イベント三日目 5
『グモオォォォ』
ミノタウロスロードの雄たけびに応じてミノタウロスがポップした。
「“水壁”」
『“麻痺霧”』
囲まれないように分断し、各個撃破していくのを繰返していた。完全に膠着状態になってどれだけ経っただろうか?そろそろMPやアーツのクールタイム管理がしんどくなってくる。先ほどから減ってないミノタウロスロードの炎の斧の攻撃で水壁がアッサリと蒸発する。
『ちょっとキツいな』
『そろそろロイド達が来てもおかしくないんだが』
今のミノタウロスロードの体力は残り3割といったところ。ミノタウロスをとりまきとして召喚するようになってから決定力にかけている。奥の手の聖魔術による高性能のバフを使えば切り抜けられるとは思うが………。聖魔術の使いてがほぼいないので、切り札は見せたくない。
『リューちゃん』
モニカが心配そうにこちらを見てきた、やるしかないのか?
どうしようか迷ってる間に再びミノタウロスロードがとりまきを召喚した。
『ッチ、いい加減にしやがれ』
こちらの火力不足というより、ミノタウロス召喚の間隔が早すぎるんだよね………仕方ない、なるべくバレないようにしてバフをかけよう。
「“水壁”」
水壁で時間稼いでいる間にフリジルトさんに近づいて行き水属性の付与をかける
『ありがとう』
「いえ、相談なんですが、この状況を回避できるかもしれない奥の手があるんですけど………」
『本当っ!?』
「秘密にしたいんで、何も聞かないで下さい………次のとりまき召喚のタイミングでミノタウロスロードに範囲攻撃をお願いします。」
『わかったわ』
クロトさん達の方を見るとミノタウロスを相手にしているところだった、ミノタウロス召喚直後のミノタウロスロードはやっぱり動きが止まっている、大技の準備で力を溜めているのだろう。
呼吸を整えて魔術の調整に入る。オレールさんがミノタウロスをいなしてクロトさんが最後のミノタウロスに止めをさす。ミノタウロスが炎の大斧を降りおろすと炎がオレールさんを襲う、水膜が少しは抑えただろうが、オレールさんが火傷を負いながら後退する。
『まずい、ポーションが無くなった』
クロトさんがオレールさんを回復させてアイテムが無くなったと叫んだ。
『グモオオォォォ』
『っつぁ!?』
炎から逃れたオレールさんを大斧の横薙ぎが襲う、一発目をなんとか防いでノックバックで距離があく、硬直中にミノタウロスロードがオレールさんに向けて飛び上がる。マズイ………
『“重力球”』
目で合図するとモニカがページを破ってとっておきを使う。短時間だが重力で相手を拘束する球体がミノタウロスロードに飛びかかりを止めてオレールさんを救う。
『悪い、助かった。』
拘束から逃れたミノタウロスロードがミノタウロス召喚の動作を始めた。
「“聖力”、フリジルトさんやって………とりまきが消えたらみんな強力なの叩きこんで」
高性能のバフがフリジルトさん含めて後衛陣にかかる。
『離れて、氷雨』
フリジルトさんが空に向かって矢を放つと氷を纏った矢が雨のように降り注いで召喚されたミノタウロスが氷づけになる。フリジルトさんはスキルの威力に驚いている。
「“聖耐性火”」
『シールドバッシュ』
『六迅閃………しまっ!?………熱くない?』
オレールさんが盾を叩きつけ、ミノタウロスロードをのけぞらせたところにクロトさんの三方向からの斬撃がミノタウロスロードを襲う、浅かったのか苦し紛れかミノタウロスロード大斧を振るう。間一髪で斧は避けれたが、斧から炎が出てクロトさんを焼く。念のためかけていた耐性アップのおかげで炎のダメージを無効化した。
『“サンダーブレード”』
『MOOooooooo』
モニカがページを破るとミノタウロスロードの頭上に雷の大剣が
出現して、ミノタウロスに命中して悲鳴をあげながら崩れ落ちた。大剣から迸る電撃が氷づけのミノタウロスを砕いて欠片が散らばった。




