アップデート
テッテレーン!レベルか20に到達しました!!メイン職業とサブ職業を決めて下さい!!
「‥‥‥‥レベルアップ、か。今は、どうでもいいや‥‥‥」
結局、園児達に休みはおらず、315人。先生達合わせて338人。全員を灰に変えた。所要時間。五十六分。
「‥‥‥ははっ!アッハハハハハハハハハハ!!‥‥‥‥‥‥はぁ」
やっちまった、この前、クリスマスの時皆でクリスマスパーティーとか、お花見とか、色々やったのに、全員殺した‥‥‥‥
「あぁーあ、やっちまった‥‥‥‥三十四万かぁ。くっそ、なんなんだよ‥‥‥‥」
今まで生きてきた時間や、経験。そういった物を全て、ポイントに変えてしまった。一緒に遊んで、今朝も、「おはよー」って言ってくれたのに、全員‥‥‥‥‥‥
「いいや、戻ろう。アイツらの所に‥‥‥汚れるのは、俺だけでいい‥‥‥‥‥‥‥」
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校内には侵入していないみたいだ。あれだけの音を出したのに、不思議だ。まぁ、今は好都合。この隙に動かないと、全員は守れない。
コンコンココン。事前に決め手おいた合図で体育館の扉を叩く。すると、怯えた表情の先生達が見えた。愛想笑いで目を合わせると、ものすっごい真っ青な表情で悲鳴を上げようとした。急いで口を閉じさせて、ゆっくりと扉を閉める。
「なに考えてんですか!?大声上げようとするとか!!」
「い、いやだって君、その格好‥‥‥」
「へ?あぁ‥‥‥『ピュリフィケイション』」
身体が光に包まれて、汚れが落ちていく。
『ピュリフィケイション』レベルが10になったときレベルアップの効果音と共に自動習得した身体の汚れを落とす魔法だ。使うのは初めてだが、これはクセになる爽快感。気持ちいい‥‥‥
「さて、色々と話をしたいので、先生方だけこっちに集まって貰えません?‥‥‥あぁ、そうか、やっぱりあの二年は『黒化』したのか。まぁ、魔力が少ないのが一人で助かった。一人噛まれたのがいるのか‥‥‥間に合わなくてごめんな」
ツカツカと歩いていき、剣を抜き、それぞれ頭に突き刺す。剣を引き抜くと、そこから灰になっていった。
「‥‥‥‥‥キャアァァァァァァ!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「な、なにやってんだお前ぇ!?』
あ、まずった。パニックになった。どうしよう‥‥‥‥取り敢えず、
「雀羽織!!」
思いっきり叫ぶと、コートが一気に燃え上がり、大きい炎の翼になって体育館を埋め尽くす。本当は囲まれた時とかに使う防御方法なんだけど、こんな風にも使えるな。‥‥‥お、落ち着いたな。
「取り敢えず話、聞いてくれない?」
「お、落合先生方が、全員死んだ‥‥‥?」
「『黒化』‥‥‥噛まれたら専用の薬が無いと治らなくて、それを出せるのは今の所櫻木君だけ?」
「物語に出てくる魔物がここら一帯に‥‥‥‥」
まぁ、こんな所だろう。ちなみに、邪神については話さないでおいた。どこにいるかも分からないしな。取り敢えず、レベルアップボーナスで勝手に頭の中に流れ込んできた。みたいな話にしておいた。『雀羽織』をみた後だし、実際に『黒化』した生徒が灰になるのを見てるから、驚きながらも一応は信じてくれた。良かった良かった。さて、此処からが本題。
「俺は弟と幼なじみ、先生に弟の彼女連れて此処を離れます。まぁ、人殺しの側に居たくないって奴が大半でしょうから、『解黒薬』を百個置いていきます。その後は自由にしてください」
「なっ!?私達を見捨てるというのか!?」
「えぇ。俺が守りたいのはこの四人だけです。付いて来たいって奴は連れて行きますが、命の保証はしません。『解黒薬』も渡しますが、それっきりです。ついて来れなかったり、捕まった奴は即座に見捨てます」
酷い事を言っているのはわかっている。それでも、こんな世界になった今、他の奴に構ってる暇はない。政府が動いたって事は、東京を囲んだ防衛ラインがある。そこまで行って四人の安全を確保するのが俺の当面の目標。他はどうでもいい。
「‥‥‥‥流石、人を殺しただけはある。クズが」
「お褒めの言葉として受け取っておきます。‥‥あぁ、そうそう。『黒化』した人達の知能は其処まで高くありません。階段を登れるかも怪しい所です。冷静に対処すれば捕まることは殆ど無いと思いますよ」
「フンっ!さっさと希望者を連れていけ」
‥‥‥やれやれ、あんな言い方したらこうなる事は分かってたけど、ちょっと酷くない?
