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一学期後半新聞 3ページ

『あーあー、トランシーバー聞こえてる?こちらA班圭介』

『はーい、B班スタンバイOKー』

『C班……異常無し』

『こちら、ゆい、妹寝ました』

『分かった、各自そのまま待機で、また連絡する』


対カツアゲ作戦!

〜用意するもの〜

・3000円・双眼鏡・トランシーバー・ビデオカメラ・デジカメ・録音機・睡眠薬(1人分)


〜目的〜

・今まで取られたお金を取り返す。


〜班分け〜

A班(司令塔)……圭介・賢人

B班(撮影)………明・相澤 美奈

C班(回収)………祐希・凛

囮役………………ゆい


ー作戦実行ー


「あ、あのー」

「うん、似合ってるよ美奈ちゃん!」

「なんで全身迷彩柄なんですか?」

「そりゃー敵に見つかりにくくするためだよ、美奈ちゃんがビデオカメラ撮影するんだから!」

「なんで私が撮影がかりなんですか?」

「さあ、影が薄いからじゃないかなー?でも大丈夫、明も写真撮るよー」


「異常無しってなんだ凛?スタンバイOKですだろ!」

「どっちでも変わんないでしょ!祐希、お前の健康を異常ありにしてやろうか……」

「やれるものならやってみろよ!このチビ!」

「お前が言うな……男のくせにドチビ……」


「圭介、俺もっと派手な作戦が良かったわ」

「……うん」

「いやー、でもトランシーバーはカンニングの為に考えたのが生かされてんねんから、どう転ぶかわからんもんやなー」

「……そうだな」

「おい、賢人?」

「なに?」

「お前、果たしてこの作戦で良かったんか、もっといい手がいくらでもあったんちゃうか?そもそも俺が司令塔になってよかっんかな?……なんておもってんのやろ?」

正直、不安だった。作戦が失敗する事も勿論の事だが、もっと不安だったのは……

「いや、別に……思ってないけど?」

「作戦はともかくとして、班分けはいいと思うで?1人でやれるって豪語しとった凛に駄目押しで連携の取れそうな祐希を付け、いつもあんま喋らんで心配性な相澤に怖いもの知らずでコミュニケーション能力のある明を付けたんもな……」

「いや、だから思って無いって」

「いや分かるで、お前何かずっと最悪なパターンばっか考えてるやん?そんで、1人で暴走しそうな俺を見張るべく機械の調整とか何とかいって自分が見張るって考えもな」

「気づいてたか……」

「お前に足らんのは……」

そこから先は聞こえなかった。いや、聞いてる余裕が無かった。俺の頭の中はこの状況を打破すべくフル回転していた。

「おい圭介、下見ろ!やばいんちゃうか?」

「15……か、3、4人だと思ってたんだが」

「まあ、凛と祐希やったらギリギリいけるんちゃうか?

「今日は諦める」

先輩でしかも全員男ってのは諦めるしか無い。

俺はトランシーバーを手に取り、今の状況を告げ、はっきりと言った。


『作戦中止』

『こちらC班……15ならギリギリいける……だから作戦続行でよろしく……』

俺が怖いのは、俺が考えた作戦で誰かが怪我をする事……ギリギリならやめるべき。

『駄目!相手にばれない様に一旦ホテルの屋上に上がって来い!』


「賢人、もうちょい凛達を信頼したらどうや?あいつらはお前を信頼してるからお前が考えたこの作戦に参加したし、皆文句の1つも出さんかった」

「お前以外はな……」

「それに……」

「賢人、もういい!」

「皆移動を始めてんで?」


!?……いや、何に驚いているんだ?俺が司令塔で撤退の命令を出したのも俺。上がって来た皆に今の状況の危険さを伝え、また次の機会を待つ……それでいい。今回は諦める。


「賢人、皆は信じて上がって来ると思うで、作戦変更を……」

俺は……俺が止めても、皆が勝手に動くと思っていた。だから素直に上がって来るのに驚いたのかもしれない。俺は止めたのだから責任は勝手に動いた各自のものであり、心の奥底で俺は関係ないという責任逃れを期待していたのか?

「賢人、俺はどうしたらいい……」

「うわっ!ガチな方で!?そんな目で見んなや……まあ、祐希にプレゼントがあんねんけど、まだ試作品やけど渡そか?」

「物による、邪魔な物なら要らない」

「名ずけて、TRZOや。まあ、長さ20センチの円柱やけど、ここに上下に動くレバーと1〜5までの番号が書いてあるやろ?これを2に合わせると……伸びる!」

「ふーん……で!?」

「3・4・5の順に合わせていけばばさらに伸びる!シンプルいずベスト精神で作ったから以上。強度は保証する」

「えっと……それで殴るの?」

「モチのロンやろ?それに祐希は剣道を少しかじってるからいけるんちゃう。まあ、どっちにしてもどうするかはお前が考えろや」

「2人じゃ駄目だ……」

「ほな、俺からは何も言わん」



「揃った?それじゃあ作戦変更を伝える」

「え、なんだ、明すっかり撤退するかと思ってたよ。やるんだね」

「お前ら賢人侮るなよ?任務達成にはいかなる犠牲も問わない、15人に喧嘩売れなんてまさに鬼の様な……」

「黙れ祐希……」

皆心の中では分かってるで、圭介。さて、聞かして貰おか……

「まずは賢人、TRZOを祐希に渡せ」

「ああ、あれ?つりざお(TuRiZaO)でええで」

「うん、突っ込んでる余裕無いから次!明はC班に移れ、お前も凛らには劣るけど大概いけそう」

「りょーかーい!2人共援護はよろしくー」

「賢人はB班に動く!C班、脅しだけじゃなく相手が襲いかかってきたらって来たら容赦なく殴れ、それと……信頼してる、以上!」


「配置に付きましょう賢人さん」

相澤、ホンマに影薄いわ、おったか?

「な、なんですか?」

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