一学期後半新聞1ページ
「よーし!今日は圭介の家で勉強会な!」
「学習しろお前ら……祐希の家での勉強会も大失敗してただろうが」
「いやいや、祐希の作ったチーズケーキはマジうまかったで!?」
「だよねー、祐ちゃんってーほんっと女子力高い、ってかあたしより料理うまいよねー」
俺はため息一つ、結局やるのね勉強会……
「ハイみんな、勉強いったんやめろ!」
また賢人か、まあ慣れたけども
「もうすぐ夏休みやな、凛!」
「その前に期末テストよ……」
「高1の夏は遊びたいな、明!」
「だねー、宿題なんて物、あって無いようなもんだよねー」
「やれよ……宿題は」
「と、いうわけや!夏休みの予定決めるぞー!何か異論あるか!」
「勉強会はどうすんだ?」
「お前らエンジェルフォールから突き落とすぞ……」
凛が怒ってる
「特に無いみたいだな」
「祐希、お前火ぃ付けて琵琶湖に投げ捨てるぞ……」
あ、火はちゃんと消してあげるんだ。後、俺の部屋で暴れるのはやめてくれ。
まあ、当然のように勉強会は夏休みの予定を決める会へと脱線してしまった。
「俺のばあちゃんが田舎の山奥に別荘を持ってて、泊まりに来てもいいって」
「流石祐ちゃんだねー、いいじゃん山!」
「そやなー、川とかもあるんやろ!?釣りでもするか!」
……え!?テスト?ああー、どうするんだろうね?俺には検討もつかないや
まあ、グダグダしていても時間は流れる訳でして、気がつけばテスト当日でした……っていうパターン。気のせいであって欲しいのだが、新聞部の奴らが耳に絆創膏を付けているような気がするんだけど……?俺のシャーペンが何時の間にか変わっているような気がするのも、きっと見間違いですね……
さて、テストも無事?に終わり、俺は馬鹿どもにカンニングは二度としないと誓わせた後、今話題になっている噂の調査をする事になった。噂といっても、そんなに凄いものでもなく……
「まずは男子を除くから163人やな!」
「後は消去法でないと思われる人を消していけばいいんだねー」
「なんかすごく申し訳ない気持ちになるわね……」
「凛に同意」
どんな噂かというと、数名の男子が一年の廊下でかなり可愛い子とぶつかったらしいがその後どれだけ探しても見つからないというものだ。
「明のクラスはねー、ずば抜けて可愛い子はいないかなー」
「待て、いきなり可愛い子を探すのは難しいから凛みたいな中の下から消していこう!」
「祐希?あたしは今の発言を宣戦布告ととるぞ?」
でも、こうして一年の名前を見てると自分のクラスメイトなのに知らない名前とかあるな……例えば
「相澤・美奈……って?出席番号1番の人がわかんねぇ!」
「圭ちゃんが忘れるなんて、よっぽど影薄いんだろーねー、えーっと……誰さんだっけ?」
「個人的にクラスメイトの名前が分からないのは申し訳ないな。2ヶ月もすれば大体覚えるんだけどな?」
「まあ、分からん人は今は置いといて絞りこもか」
「賢人、他に何か情報とかないの?」
「ロングヘアーで赤縁メガネやで!」
「うーん、厳しいな、情報少なくない?まあ、もう少し情報集めてからまた話し合おうか。」
あれ?さっきの名前なんていったっけ?出席番号1番だから……まあ、いいか。
「はい?カツアゲ?」
そう、1年の間で先輩からのカツアゲが発生している。
「で!?くそ真面目なお前はカツアゲ犯を捕まえようってことかいな?」
真面目っていうか、ほっとけないだろ?
「先輩を敵にまわすってことだよねー。面白そーじゃん!」
「でも、本人がそのままでいいと思ってるから、犯人が出ないんだよね?その均衡をあたし達がブチ壊していいの?」
確かに……下手に動くとダメなのかもしれない。
「今のところ、俺らが把握しているのは1件だけ……それに、取られた生徒もお金を貸しただけと言い張ってるし、これも保留だな。だから今日は夏休みの予定の最終確認でもしようか!」
「いいねー、祐ちゃん。別荘って何処にあるの?」
「和歌山県の山の中……」
遠っ!近畿まで行くのか?
「3泊4日でいいな?」
「結構本格的な旅行になりそうね……」