「‥‥えーっと、今から此処を出る。が、全員じゃない。希望者だけだ。俺に付いて来たい奴は舞台から降りてコッチに来てくれ。命の保証はしないがな」
「で、出るってどこに行くんだよ!?それに、この状況なんなんだよ!!」
「簡単にいうと、ゾンビ映画に物語の魔物が追加された現実。って所かな?」
「なっ‥‥‥‥‥‥!?」
ザワザワと騒ぎ始める。‥‥ちょっと、早くしてくれない?それとも、もう少し情報あげようか?
「さっき東京の外にいる人達と連絡が取れた。空港を封鎖して、東京やその周辺は立ち入り禁止区域になってると思う。そこが最前線であり、防衛ラインだ。そこまで行ければ助かる。此処から一番早く東京から出るには、神奈川方面に向かうのがいいと思う。ここからだと多分‥‥‥1日あれば着ける。どうする?今からでて、明日の今頃から夕方には安全な生活が手に入るぞ?」
「‥‥‥‥俺、行く!!連れてってくれ!」
「わ、私も!」
「俺もだ!!」
降りてきたのは、百人ちょっと。多いな‥‥まぁ大丈夫か?
「いいか、命の保証はしないし、これ以上の支援はしない。俺は捕まっても助けないからな。けど、この‥‥『解黒薬』を渡しておく。一人につき一つだ。噛まれて三十分くらいしたら身体が黒くなってさっきの生徒みたくなる。が、これを飲めば一度だけ黒くなるのを防げる。キズは治らないけどな」
「それでも助かる‥‥!!」
嬉しそうに、取り出した『解黒薬』を受け取っていく。ちゃんと数えると113人いた。さて、何人残るか‥‥‥
「お、おいコウ‥‥‥」
「レイ、どこ行ってやがった。深月と先生は?」
突然後ろから声を掛けられる。振り向くと、レイと彼女の南がいた。
「コウ、この状況をもっとちゃんと説明してくれ。お前はさっき‥‥人を殺したんだよな?なんでそんな普通でいられるんだよ?」
「は?普通な訳無いだろ。いいか、俺達はこの壊れた世界で生きてかなきゃならない。だから無理やりでも適応しないといけないんだよ。‥‥‥今は俺にも余裕がない。黙ってついて来てくれ」
「コウ‥‥わかった。待ってろ、今呼んでくる」
流石だな弟よ。‥‥悪いな、心配掛けてるのはわかってる。けど、今はお前らを助ける事しか考えられないんだ。起こるのは後でな。
「コウ君ッ!‥‥大丈夫?」
「じゃないな。ちょっと四人共来てくれ。渡す物がある」
深月と先生を連れてきたレイと南を連れて、体育館の隅っこに行く。付いて直ぐ、視界の右上にあるボタンをみて、装備画面を開き、Aランク装備を取り出す。
「これは‥‥?」
「俺が着けてる物と同等か、少し下の装備だ。使い方を教えるから、いざという時は使ってくれ、まず武器で、この『炎の鞭』は‥‥」
一通り説明を終えて、装備を手渡していく。特性の付いている武器や防具は、レベルアップをしていないと使えないみたいだ。『炎の鞭』も普通の鞭だし、『氷の短剣』も普通の短剣だった。『魔弾銃』なんてただのオモチャだ。
深月には『ドラゴングローブ』と、『雀羽織』を貸した。‥‥まぁ、俺はなんとでもなるだろ。
先生には『炎の鞭』に『賢者のローブ』。南には『水の法衣』と、『竜の鱗』を渡した。この中で一番体力が無いので、防御力が高く、軽い『水の法衣』と、自動で防御壁を張ってくれてペンダントの形になっている『竜の鱗』の防御専門型の方が良いと判断したからだ。先生は普段だらけてるように見えて、陸上部の顧問もやっているので体力的な心配はない。
最後にレイ。コイツはすばしっこいからな。『氷の短剣』と『ポイズンダガー』を渡した。防具は『鉄の胸当て』だ。ちょっと防御に不安が残るが‥‥まぁ、コイツなら大丈夫だろう。
「お、おいなんだよそれ!俺らにも寄越せよ!!」
俺に付いて来ると最初に言った二年が、何か喚いている。全く、さっき言っただろ?『解黒薬』以上の支援はしないって。
「俺が守りたいのはこの四人。おまえ等は同じ学校で一年過ごしたからっていう親切心で付いて来るか?って聞いたんだ。それ以上何かしてやる義理はない」
