表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/8

1 俺は若き温泉旅館マネージャーにしてカリスマユーチューバー

ここはY県の内陸部に位置する【亜蔵布温泉】のホテルである。

俺の家は温泉街から少し下った【全郷地区】にあり代々宿坊を営んでいたのだが・・

【温泉ブーム】のおかげで亜蔵布温泉に国外・国内から宿泊客が押し寄せてきており、両親は宿坊を一旦閉めてホテルの手伝いをしているのだった。


そして俺が5歳の時だった・・<ドドドドドドドドド>と言う大きな音・振動が温泉場を襲い、子供達は<ヒャッハー!来たぞ世紀末>と興奮していたのだ。


「和道!探検に行くぞ!」と、俺を悪の道に誘うのは、当ホテルの【御曹司】である10歳の少年だった。


「兄ちゃん。だめだよ!危ないよ・・」と、お利口さんの俺は後先考えない行動派の御曹司を止めようとしたが<ヒャッハー>等と叫び我を忘れてしまった少年を一人にする訳にも行かず俺は、御曹司が一人で行ってもロクな事にならないと思い付いて行ったのだった。


<ギギギ>「小鬼?やっぱり【餓鬼】が出たか!やっつけるぞ!」・・


<ボコ!ボコ> と俺と御曹司は、バットでゴブリン?をボコボコにすると・・


<ピコン!ジ・アースでの初討伐によりボーナスが付与されます!>と言うアナウンスが何処からか聞こえ・・<ブーン>という音と共に【プラズマテレビ(平成時代です)】のような画面が表示されたのだった。

++++ステータス+++++

NAME:井上和道

AGE:7歳

RACE:ヒューマン

JOB:NINJA

LVレベル:1(成人平均30)

アビリティ:【走法F】【体術F】【泳法F】【刀法F】【盾術F】

MP(魔力):1(成人平均30) 新規付与!

HP(体力):5(成人平均30)

AGI(回避):4(成人平均30)

STR(攻撃力):5(成人平均30)

VIT(耐性):5(成人平均30)

INT(知性、並列思考):10(成人平均30)

MNP(精神力):11(成人平均30)

状態:健康

スキル:なし

ギフト:【隠密F】

++++++++++++++++

「和道!何か・・変な文字が出て来たぞ!」「うん。ギフトをくれるんだって!」


<ピコン!消えてしまいたい・・透明になりたい・・と願うあなたには隠密スキルが最適です!>と、余計な気遣いをされた。


御曹司は「俺は【鑑定】だな。父さん母さんから『人を見る目を養いなさい』と言われているからな!」と言いながらキラキラした瞳で中空を眺めていたのだった。


そして・・<おい!子供が居るぞ!> <崖が崩れるぞ!早く出て来い>


ヘルメットを被った消防団の大人が大勢【洞穴】にやって来て、トタンで入り口を塞いだのである。


<坊ちゃん!そんな泥だらけになって・・> <和道!お前が付いていながら・・>俺と御曹司が家に居ない事を知った両親も駆けつけた。


結果、俺は【こってりと】両親に怒られたが、御曹司は心配してもらっている。


<なんだい!御曹司だけ心配してさ!そんなにホテルの跡取りが大事ならば養子にでもしてみろ!ってんだ>


ここまで説明して【賢明な読者】様ならばシチュエーションを既に理解していることだろう。


ホテルの御曹司である10歳の男子は現在【孤独】な状態であり、分家の親戚にあたる両親が親代わりとなって世話をしているのだった。


「いくら御曹司の両親が事故で死んでしまったからとは言え、5歳の俺に面倒を見ろは無いだろう!向こうはおれより5歳年上なんだぞ!」と、両親の愛情の先が俺では無いことに不満を持っていたのだ。


++++それからどうした++++

・・・俺は【大学生】になった。


え?展開が急すぎるって・・いいのだ!本題は【ゾンビ出現】が始まる10年後なのだ。


御曹司が東京の【文系大学】に行った事により、俺はホテル経営のノウハウを学ぶべく私立【桜蘭田学園大学】の観光ビジネス科に通わせてもらうことになる。


「ハイ!今緊急で動画を回しています」・・俺は大学生になり、何気に流行っていたという理由から【ユーチューバー】を始めた。


「ハイ!飲酒運転の現行犯をしている方がおりますね。アップしておきます」と本当は極秘にすべき【隠密】スキルを活かした【暴露系ユーチューバー】と、犯罪を暴く動画を投稿しバズり!人気がブレイクしたのだった。


<表彰状!井上食道様(身の安全のためペンネーム)>・・俺はその後も「放火犯を捕まえてみた」とか「談合を暴いてみた」とか、普通は絶対に警戒される場面を撮影してはアップする~という活動でバズって・・<登録者1000万人おめでとう!ヒ〇キンさんから盾を授与・・>結構な人気者になっていたのだ。


「井上さん!大学卒業後は警察に入りませんか」「イヤイヤ!自衛隊に」


リクルートに来るのは【公安】系だったが・・「すいません。荒事はダメなのです」


20代になると、自分の性格が大体わかるものだ。俺は気が弱いので警察・消防・自衛隊は絶対に無理だと理解している。


結局、地元に戻ってホテルに就職した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