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8.コンテスト

                 ※ ※ ※


エマは、ミザリーが帰ってきたその日から、中断していた習い事を再開させられ、翌朝からは、容赦なく学校へ送り出されました。


体の具合はまだ戻らず、心も沈んでいましたが――


(ミザリーと一緒にいるよりは……)


と、自分を励まして屋敷を出ました。


学校に着くと、できるだけ明るく振舞いました。

クラスの子達も、先生から事情を聞かされていたので、いつもより優しく接しようとしていました。

けれども多くの子は、どう声をかければよいのか分からず、遠くからそっとエマの様子をうかがっているだけでした。


                 ※ ※ ※


それから間もなくして、エマが毎年出展している絵のコンテストの日時が決まりました。

エマが以前優勝し、『チビッ子画家』と持てはやされるようになった、あのコンテストです。


楽しみにしていたコンテストなのに、エマはもう絵なんて描きたくありませんでした。


「コンテストには、出したくありません」


エマは、ためらいながら先生に訴えました。


先生は、ミザリーに相談しました。


「奥様、エマはとても今、よい絵が描ける状態ではありません。残念ですが、今年は出展を見送った方がよろしいかと思います」


「何言ってるの、絵の一枚や二枚、しっかり描かせなさい! 出さなかったら、私が悪く言われるかもしれないじゃない!」


こうしてエマは、その年もコンテストに出展することになりました。

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