「な、なんだよそれ!!」
「イヤならついて来るな。‥‥‥おい、二ノ宮のクラスだった奴は前にこい。他は後ろだ。この順番は俺の中の優先順位だ。ちゃんと守れよ」
うーん、我ながらクズだなぁ。皆絶句してるよ。俺もそっちの立場だったらそうなるわぁ。
「出発は十五分後だ。それまで心の準備しとけ」
そう言い残してさっきいた体育館の隅っこに移動して、腰を下ろす。レイ達は残ると言っている奴らの説得に向かったようだ。まぁ、別にどっちでもいいけどな。さて‥‥‥
職業選択。先ずはメイン職業から。‥‥色々あるなぁ、戦士と騎士ってなにが違うんだ?おっ、魔法職もある。けどどれも普通だな?なんかこう、俺だけの特別な職業みたいなの‥‥‥あったよ。
限定英雄‥‥自分が助けたいと願った限られた人以外はどうでもいいという残酷な考え方を持つようになるが、恩恵が凄まじく、身体能力や魔力が倍になる。また、使用する魔法の魔力消費量が四分の一にまで減る。
ワォ、これよくね?どうでもいいって思ってるのは元からだから、実質代償無しじゃね?他の職業は代償が凄いからなぁ。よし、これにしよう。メイン職業決定!!次はサブ職業だけど‥‥なんかコッチも色々あるな。けど、基本はメイン職業の下位版か。代償がデカくなったりしてる。うーん‥‥これなんか良いかも?
召喚士‥‥使用する魔力によって強さや召喚される魔物が変わる。召喚してる間はその分の魔力が常時使われてる状態なので、召喚した魔物の魔力は使えなくなる。
ふむふむ、良いんじゃないか?俺魔法使えないし。‥‥いやいや、待つんだ俺よ。『限定英雄』になったらどこまで魔力が変わるのか分からないし、これは保留。もしくは、次のサブ職業を決める時に選ぶのもアリだろう。‥‥じゃあこれか?
魔物使い‥‥隷属させる魔物の首に主の魔力を押し当て、服従させる。レベルが自分より上だと効果が無い。また、隷属させてから主よりレベルが上になったとしても、隷属は解除される。
つまり、自分より強い奴には従うけど、少しでも弱かったら終わり。と‥‥これ、いいんじゃね?今からレベル1になるけど、これから上げればいいんだし、なにより手数が増えるのはいい!気に入った。これにしよう!!
メイン職業を『限定英雄』サブ職業を『魔物使い』に決定!!‥‥‥‥あれ?激痛なんて無いぞ?
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
時間差‥‥っ!!あの邪神野郎、マジで次会ったら絞める!!
「ちょ、ちょっとコウ君!?」
「だ、だい‥‥‥じょぶ‥‥‥‥‥がぁぁぁぁ!!‥‥‥十分で、終わる‥‥‥‥‥あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
痛い痛い痛い!!身体の中身が上書きされてる!!細胞一つ一つが変化していくのがわかる。これが十分!?ふざっけんな!!!
「お、おいコウ!!」
「コウさん!ど、どうするレイ君!?」
「まぁ落ち着きたまえ南。さっき櫻木は、十分で終わると言っていたのだ。十分待ってみよう。それ以上経ったら、なにか対策を考えるという方向で行こう」
このクソ教師っ!!少しは心配とかしやがれ!!!あぁくっそ、滅茶苦茶痛い!!今『黒化』した連中が来たら終わりだな‥‥
それからきっかり十分経つと、痛みが一瞬にして消えた。感覚的には十分どころじゃ無かったけどな。
「おっ、終わったのか?」
「このクソ教師ィ‥‥テメェ少しはレイ達みたく心配出来ないんですかねぇ?」
「君が十分と言ったんだ。なら信じて待つのが教師と言うものだ」
「本音は?」
「何をすればいいのか分からなかったし、めんどくさかった」
「斬り殺すぞこのクソ教師」
本当になんなんだよこの教師‥‥教師って呼んでいいのか?
「だから、教員免許は持っている」
「そういう事じゃねーって言ってんだろ」
‥‥‥くだらないやり取りはここら辺で終わりにしよう。さて、魔力量はどれくらいだ?‥‥‥‥えっ、300ってなに?