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私はここにいない

作者: naco


私はここにいない。

いつも私はそう思う。

そのくらい空虚な人間。

そのくらい不確かな立ち位置。

そのくらい必要とされていない。


必要としてくるのはお金のあるオトコだけ。

私はお金が欲しいんじゃなくて、必要なんだって思いたいだけ。



小さい頃。

自分で言うのも変だけど小学生までは普通に可愛い女の子。

男子からちやほやされたり、お友達も多いしその分敵も多かった。

その頃は人の目を気にしてた。と、思う。

人に嫌われるのが怖かった。

天狗にならないように、できるだけ陰の薄い女の子とつるんだり。

利用していた。


それで中学校に上がって、

3割ぐらいの人とはまた同じ。

私は中2の時初めて「H」をした。

正直どんなものかなんて覚えてない。

中3の先輩とだった。

その先輩は私の親友の彼氏。


酷いことをしたとは思ったが謝る気はなかった。

それは私の方が魅力があったってこと。

その頃から親友に嫌われて、

友達もいなくなって、

ただオトコと遊ぶ日々。

その先輩とはそれきりだけど。


同じクラスのオトコとだったり、

先輩だったり後輩だったり、

オジさんにお金をもらってするようになったのもその頃。


Hなんて全然気持ち良いものじゃない。

痛い時もあれば、ホントに何も思わないときだってある。

気持ちいいと思う方が少ない。


でも、そこでしてる。

だれかが私の名前を呼ぶ。

それだけで存在しているように感じる。


感じるだけ。

いつも違う名前を使ってるから違う名前で呼ばれたり、

人形と同じように扱う人もいる。

所詮セイヨクショリに使われてるだけ。


私はここにいない。


そんな風に見てきて

私は心から笑えなくなった。

心から泣けなくなった。

心から怒れなくなった。

心から後悔できなくなった。


そんな空虚な人間。


学校でもいつもいる友達もいなければハブられてもいない。

オトコからはすごく求められる。

全部には応えない。

だから嫌に思ってる人もたくさんいる。

いるのかいないのか分からない。


そんな不確かな立ち位置。


親からはもう呆れられている。

いろいろなオトコのとこ回って1週間帰ってこなくても連絡も来ない。

帰ってきてもご飯なんて用意されてない。

学校でも隣の人が教科書忘れても逆隣に見せてもらったり。

私じゃなくても良い。私なんていらない。


そんな必要とされてない人間。




そんな私のことを好きだと言うオトコがいた。

どうせ顔とか体目当てだと思ってデートして終わらせようとした。

でも他の人と違って何もしてこない。

映画を見てクレープを食べてただのデートをして家に帰った。

意味が分からなかった。

でもよく言う草食系男子ってやつだと思う。


でもそいつは

「君の笑顔は泣いてるよ。」

「心配になってしまう。」

「いろいろなオトコに裸を見せるのはやめよ?」

「普通の女の子に戻ろうよ。」

「君のホントの笑顔を見せてよ。」


そんな風に言ってきた。

吐き気しかしなかった。

フツウ?なにそれ。私にとってこれがフツウ。

あなたの価値観とか知らない。

なんであなたに強要されているの。

そこで私は一切の連絡を絶った。

声をかけられても誰?知らない。オトコなんていくらでもいるしいちいち覚えてない。

とかそんなことを言って突き放した。


そしてまた一人になる。


じつはこれが好きなのかもしれない。


私はここにいない。だから誰の声も心に届かない。

あるのは体だけ。

それでつながっていれば存在しているように感じる。

私はそれでいい。

早くにそうじゃなくなって死んでもいい。

それが私の人生。

胸は張れないけど後悔はしていない。



私はただここに体があるだけで、

心は過去に置いてきた。

取り戻すつもりはないし、取り戻せる人はいない。


私は孤独。

お金と体で人とつながっている。

俯瞰から見てる自分が「かわいそうな自分。」と思うような自分が好き。

何でかは知らない。

どこからか狂って、でも必要としてくれる人がいれば何だって良いの。



私はここにいない。


今もこれからも。



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