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失踪

「そろそろ夜が明けるから 寝たいのだが」


「あ ゴメン邪魔して そ それじゃ」


俺は慌てて美亜の部屋から 飛び出して自分の


部屋に戻り 眠りに就いたのでした





それから 半年の月日が流れた頃には


美亜に対する 俺のわだかまりも無くなり


もう すっかり 家族の一員になっていた


そして これからも このままずっと一緒に


暮らせたらいいのにと 思う様になっていた


そう・・・ずっと 一緒に・・・




そんな ある夜 俺は夢に唸されて 目が覚めた


「ハァハァ 嫌な夢だったな」


額に滲んだ汗を手で拭い 時計に目をやると


夜中の三時を周っていた


「もう三時か!起きなきゃ!」


俺が 夜中に起きるのには 勿論 理由があった




それは 美亜が部屋のカーテンを 閉め切り


朝から夜まで ずっと寝ていて


夜中になってから 起き出すからだった


美亜は 何も言わないけど 陽の下で 一日が


始まる 生活が辛いのでは無いだろうか?


いくらカーテンを閉め切って 真っ暗にしても


棺の中の様には いかないだろう





俺の所為か 俺が棺を開けたから・・・


美亜の部屋の前で 佇んでいると


突然 ガチャリと 美亜の部屋の扉が開いた


「うわっ ビックリした!! 」


「何だ そこに居たのか 遅いから今日はもう


来ないのかと 思ったぞ」


その言葉に 勿論 深い意味等は 無いだろう


それは 重々 分っていた 分ってはいたが


俺が来るのを 待っていた様に 聞こえて


それが とても 嬉しく感じられた




「いや〜 つい 寝過ぎちゃってさ〜」


すると美亜が 寂しそうな目をして


「そうか そうだな 翔太は学校とやらに


行かねばならんのだ 朝早いんだし 無理して


私に合わせなくていいぞ」


「む 無理じゃないぞ それに 俺が美亜と


話をしたいから 勝手に起きてるんだよ」


俺の言葉に 驚いた顔をして


「そ そうか 翔太…」


そう言いかけて 美亜が突然立ち上がり


窓から身を乗り出すと ジッと外を睨んだ





「美亜? どうしたんだい?」


外を睨んだまま 美亜が 呟いた


「まさか 人狼か? まさかな……」


「じんろう? 何だ それは?」


そう問いかけた俺の顔の前を 美亜の手の平が


遮ったと思った瞬間 俺は気を失った・・・


その薄れ行く意識の中で 俺はハッキリ聞いた


「知らない方がいい それに翔太や叔母様を


巻き込む訳には いかない」・・・と





そして目を覚ますと 母が心配そうな顔で


俺の名前を 連呼していた


「お早う どうしたの?そんなに慌てて」


「どうしたのじゃないわよ いくら呼んでも


起きないし 美亜ちゃんも 見当たらないし」


「え?美亜が居ないの? まさか昨夜のが


何か関係してるのか?!」


「昨晩? まさか・・・ 翔太 美亜ちゃんを


襲ったのね! しかも無理やり!」


「何でそうなるんだ!違うよ!実はさ…」




昨夜の出来事を話し終えた時


母の真っ青な顔に 俺は驚いた


「母さん どうしたの?大丈夫?」


「美亜ちゃんは 確かに人狼って言ったの?」


「言ったけど それがどうかしたの?」


「そう 他には 何か言ってなかった?」


「俺達を 巻き込む訳にはいかないとか…」


「だからこの家から 出て行ったのね」


「出て行った?どうしてだよ!じんろうって


一体 何なんだよ?!」


すると 母が俺の両肩に手を乗せて 今までに


見た事のない 真剣な顔で喋り始めたのでした































































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