浮遊島争奪戦
番人を倒した俺達は、バフによる身体強化のおかげで、なんとか時間内に脱出することが出来た。
『次元城を脱出したら、戻ることは出来ません。脱出しますか?』
中庭に戻って来た俺達の前に脱出するかのメッセージウインドウが表示されて『はい』を選択すると視界が一瞬ボヤケ、気付くと広い場所だった。『お疲れ様でした』のウインドウを消して周りを見渡せば最初に来た場所のようだ。
次元城を脱出した時点でイベントは終了したようだった。メニューのイベント欄には集計中の文字が並んでいる。
近くにいた攻略組の人に話を聞いたところ、俺達の他にもまだ次元城をさ迷っているパーティーがあるらしいことがわかった。次元城の完全崩壊までの時間は広場上空にカウンターが出現していた。もう1時間も残ってないが無事に脱出して欲しいものだ。
『あれっ!?………オルヴさんは?』
「本当だいないね、中庭には一緒に戻って来たよね?」
『オルヴはプレイヤーじゃないから役目を終えたってことだろう』
お礼を言いたかったけど、仕方ない浮遊島が実装されたらアングラントを訪れて御礼を言おう。
『おっ!!、アイテムの鑑定が済んでるぞ』
リョータの声で、みんなインベントリを呼びだしアイテム確認しはじめた。天使の装飾の指輪がスカルが施された指輪になってたり、呪いの装備と思えるような状態異常を引き起こす指輪など鑑定済みに変わっていた。
聖王の輪
聖王国グランゴードの王様が使っていた輪
効果:精霊親和力アップ、状態異常耐性アップ
天使の輪っかがとても性能のいい装備だった。あとは金貨がポテトス皇国という滅びた国のポテ金貨というものだ。価値がどれくらいなのかわからないが戦闘中に集めた金貨が3万ポテ以上あった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アイテムの確認も済んで、のんびりしてたら周りが騒がしくなったのに気付いた。みんな空を見ているので視線を追うともうすぐカウンターがゼロになるようだ。
『『『10、9、8………3、2、1、0、お疲れ様』』』
残り10秒になってから、自然と広場中の人によるカウントダウンの唱和がはじまった。0になりイベント終了──
『やぁ、みんな西岡だ………1週間のキャンプ生活はどうだったかな?』
──とはいかないようだ。カウントゼロとともにスクリーンに出現した西岡氏の様子からまだ続きそうな感じがする。
『………、さて、これから君たちにしてもらうのは浮遊島を賭けた領土戦だ。デスペナは今までの能力減少から領土戦からの離脱に変えさせてもらったので浮遊島を獲得するために頑張ってくれたまえ』
一通りの説明を終えるとスクリーンが無くなった。どうやらキャンプイベントは前座だったらしく、これからの領土戦がメインのようだ。
能力半減したベテランとこのキャンプで成長した新規プレイヤーの差がほとんどないようなことを言ってたから、ある程度バランスは取れているのだろう。




