イベント六日目 4
途中で視点が変わります
激戦の末に次元城の主リザタロウスを撃破した。表示されたメッセージにはリーザリオンとなっていた。
「リーザリオン?」
『リザタロウスが名前じゃ無かったんだね』
『ドロップ品は“リーザリオンの鱗”ってなってるな』
『もう終わったんだ、どっちだっていいよ』
はじめはマアルとか名乗ったしね、マアルはプレイヤー名、モンスター名リザタロウスで個体名リーザリオンとかなのだろう。
骨トカゲ君みたいに運営が用意したプレイヤーが操作していたと考えるとこんなところかな。
「ボス倒したんだからイベントは終わりなんだよね」
『たぶんね』
「城の中だから移動が停止したかはわからないよね」
『そうだな』
部屋から移動しようとして、見えない壁に阻まれ部屋から出ることは出来なかった。まだ何かあるのかな?
「出れないね」
『閉じ込められた!?』
部屋の中を隅々まで探したが何も無かった、お手上げ状態。
『どうなってるのかな?』
『さぁ、情報無さすぎる』
『リューイ達のクリアが早すぎたんだよ………こんなに早くクリアされると思ってなくてねぇ』
「オルヴさん?」
オルヴさんが何か知っているみたいだ
『申し訳ないけど今日はこれ以上イベント進まないから、日付が変わるまでのんびりしてくれ………短い間だったが楽しかったよ、クリアおめでとう』
それだけ言うと、こっちが質問攻めする前にオルヴさんの姿がかき消えた。オルヴさんはいつの間にか運営の人間の操作に変わっていたみたいだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
運営用のシステム領域へと帰還した。アカウントを切り替えて本来のアバターに戻って進行確認しに広間へと移動する。
『おかえりなさい、バアル様』
『あぁ、少し前にマアル君が戻ってきただろう?』
『マアル様なら、あちらにおります』
部下が指した部屋へと向かう。中にはのんびりした様子でマアルがくつろいでいた。
『マアル君、ちゃんと説明聞いてたよねぇ』
『おぉ、バアル~………オレ、説明聞いてた~』
『システム通りに、攻撃食らったらダメージ受けないとダメだよ』
マアル君はシステムが認識したダメージ判定を無理矢理耐えていた。リーザリオンのアバターにも、システムにも相当負荷がかかっていた。みかねて連擊の中に強制停止の信号を混ぜて動きを止めるしか無かったんだけど。
『ようやく出番、オレ頑張った~』
『このサーバーは進行が早かったからねぇ、でもまだ他のサーバーがあるから無理しなくていいからねぇ』
『わかった~』
まぁ、他のサーバーだとオルヴとして動くことは無いんだけどねぇ、条件を満たしてないから、モンスターアバターでも使ってモンスターサイドで暴れるかねぇ。
『次のサーバーに移動するよ』
『オレ、頑張る~』
『行ってらっしゃいませ』
部下の見送りをうけてマアル君と一緒に次のサーバーへと転移した。




