第4エリア
新章スタートですが、調べものが終わらない
運営公式イベントも無事に終わった。ちなみに俺は個人ランキング2位で、モニカが4位という好成績だった。
モニカは魔本のページストックの為にしばらくは図書館籠りらしいので別れ、俺は第4エリアを目指して進んでいた。
第3エリアはイベント始まる前に集めた情報によると、非戦闘エリアといっても良かった。
VR企業の会社が乱立するファンタジーとは思えない近代的な都市部、カップルが溢れる花畑や思わずスクリーンショットをとりたくなるような絶景、テーマパークなどがあった。
ベータ時代やリリース当初では戦闘フィールドがあったのだが、今では第3エリアの戦闘は無限探索型ダンジョン奈落と天穹の塔だけになっている。
5層ごとにボスが出現するダンジョンで、100層のボスを倒せば難易度があがって始めからやり直すというやりこみ要素の強いエンドコンテンツと化している。
始まりの町からゲートで繋がっていていつでも来れる第3エリアを抜けて第4エリアと入るとすぐにスチームパンク風の都市が見えて来る。
遠目でも高く聳えるエントツからモクモクと煙が立ち上がるのが見える。VRだから人体に有害ということはないが、都市をまるまる覆う霧のような排煙に少し不安になるのは仕方ないだろう。
『ギアシティヘ、ヨウコソ』
門を潜ると機械音声での歓迎を受ける。周囲を見渡せば何かのパーツらしきものがいたるところに転がっている、壁から歯車が出てたり、巨大なドライバーや工具を持ったたくさんのアームがついていたり。
どの家にも共通するのはエントツからモクモクと煙を吐き出していることだろう。
毛色の違う街並みを珍しそうに眺めながらまっすぐと歩いていく。ギアシティは人気がないのかプレイヤーは見当たらなかった、まぁ住人も出歩いていないので外にいるのは俺一人なのだけど。
大きな建物を目指してしばらく歩けば、冒険者支援組合の看板が見えて来る。
『ラッシャイマセ』
入口に立つと、センサーがあったのか左右にスライドする自動ドア。開くと同時に機械音声が出迎えて来る。
『ヨウケンヲ、エランデクダサイ』
中に進むと再び声がかかる。カウンターを示す案内図が浮かび選択肢が出た。
「居住案内は………あっちか」
ギアシティに滞在するかはわからないが、しばらく第4エリアにいる予定なので格安の物件があるといいな。ダメでも組合オススメの宿を紹介してもらおうと受付へと向かった。




