ることをやるしかないよね。
『中央の大型兵器が取れれば逆転の目もあるんじゃない?』
『それは向こうも思ってるだろう、あんなに目立つ位置にあるんだ、飾りではあるまい』
今回の合戦場のフィールド設定は相手国が設定していた。
真ん中に大型兵器がある巨大な山に周りに4つの丘、真ん中に比べたら低いがそれなりの高さがあった。
「相手の陣容を見る限り一直線に中央の山に向かいそうだね」
相手は軍を縦長にしていた。先頭が少し左右に開いているから
鋒矢の陣のような配置になっている。
『おっ、始まったな』
どうやら開戦したようだ。
敵軍が移動始めたと思ったらノイズが発生して敵軍が見えなくなった。
『こちらも動くぞ、目標の小丘まで急ぐぞ』
位置を特定されないように広域のジャミングがかかってるのか索敵は出来ない。
配置的に外側から敵が来ることはないけど急いで南西の小丘を押さえに行こう。
『青軍が北東の丘を占領しました』
『赤軍が南西の丘を占領しました』
目標の丘にたどりついて防衛の為に布陣している時にアナウンスが入った。順調に丘を1つずつ手にしたらしい。
『青軍が南東の丘を占領しました』
続いて敵軍が二つ目の丘を取ったアナウンスが流れる、中央の丘はとり合いが続いてるのかアナウンスが今だ流れない。
『ちょっとまずいかも』
「どうしたの?」
『北西の丘を取ったアナウンスが流れない、あっちで何かあったみたいだな』
左右に展開していた配置だったから、南西と同じようなタイミングで丘を取ってないとおかしいらしい。
北西の丘を敵に取られるとだいぶ不利になる。
数時間経ち南西の丘で防衛の為の拠点作りが終わっても、アナウンスが流れることはなかった。
相手も取ってないけど、北西の丘周辺の状況がわからないのが不気味だった。




