イベント七日目 2
今日は二の丑
イベント最終日、次元城から制限時間内に脱出するイベントが、日付が変わるとともに始まった。
もう二度と次元城には入れなくなるのでお宝探しをしながら脱出しようとして廊下ごと崩落してしまった。
「ってて、みんなケガない?」
『なんとか』
『大丈夫』
『問題ない』
落下ダメージで体力が半分くらいになってしまったが、回復薬を使えば問題ないダメージだった。ケガのバッドステータスは誰ももらわなかったようで幸いした。
改めて落ちて来た場所を確認すると未確認エリアの大部屋だった。登ってた時に通った通路から3つ分くらい離れたところらしい。1層だけ落ちただけなら感覚的にそんなにズレないと思うので2、3層まとめて崩落した可能性があった。
『罠が生きてる、注意して』
オルヴさんが罠を発見した。起動させないように避けて大部屋を調べて行くと進むべき道は3つあった。
「こっちの道はたぶん元の通路に繋がるんだと思うから、あっちのどっちかに行かない?」
『いいぜ』
『リューちゃんにはスキルがあるじゃない………どっちがいいか選んでいいよ』
スキル激運の仕事ぶりに期待ってことなら、おそらくどちらもハズレだと思う。
「そういうことなら、たぶんどちらもハズレだと思うよ。どちらにも行きたいと思わないから」
激運が仕事してなくて実際には進んだ先にお宝があるかも知れないけどね。
『どうする?戻るか?』
「この部屋が気になるんだけどね」
『罠があるのは解るんだけど、仕掛けはわからないぞ』
「罠に注意して隈無く探してみようか」
わざわざ罠を仕掛けるだけの何かがこの部屋にはあるはずだ。
『そこ、罠ある。気をつけろ』
『ありがとう………ってキャア!!』
モニカがオルヴさんに注意を受けて罠を避けたところに崩壊の影響と思われる震動があった。バランスを崩したモニカがふらついて罠を起動させてしまった。
カチリと乾いた音がなりモニカの少し前の地面が左右に別れると槍が飛び出してくる。斜めに飛び出した槍はモニカの頭を掠めるように飛び出したところで止まった。
「モニカ!?、大丈夫?」
『だ、大………丈夫だよ、バランス崩してたおかげだ、ね』
『待ってろ………“安静”』
怖かったのか、少し震えるモニカにオルヴさんが精神安定の魔法を使ってくれた。
『ありが………あれっ!?』
魔法のおかげで落ちついたモニカが槍の束を避けて立ちあがりかけたモニカが何かを見つけたようだ。
「どうしたの?」
『アソコ、槍が出てきた穴の所に、扉があるよ』
モニカのセリフにみんなで穴をのぞき込めば、確かに扉に見えなくもない取っ手が見えた。
「当たりかも知れないね」
オルヴさんに罠がないことを確認してもらってから取っ手に手をかけた。




