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《1》
目玉も動かせなくなって・・・
焦点の合わない同じ天井の明暗が移り変わり
・・・
気が付いたら
・・・俺・・・
息をしていない
いつも見つめているだけの天井が
近ずいて来る?
急に視野の焦点が合った瞬間
・・・!!!???
天井が落ちてくるっ!
動かない身体に天井が叩き付けられた瞬間
それが全くの思い違いだったことに気が付いた
全く感覚のないまま天井は身体を突き抜けて・・・
そうではなかった
俺の身体が天井を突き抜けたのだ
いくつかの似たような天井を突き抜けて真っ暗な闇の次に見えたのは
空だった
見えているのは薄い筋雲と晴天の青
頭の中で思い浮かべ想定される風や外気は感じ取る事は出来ず
正面にある太陽と思われる大きな光の塊は全く眩しくはない
俺の知識によればこの後は成層圏を抜けて宇宙に達するんだろうなぁと思ったのだが・・・