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陽気のふもとにダークブルー   作者: メロン農家
疑い。リクリエイト・ワールド
1/8

幻覚か虚構か、現実か。 序章?

 ゆっくりとした午後。お気楽に揺れる木々の影。心地よい春の風。コドモがお友達と元気にサッカー。


 久々に外に出た「私」という存在は。それら自然の営みから外れてしまった、まさに幽霊のようだった。走り回る子供の顔すらまともに見れない。通り過ぎる車を見るたびに背筋に何かが走る。

完全にリムーブされる前の、ゴミ箱フォルダメンバーズの会員のようだ。私はここにいてはいけない存在なのだ。


 など、長い引きこもり生活の後、近くの公園で長々とと自己憐憫に浸っているものの、何も変化は起きない。

 ただ、天気はいい。天気だけはね。


 哀れな存在にでもなれば、誰かが、何かが私を助けてくれるとでも思っているのだろうか。

一体、いつまで私はこうしている気なのだろう。

外に出ても。そういったくだらない思考を巡らすことしかできない。オアシスのルックバックなんたらを聞いても何も感じない。いや、何も感じたくない。


 思えば、幼少からこの浮遊感的疎外感を持った、自意識の塊である私は。

どのようにすれば「社会」と馴染めるのかと悩んでいた。

いっそのことグレてパツキンで成り上がってパーリーも悪くないとも思ったがそんな勇気などなかった。


 だからこそ私は「今、ここ」にいるのだ。中途半端なのだ。 


 完全に「群れ」から離れることもできないし、「一人」でいることもできないのだ。


 自分なりに、努力はしてきた。メインストリームには入らないものの、優秀で。スノビズム的な集団に入り、そこで「特別」になりメインストリームを笑うような存在になろうと。



 「特別」になれば群れに入らなくて済むと思った。エリート主義の中にいれば安心できると。


「群れ」が怖い故なのだ。自分は「特別」だと、どこか選ばれた存在だと思いたかった。


なぜなら群れが怖い。なぜなら孤独が怖い。誰にも理解されないような気がしてきた。


だからどこか「群れ」を見下してきた。自分に理解できないから。怖いから。


その結果「私」は一人だ。「自分」を完全に理解してくれる人などいないのに。逆もまたそうだろう。


なんと愚かなのだろう!今も他人を見るこの目は人を見下すそれそのものだ。


世の中に「特別」なんていうものはないのだ。ただそれに気づくのが怖いのだ。


いつまでこれを張り通していけるのだろう。アーティストにでもなろうか。カニエウエストのように!彼は今精神病院を出たらしいから。


確かに社会は完全じゃないかもしれない。だから自分も完全じゃないと思ってしまう。




 不完全な醜い社会や世界を見たときにふた通りの人間がいると思う。


自分も同じ醜いものだと信じ、そのように振る舞い、見て見ぬ振りができ、それが正しく賢いと思って生きる人間。


それも間違いだと信じ、見抜き、世界を変えようと最後まで闘争する聖人、ヒーローのような存在。


そしてもう一つ。社会や周りは自分だけは醜くないと信じて、周りを見下して、それらから逃げるようにこそこそ生きる人間。


私は最後だろう。聖人のようにも、ヒーローのようにも、醜くもなれない。独りよがりの。臆病で、逃げてばかりのクズだ。


こんな私は、ヒーローか、聖人にでも殺されるべきだ。悪の権化にでもなろうか!そして1と2をいたぶる特別な存在に!おおなぜかみなぎってきたうはは。薬が効いてきたのだろうか。アロパノールが!あの危険なヤク...!やるぜ..!うふふ ハハハハハ。


おお、なぜか全身に痛みが。これが自分の人生の意味を得た生きがいというやつなのか!何かみなぎってきては、抜けたような感覚が繰り返す。私はついに選ばれたのか!おお選ば.....


 意識がまっしろ。


 

 それから数日だが一時間だか3分だかたったか。

不可解極まりないが、今は自分でもよくわからないほどに理解力がある。


多分これは死んでいるのだ。ああ、よく、死んだ後、死んだのがわからないで体を探すだのいうが。


明らかにわかる。下に自分の体があるんだからね。その上自分の体を女が引っ張っているのだから!


ダメダメダメ!私はその彼女を呼び止めるというか、コミュ障パワーを出し切って近づくムーブを見せた。(これが限界...わかる?)


見せた。だけなのに!彼女は銃のような、ものWO!、ああ!よくあるゴーストバスター的なもの(やたら球状のタンクがついている)を出し始めた。


 彼女は迷わず、公務員のような手つきで、ただスイッチを押した。


なぜか心地よかった。ああ



 再び意識がまっしろ....






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