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7 自分の手の届く範囲で人助けをしている【普通】の俺。

イヤイヤそんな訳ないでしょう!とツッコミたくなるが、渡されたお茶が本当に美味しかったので・・「本当だ!水が違うのですね」と感心する俺。


「私の故郷【亜蔵布】は硫黄温泉なので、水はダムから引いているんですよ。それでも内陸部では美味しい方なのですが、ここは格別ですね!」なんか『水が旨いから生き残った』という話に納得してしまう俺だった。


若い女性には【お菓子】【クッキー】【女性週刊誌】を渡し、若い男性には【エロ雑誌】を中心に茶袋に入れて渡す。特に喜ばれたのは【コンドーム】だったことは言うまでもない。


俺はみんなに「温川地区の人100名が、洞穴に避難している。こちらに来ても大丈夫か?」と聞くと・・「野菜や川魚しか無いが、温川町の山側の住民は皆【戸隠】地区に避難して来たが、30名程度しか残らなかった。昭和の頃には300名程度が生活していた村なので、150名程度であれば、何百年でも維持して行くことは可能だ」と、頼もしい答えが返ってきたのだった。


アシスト付きとはいえ、自転車で坂道を何キロも登った俺は・・「限界なので、1泊させて」とお願いして、空いている家を貸してもらった。


夜にはもちろん・・「勇者様!夜伽にまいりました」などという事は無かったが・・


それでも人の役に立つことは、何だか嬉しいものだった。


翌日、坂道を登って行くと、バリケード設置されており「お疲れ!」「気を抜かないで!」と見張りに励まされながら~更に山奥の地区に【回収】に向かうのだった。


N県から抜け道の広域農業道路が走っており、鶴亀市に通じるのだが・・今回は【商店】を中心にした【回収の旅】であり、自転車で登り下りするので、楽では無かった。


「ほう。直売所があるが・・食品は無いな・・【100リットル灯油タンク】が数個回収できたが、薪ストーブで今後何百年の生きて行くであろう戸隠地区には、かえって邪魔になるだけだと思い【俺の空間】に入れて置こう」


「ここにはATMが無いのだな。食糧とカセットボンベを中心に・・お!エロ本発見」やっている事は泥棒なのだが、避難民のためなのだ!決して怪しいものではない。勇者がアイテムを回収するのと同じなのだ!本にも書いてあったし・・」と、自分をポジティブにとらえる俺だった。


++++それからどうした++++

X‐ⅮAYから【1か月】が経っていた・・<キイコ~キイコ【収納】> <キイコ~キイコ【収納】>というアシスト自転車を操りながらの【回収作業】が俺の仕事のようになっていた。


「スキルを人に話すのも考えものだな・・ご遺体回収・・動物回収!」・・以下同じ


俺は日課のように【山道パトロール】をしていた。


回収しても何処からか?ゾンビ?がやって来ては人を襲うのだ。


最初は<狩猟用マチェット貸すから、ゾンビの首を落として回ってくれないか>等と懇願されたのだが、俺はしがない【ホテルマン】であり【ポリスマン】でもなければ【ソルジャー】【ファイアマン】でも無い。


「すまないが、そう言う荒事が苦手なんだ・・」と謝罪すると、誰も無理は言わなかった。


俺は貴重な食料・娯楽の【調達員】でもあるからだ。


最近になって【死んだゾンビは腐敗しない】ことが分かったそうだ。


「バラバラにしても腐らないよ」と言う話だったが、何をどうしたのだろうか?


腐らないモノは埋めるわけにもいかないので・・<漁港から海に捨ててくれないか>

と頼まれたのだ・・また「ゾンビの食べ残し(人間)も出来れば回収して欲しい」とも。


++++それからどうした+++


温川地区の範囲は【浜温川】【温泉街】【山岳部】の3つに分かれており・・

〇海沿いの【酷道777号】に沿った村

〇山沿いの険道に沿った村

〇ごちゃごちゃした温泉街

を一人でパトロールしては【ゾンビ&食べ残し】を探し回り【収納】していた俺だが、過疎化が進んでいるとは言え・・村人が討伐したゾンビ?や食べ残しが1000体?路上に転がっているのは正直参った。


ゾンビ?はグルメなのか知らんが、【腐敗した死体】については口を付けず、ひたすら道路を【下って行く】だけだった。


「ゾンビ?は低い方に向かうのだな・・」俺は、情報を入手したら避難民にも共有していたのだ。



「どうせ誰も見ていないのだから【収納】しておけ」と、面倒になった俺は【1000体】?位のゾンビ死体&食べ残しを収納し、時間が出来たら猫ヶ関漁港にでも捨てるつもりでいたのだ。


++++それからどうした++++


Xデイから【2カ月】経ち、12月になった・・意外に雪が降らなかったので、ご遺体の回収もはかどった。


下って来るゾンビの数も減り、食糧や燃料の他に娯楽用品も避難民に行き渡ったので、俺は「山岡市にある実家の温泉はどうなった?」と、心配になって来たのだった。


ちなみに・・ダンジョンの安全地帯にいた避難民達は、山奥の集落である戸隠地区や関山地区、桃山地区などの親族を頼って避難し、世の中の様子を見ていたのだ。


俺は「余裕が出来たので、ダンジョンでレベル上げ?と行こうか」と思い、久々に「ステータス!」と言うと<ブーン>と言う音と共に半透明画面が現れた・・



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