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13 ラストです~そしてすべては「カニになる」

「俺は井上和道です。ホテルの御曹司に伝えて下さい。武器や食糧を持って来ています」と、告げると・・


<リーダーの知り合い?> という声が聞こえ・・<待っていろ!リーダーの指示を仰ぐ>と言って、外国人風の男が旅館の方に走って行いった。


10分程すると<ブロロロ>と、無駄に音の高い外車に乗った2人が俺に近づいて来た。


「お前ゾンビじゃあ無いだろうな!」と言う若い男は【御曹司】である。


「和道君!大丈夫だった・・元気そうで良かった」と言う姉の様な事を言うのは、俺が片思いしていたアナウンサーである。


御曹司は・・「お父さんとお母さんは元気だ。でも君が感染していないとも限らない。僕はリーダーとして、コミュニティの安全を守る責任があるのだ」と告げる。


御曹司は更に・・「ゾンビ共はどうした?下は安全なのか・・」と聞く。


俺は「高速道路は比較的安全だった。今日は両親の安否を確認したかっただけだ。もう帰るよ。暗くなるとゾンビが活発になるしね」と、ぶっきらぼうに答える。


御曹司は・・「仲間に『食料が有るか聞いてこい』とでも命令されたのだろうが、こっちもギリギリなんでね。他を当たれと伝えてくれ。そうでないと・・」


御曹司は車から【散弾銃】を取り出して<ガチャリ>と俺に向けて構えたのだった・・そして「ハハハ。ゾンビだらけの世界で轟音を出すほど俺も馬鹿じゃないさ!」と軽口を言う。


「ああ、分かった。他を当たるよ」と言い、最後にもう一度彼女の方を見たが・・御曹司の顔を心配そうに見ていたのだった。


「まあ両親の安否が知れて良かったよ」<パン!>と頬を両手で叩き・・「よーし!心配事は全て無くなった。ドンドン【回収】するぞ!」と、やせ我慢をする俺!


村上さんは「私達が身体検査される事を考えてくれたのですね」と言い。


山上君は「ニセゾンビだとバレても、毒は出さないですよ!」と言う。


俺は「結局、モールの人も温泉の人も物資を受け取るよりも【排除】する方を選んだのだなあ」と、話を逸らす俺だった。


++++それからどうした+++++

山岡市にも【IZONモール】があり、同じ様に生存者が集まっていた。


が、対応も同じだった・・「食糧は渡さない!」帰りは酷道333号を通って【天神市】を通り、パチンコ店から【パチンコ玉】を回収して~グルリと日本海に向かうつもりだったが・・「「身体が・・水を・・」」と言う2名が川を見つけると<ドブン>と入って・・


暫くすると平気な顔で<バシャ>と出て来る毎日になっていたのだ。


そうこうしている内に・・ゾンビだったモノが動きを止め<バタリ> <バタリ>と倒れて動かなくなった。


山上君は「ゾンビだって何かを【食べて】エネルギーに変えないと、死んでしまいますよねえ・・あ~あ・・」と眠そうになる。


村上さんは「ゾンビが【消えた】世界になれば・・自分達はどうなる?のでしょう」と、不安を抱えていたのだが・・・


ある日【汚点温泉】に宿泊していた時だった・・俺が山上君の姿が見えないので、村上さんに聞いた所・・「ここです」と言って、外套を脱ぐと・・<グウ~グウ>と、いびきをかいて山上君が寝ていたのだった・・村上さんの【胸の中】で。


文字通りである・・下半身が村上さんと一体化してしまい、顔と上半身の一部だけが村上さんの胸にレリーフの様に浮き出ていたのだ。


俺は間抜けにも「どうしたの?」と聞いてしまうが・・村上さんは「繫殖期だと思います」と言いながら、眠る山上君の頭を愛おしいそうに撫でると・・


「もうお別れしなければいけません」と言うと・・<ドボン>と、温泉の横を流れる一級河川【藻下川】に飛び込んだのだ。


暫く川の流れを見ていた俺は・・「夢でも見ていたのだろうか・・」と言うと<ギギギ・・>と、ゾンビが反応してキョロキョロするのを見て【現実】だと思い起こす。


そうして俺は、その後も<ギュ ギュ>と、雪を踏みしめながら【古城市】を西に進み~【羽根白山】を越えて~鶴亀市に入り・・人気の無い市街地を歩き・・思い出した様に【四川IZONモール】を訪ねたが、金属鎖は外されておりモールは無人であった。


「無事に山奥の農村をめざしたのだろう・・」と、俺は期待しない声をだす。


やがて数カ月ぶりに【戸隠村】に戻ると・・検問所は無くなっており・・


<オギャア> <キャッキャ>と言う子供らの元気な声が聞こえた。


「え?井上さん・・どうしたんですか?そんなに【色白】になっちゃって・・」


俺が「ああ・・これはね!ゾンビに嚙まれちゃって」と言うと<ガチャリ>と銃を向ける村人たち。


「情報共有したくて来たのだが・・」と言うも <帰ってくれ!> <撃たせないで下さい>と顔見知りに懇願され、俺はフラフラと村を出て・・温川に向かって下る。


<もう一度検問開始だ> <まだゾンビ危機は去っていないぞ>


俺はただ・・伝えたかったのだ・・ゾンビなんて【存在しない】と。


理由は不明だが、感染者は【甲殻類】に変わってしまう・・


繁殖期にはメスがオスを【吸収】する・・


感染して【人間】を食べてしまった者は【ゾンビ化】し・・やがて死亡する。


「ああ海だ・・」俺は安堵し・・<ドボン>と海に飛び込む・・


<ブクブク>お尻から突きだした【何か】から二酸化炭素が湧き出る・・


もう心臓の音も聞こえない・・<ギギギ>と外骨格が呼吸し・・体液を循環させている・・

<あなた・・>と、ふいに女性の声が聞こえた・・彼女は俺を優しく抱き留め・・一体化する。


「すごく眠い・・おやすみなさい」俺はどうなるのだろう?そんな事を忘れるくらい【安堵】の気持ちが俺の中に広がっていた。


オヤスミナサイ・ジンルイノ・・ミナサン。


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