イベント五日目 2
微妙に忙しい
オルヴさんをパーティーに加えて、次元城の情報を掲示板で仕入れつつ、東側ダンジョンの転送部屋へと向かった。
まだ距離があるからか、転送待ちの人で溢れていた。部屋ではやすめそうではないので移動しようとしたら、偶然にもリョータを押し倒すという事件が起きた。
「ごめん、大丈夫?」
『ああ………』
リョータに会うのは初日以来だけど、見ため変わらないので少し安心した。サバイバルとか出来そうな様子がなかったけど、一応無事なようだ。
「ここにいるってことは、リョータも次元城に行くんだよね?………もしかして一人?」
『さっきまで連れがいたんだが、仕事がはいったらしい』
「あらら、それは残念………良かったら一緒に次元城に行く?」
パーティーにもう一人いたら、いざという時にオルヴさんを守るのが楽になる。リョータの腕なら心強いのでオルヴさんのことを説明して協力をしてもらおう。
『リョータくんが来ると………リューちゃんが………』
「???」
後ろでモニカがなんかぶつぶつ言ってるがうまく聞き取れなかった。なんか言ったか視線を送っても、なんでもないって返されたんだけど、明らかに様子がおかしいモニカ。まぁ、なんかあったらすぐ言って来るだろう。
『バアルも好きにしろって言ってたし、一緒に行くのは問題ないな』
「バアルがいたの?」
『仕事が入ったという連れがバアルだ』
「そうなんだ」
『クランとしてはもうやることないから、フリーで組んでも大丈夫だろう』
イベント中の仕事ってなんだ?リアルの方かな?………リョータという戦力をゲット出来たのは大きいかもっと思ってたところで転送が始まったようだ。
部屋が脈打つように定期的に光り始めた、合わせるように次々と人が消えていく。
「始まったみたいだね、みんな頑張ろう」
『『『おお!!』』』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
光りがおさまると景色が変わっていた。目の前には石造りの階段が見える、次元城へと転送されたのだろう。
『ここが………次元城?』
オルヴさんの声で意識を戻して周りの確認をすると、同じようにリョータとモニカもいた。バラバラに転送って事態にはならなかったようだ。
「全員いるね」
『先に転送された人達は、いないね』
『パーティー単位での転送か………』
辺りをうかがっても人の気配はしなかった、階段を上って中庭のような場所を慎重に進む。城の外観は確認をしていたが、今がどの位置でどこに向かえばいいのかがわからない。
『敵に遭遇しないのが不気味だな』
「掲示板だと、いきなりこんなところに転送された情報はなかったけど………」
『初ケースってこと?………方針決めた方がいいね』
『城ってくらいだから、上の方にあがってけば持ち主がいるだろう』
『宝物庫探しも、面白そう?』
リアルで城探索する機会がないとはいえ、宝探しね………モニカにしては意外な意見だ、ストレスでも溜まってるのかな?今度どこか遊びにでも連れて行こう。
「じゃあ、多数決とろうか?」
結果は持ち主の顔を拝みに上へと向かうだった。道中に宝部屋あるかも知れないけどね。




