イベント三日目 4
西側ダンジョン攻略のリーダーをしているロイドさんを、キャラメルでベタベタになった手で追い払ってからしばらくすると、最後に合流したパーティーの休息が終わったようだ。
『さっき打ち合わせた通りの班で行く………第1班、進めー』
ロイドさんの号令により、編成された班ごとで順次ダンジョンに挑んで行くことになっている。ちなみに俺達は6番目での突入になっている。
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西側のダンジョンは洞窟型で見ためよりだいぶ広いらしい。罠も凶悪なのが少ない、罠の近くで戦闘になった時がキツいらしい。
もどってきた第1班の人達に話を聞いて、情報を整理した。
『そろそろ俺達の番だな、よろしく頼む』
「よろしく」
『腕が鳴るぜ』
作戦は順調に進んでいるらしい、第4班の話を聞く限りでは探索は8割終わってらしかった。
第5班がボス戦を開始してるだろうと予想して、オレールさんの合図で少し早めに突入することになった。
『そういえば、マップの埋まって無いところはどうするんだ?』
洞窟内の解除された罠を避けながらボス部屋に向かって進んでいたら斥候役のクロトさんがオレールさんにたずねた。
『ボス戦終わってからで良いだろう』
『逆側だしな、そうなるか』
ボスの体力を回復させないようにしないといけないから、マップ埋めを俺達はしなくて良いらしい。
戦闘が途切れるとボスの体力が回復するので戦闘を継続したままパーティーの交換をする必要がある。
ボス部屋の前まで問題なく到着した俺達は入れ替わる準備をはじめた、オレールさん達が戦闘の様子をうかがっている間にこっそりとフーを呼び出して同化する。
『グモオオォォォォ』
モンスターに大技が入ったのか悲鳴をあげながらバランスを崩した。その隙に第5班と入れ替わって戦闘を始める。
『斧に気をつけろ、武器が溶かされる』
『わかった………リューイ頼む』
「“水壁”」
第5班による入れ替わり時の置き土産のおかげで、上手く戦闘を継続しながら配置につけた。
アドバイス通りに武器に水属性の付与をしないと、相手の炎の大斧で武器や防具を破壊されてしまう。
付与までの時間稼ぎに“水壁”を3枚作ると次の魔術の準備に入った。
『“水属性付与”』
モニカの呪文が完成して、武器が水属性になる
『ありがてぇ』
「“水膜”」
俺の呪文が完成して水が薄い膜を作り、炎耐性があがる。
ようやくボスを見る余裕が出来たので確認すると、5メートルくらいの牛頭に上半身裸で腰巻きをつけて二足歩行していた。
ミノタウロスロード、引き締まった身体に鋼の筋肉から繰り出される一撃は強烈のひとこと。
おまけに武器は炎の大斧が凄まじく、。これは炎耐性あげてもキツいのではないだろうかと思ってしまう。
『グモオオォォォォ』
ミノタウロスロードが第5班から、完全にこちらをターゲットにしたようだ。
雄たけびをあげて突っ込んで来るミノタウロスロード。ミノタウロスロードの残り体力は半分くらい、主力の第7班が来るまで繋げれば勝ちだね。




