23.絵の秘密
※ ※ ※
次の日、目を覚ました王様は、家来を呼ぶと朝いちばんで次のことを命じました。
「この絵はいったい誰が描いたのか、ただちに調べさせろ!」
その日のお昼過ぎになって、家来が王様の元に戻ってきました。
「王様、分かりました……」
作者が突き止められたのです。
なんと、エマに絵を教えていたあの先生だったのです。
王様はすぐに、先生を呼びに行かせました。
先生は瞬く間に、お城にやってきました。
王様は、部屋から家来をすべて退けると、花の絵について問いただしました。
すると絵は、昔エマがコンテストに出展した、あの自画像を塗りつぶした上に描かれていたことが分かったのです。
絵はしばらく警察の壁に掛けられていましたが、その後、先生が引取らされたそうなのです。
でももう、王様はそのことを知っていました。
それが、本当のことだと確かめたかったのです。
王様はただちに、憲兵隊と家来数人を引き連れて、エマが住んでいた屋敷に向かいました。
そうなのです――昨夜、絵の中のエマから、すべてを聞いていたのです。
先生に会うまで王様は、昨夜聞いた話をなかなか信じることができませんでした。
それなのに、心の隅では、きっと本当だろうと思っていました。
それが、確信に変わったのです。




