浮遊島争奪戦 6
レイとの戦いがはじまった。レイは女性には手加減してるのか徐々にペースをあげていくようだ。
シャサさんの助けに入ったゼンベルさんを、あっさり盾ごと真っ二つにされ。形勢がレイに傾くのをとめないと、このまま持っていかれそうだ。
「シャサさん、お待たせ。左右から挟みこむよ」
シャサさんとともにレイを左右から攻撃する。
『いいね、いいね………そうこなくっちゃ』
レイは最小限の動きで攻撃を回避していく。それどころか急所以外の攻撃は、もらいながら反撃してくる。
『きゃあっ』
「このっ!!」
レイはシャサさんの攻撃を受け、手ごと短剣を握ると強引に引き寄せた。シャサさんを抱くような形になり、片方の手に持つ剣がシャサさんに向かって振り降ろされる。
杖で剣を滑らせてシャサさんへの直撃をなんとか回避できたが剣を受けた衝撃で手が少し痺れた。
『やるなっ』
レイはシャサさんからこちらをターゲットに変えたようで獰猛な笑みを浮かべながら品定めするように見つめてくる。
『ちょっと、嘘でしょ』
『ほらよ』
レイはシャサさんを片手で持ち上げるとこっちに向かい投げてきた、持ち上げられたシャサさんの抗議を無視しながら。
「大丈夫?」
『えぇ』
若干震えているシャサさんを受け止めて立たせる。
『行くぞ』
シャサさんをさがらせて振り向くと同時に、レイが突っ込んできた。何故か手加減しているのか、動きが追える。
レイの攻撃を回避して杖から槍形態にした三連続の技を放つも余裕を持って回避される。
『いいね、もう少し強めに行くぞ』
言葉通りさっきより鋭さを増した攻撃を見切り、杖技から魔術へと繋げるも回避される。
『そんだけ戦える術師も珍しいな』
「どうも“水球”」
まだ手加減しているようなレイが本気でくる前に決めようと“水球”を自分の周りに8つ作ってキープする。
“水球”を警戒してる間に“水身”、“水壁”と魔術を完成させていく。攻撃してくる様子のない“水球”を気にしながらもレイが接近してきた。
レイが接近してきた時にはすでに水の分身体と入れ替り水の壁で身を隠しながら水球の囲いの外にいた。
レイの攻撃を受け分身体が崩れた。そのまま水球同士を繋ぐ膜となってドーム状の水球が完成する。
「今だ“水龍巣”」
水球に大量の魔力を渡して水流魔術で作った龍が水球内を駆け巡る。360度から迫る水龍はレイといえど防御不能だろう。
「これでダメなら………っ!?」
『キュウゥゥ』
レイの様子をうかがっていたら、突然水球が壊された。水球を壊したレイの攻撃がそのままこっちに向かってくる。俺死んだ!?とか思ってたらフーが実体化して突き飛ばしてきて、変わりにレイの一撃がフーへと吸い込まれた。
「フー!!」
後ろ足と尻尾を切り飛ばされて吹き飛ぶフーを追いかける。傷口から輝く何かが溢れるエフェクトを出しながら弱々しくフーが珠を取り出して渡してきた。
珠を受けとるとウインドウが出る、この珠をフーに使えってことか?こちらを見つめるフーに首肯くと使用するを選択した。




