ロラン小隊 4
ログインしました。
連日の狩りでスカーレットシリーズの強化素材の他に、本来の目的である機竜モード時のフーの装備を作る素材も集まりつつあった。ログインして最初のバフ料理を作りながら、今日の予定を確認する。
『………だから、圧倒的な火力による、一撃で粉砕するのがいいんだよ』
『何度言ったら理解するんだよ、効率が悪すぎるって言ってんだろうが!!』
完成したバフ料理を持ってリビングに行くとジェラールとノエルがすでに喧嘩していた。この二人はなにかと衝突してるので、もはやおなじみの光景になっている。
「出来たよ」
『あっ、ありがとう。リューイ』
最初の頃は慌てたのだが、慣れたので気にしないで料理を配ってまわるとロザリーが気づいて、手伝ってくれた。
「今回は何でもめてるの?」
『本国からの新しい指示があってね、それでこれからの強化の方向性で揉めてるの』
ロラン小隊は某国のVR対策チームの新人部隊らしかった、ただのプレイヤーではなく国の命運を背負う軍人なのだ。
『このままじゃ時間の無駄だから、とりあえずどっちにも対応出来るよう素材は集めとこうな』
『『わかった』』
ひとまず狩りに行くことで落ち着いたようだ。共通の強化素材を眺めていると、俺が報酬でもらった素材を提供すれば二つとも作れることに気付いた。
余分に作るからお金だけ足りないので金策すればいいだけだった、二人の対決がおさまらなかった時には提案するか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「素材提供するから、余ったら他のパーツちょうだい」
『『えっ!?』』
狩りを終えて帰ってきたら、ジェラールとノエルがまたやり始めたので事前にロランさんに話してあったことを二人に告げると。二人して驚いて固まってしまった………君たち仲良いね
『すまないな、リューイ………ジェラールとノエルはしばらくタダ働きだからな』
『『そんな』』
『リューイに迷惑かけるんだから、当たり前だよ』
『せめて買い取りって形だけはとっとかないとな』
ジェラールとノエルのクラン支給金から材料費をいただくことで落ち着いた。
フーの装備は爪型の魔刃を発生させるドロップ品が出たから、ゆっくりでも良くなったというのもあったので材料を提供するのは迷惑じゃないんだけどね。
『ん?………これは!!』
『どうしたの、ロラン?』
『本日付けで、上層部が戦争を決定したらしい、一週間後には開戦だ』
どうやらのんびりとはしていられないらしい。




