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夕食

「ん?こ ここは 何処だ?」


少女が目を覚ましたのでした





目を覚ました少女が 俺の顔を見るや否や


「貴様はさっきの人間!何のつもりっ!」


「何のつもりって・・」そう言いかけた時


部屋の入口で 立っていた筈の母が


俺を押しのけて 少女の両腕を掴みながら


「まぁまぁまぁ!何っって綺麗な瞳の色!


それに銀の髪!いぃわぁ〜 いぃわよ〜!」


少女が言い寄ってくる 母に驚き


顔を仰け反りながら


「な な 何だ お前は!顔近い!顔!」




「俺の母だよ」


肩を竦めて 呆れ顔で俺が言うと


「何!じゃあお前こいつを何とかしろ!」


「ムリ ムリ そうなったら 諦めるしかない」


母は一向に 聞く耳持たぬと 言った感じで


「可愛いわょ〜 私は 貴女みたいな娘がね


ず〜っと 欲しかったのよね〜」


「分った 分ったから 少し離れろ〜!」


そして 「グゥ〜」と少女のお腹が鳴った





「あら⁈ お腹空いてるのね!丁度よかったわ


さあ 早く こっち来なさい」


母に引き摺られる様に 部屋から出て行った


「ど 何処に連れて行くつもりだっ⁈ 」


「ご飯に決まってるでしょ!」


「我は 人間の施し等 受けはせん!


それに我の食事は だな・・」


話をしてる少女に 母は 手招きをしながら


「ほら ほら こっち来て座りなさい」





「しかし・・・」


「ほら 早く座りなさい!」


母の迫力に負け 少女は渋々椅子に座った


「そ それじゃあ 頂くとする」


「遠慮せず 食べてね〜」


「しかし 我は こんなもの・より・・・」


ブツブツ言いながら 料理を口に運んだ


「どう? お口に合うかしら?」





「美味しい!美味しいぞ!」


突然立ち上がり叫ぶと 少女は食卓に並んでる


料理を 夢中で頬張り始めた


「よかったわ〜 さぁ食べて 食べて!」


母はそれをとても嬉しそうに眺めていた


今日は カップ麺に 決定だな・・・と


そう思った時 勢いよく動いていた 少女の


スプーンとフォークが ピタリと止まった





「どうしたの?遠慮しないでいいのよ?」


「見ず知らずの私に どうして食事を・・・」


「それは貴女が可愛いからよ〜」


「違う 違う それは貴女達が私の・・・」


少女の言葉を遮る様に 母が突然抱きしめると


「大丈夫よ 大丈夫だから安心していいのよ」


優しく赤子をあやす様に 少女の頭を撫でた


「だって だって私の父上と母上は〜・・・」


その後は涙で 声にはならなかった





そして暫くの間 泣きじゃくっていた少女は


いつの間にか母の腕の中で 眠りに就いていた


「きっと疲れてたのよ」


母は少女を抱きかかえて 部屋に運んだ





それを見届けた俺は 夕食のカップ麺にお湯を


注いで三分待ったのでした・・・





































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