イベント五日目 5
夏バテ中、引っ越し作業はじまりました
中腰でアーツのエフェクトを出したスケルトンは、今にも飛びかかって来そうだった。ヤツの武器は刀、中腰で放つ刀のアーツはあまり多くない。アーツを使うのには驚いたが対処を誤らなければなんとかなるはずだ。
スケルトンは体を低くすると、這うような突撃をしてくる。この時点でスケルトンが使うアーツが三択までに絞れた。このまま足下を斬りつける【抜刀・地】、足を斬りつけると見せ掛けて軌道を跳ね上げる【浮雲】、直前で上昇斬り、振り降ろしに変化する二連撃の【虚空斬】。わざわざ中腰で力を溜めたことを考えると【虚空斬】が濃厚だ。
『ヌオオオォォォォォ』
『スケルトンが喋るだと!?』
気合いの声を上げながらスケルトンの体が跳ね上がる。これを予測通り小さくバックステップで回避して突進する。
『今だ!!』
跳ね上がった体が今度は落ちて来る、斬り降ろして来る攻撃を回転しながらかわして巻きこむように振るった剣はスケルトンの仙骨を粉砕した。上下に別れたスケルトンが衝撃で吹き飛んだ。
『間に合わなかったか』
『リョータくん、無事?』
オルヴとモニカの二人の声が聞こえてきた。救援に来てくれたのだろう
『ああ、なんとかな………そっちも終わったのか?』
『うん、リューちゃんが閉じ込めたから』
スケルトンが欠片となって消えていくのをみながら戦闘状態をといた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
オルヴさんとモニカをリョータの救援に向かわせて、骨トカゲを調べてみた。寄って見れば元に戻ろうとして細かく動いているのがわかる。
「もう少しバラしてみるか」
核の位置を割り出す為に切断する、核がない方の体が核に戻ろうとするのを利用して核がない方の体を閉じ込めていく。
何回か繰り返して、ようやく核がわかった。親指くらいの大きさで少し色が違う部分を持ったら、互いにくっつこうとする力が働いた。これが核なら砕けば終わりだ
『待った、降参………降参するから』
「?」
核を砕こうとしたら聞き覚えのない声が聞こえてきた、リョータ達の方を見ると向こうに仲間は全員いる。状況的に骨トカゲが喋ったのか?
「君が喋ったの?」
『そうそう、あんたら強いね』
水檻の骨トカゲに話しかけてると、予測通り声をかえしてきた。
「スケルトンの方も降参ってこと?」
『アイツは………って向こうは終わったみたいだな』
骨トカゲの言葉にリョータ達の方を見れば、スケルトンを倒したのだろう欠片になって消えるエフェクトが二ヵ所でたちあがっていた。




