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疑惑

それを見届けた俺は 夕食のカップ麺にお湯を


注いで三分待ったのでした・・・




カップ麺を 食べ終わった頃 母が戻って来た


「ねえ 母さん あの子さ・・・」


「あら ラーメン食べちゃったのね」


「あ うん お腹空いて我慢出来なくてね


そんな事より あの子さ」


「もう早く寝なさい 明日学校でしょ?」


「そうだけど・・・」


「明日母さんが 起こした時に 起きないと


放っとくわよ〜」


「分った 分った もう寝るから〜」


話をはぐらかされた俺は 半分不貞腐れて


部屋に戻った





そして ベッドに横たわり目を閉じたが


さっきの 少女に対する母の態度が気になり


俺は なかなか 寝付けなかった


それは 母が 少女の事を知っていて 俺に何か


隠している様に 思えたからだった・・・


いや いや あの子は今日俺達が屋敷に行って


家に連れて帰る迄 棺の中で ずっと居たんだ


だから 母さんが知ってる訳ないんだ


でも何故か 引っかかるんだよな




そんな風に考えていると 俺はいつの間にか


眠りに就いていたのだった・・・




翌朝 学校に着いて 教室に入った途端


純平と京太が バタバタと 駆け寄って来て


「翔太!今朝のニュース 見たか?」


「ギリまで寝てたから そんな余裕無いよ


朝から 何を慌ててるんだ?」


俺は 両腕を高らかに上げて 大アクビした


「昨日のあの屋敷が廃墟になって テレビに


映ってたんだよ!」





「な! マヂか!?」


驚き立ち尽くしてると 京太がボソッと呟いた


「昨日の女の子が 屋敷を出たからじゃ?」


「それは 無いだろう・・・」


だけど 何十年も前から 建っていた屋敷が


一晩で廃墟になるなんて 考えられない


京太の言う通り あの少女が屋敷を出た事で


まるで 屋敷が持ち主を失って 朽ち果てた


そんな感じがしないでもない





「ところで 翔太 あの子を家に連れて帰って


どうなった?」


「ああ 母さんは反対どころか 喜んでたな」


「やっぱ 翔太ん家で正解だったな」


「それなんだけどさ」


俺は昨夜の出来事を 二人に話して


母さんがあの子を知ってるんじゃないか


その疑問を問いかけてみた


すると純平が 眉を顰めながら


「それは考えすぎじゃね?」


それに対して 間髪入れず 京太が言った


「あの子は昨日屋敷で お札が貼られてる棺に


居て それを翔太が剥がしたから 棺から


出て来れたんだろ?」


「そ そうだよな・・・」


「だったら お前の母さんが 知ってる訳


無いって 純平の言う通り 考え過ぎたよ」


「やっぱ そうだよな」




その時 始業開始のベルが鳴り響いた


「また 帰りながらでも 話そうぜ」


純平と京太は軽く手を上げ 自分の席に着いた


そして 改めて話して 疑惑が自分の中では


深まっていったのだった・・・












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