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事情

「また 帰りながらでも 話そうぜ」


純平と京太は軽く手を上げ 自分の席に着いた


そして 改めて話して 疑惑が自分の中では


深まっていったのだった・・・





学校からの帰り道 話題は勿論


あの少女の事だった


「だ〜か〜ら〜翔太は考え過ぎだって」


純平が肩を竦めて 呆れ顔で言った


「う〜ん やっぱ そうかな?」


「仮にお前の母ちゃんが あの少女を知ってた


として 翔太に隠す必要は 無いだろ?」


「そうだよな」


渋々俺が頷くと ずっと腕を組んだまま


黙って話を聞いていた 京太が口を開いた






「だけど もし あの少女の事を知っていて


言えない事情が あったとしたらどうする?」


京太の言葉に俺の体は ピクンと反応した


「俺に 言えない事情?例えば?」


「い 今から言うけど 二人共 笑うなよ」


「ああ 笑わない」


「大丈夫だ」


京太は 俺と純平の顔を代わる代わる見ると


「あの子 吸血鬼じゃね?・・・な〜んてね」


きっと笑われると思い 誤魔化す為に 語尾に


変な言葉を付けたのだろう


だけど俺と純平の反応は 逆だった


それは俺達も 同じ考えだったからだ・・・





そして 沈黙に耐え切れず 京太が口を開いた


「何黙ってんだよ まさか お前らも・・・」


「っていうか 屋敷に棺だぜ? 状況的に


考えられるとしたら それだろうな やっぱ」


純平がアッサリと言い放ち 間を置かずに


「まぁ でもさ このご時世に 吸血鬼も


無いだろうけど もし そうだとしたら……」


俺はハッと顔を上げた






「先に帰る!」


そして 俺は 家に向かって 走り出した


ヤバいよな 今 家には母さんとあの子だけ


もし母さんに何かしたら 絶対に許さない!


いや 俺の所為だ あの子を連れて帰ったから


くそ〜 どうか 無事で居てくれよ


息を切らしながら 俺は懸命に走った





そして家に着き 玄関の前で 立ち止まった


瞬間 額から汗が ドッと吹き出した


「ハァハァ」


額の汗を拭いながら 息を整えた


汗ばんだ手で ドアノブを握り 玄関を開けた


「ただいま〜」


だが 母の怠そうな声の 返事は無い


「母さん 居ないのか?」


廊下を歩くと 俺の足音がミシッと響き渡り


その度 俺の体は ビクッと反応して 鼓動が


ドクドクと高鳴る


「母さん?」





玄関からキッチン迄 距離にすれば 2〜3m位


それなのに とても遠く感じた・・・


何時もなら もう電気が点いてる筈の


キッチンなのに 今日に限って 薄暗く


とても 不気味な感じがした


まさか 母さんに 何かあったんじゃ……


俺はゴクリと息を飲み込むと ガラスの


引き戸に当てると 勢いよく開けたのでした



































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