表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

1の2



 ヒューリが聞いた。



「あんた、この世界に来て何日目なんだ?」


「まだ二日目だよ」


「じゃあ、あたしと同じようなもんだな。あたしは今日が初めてだから。あんた、このゲームについて詳しいのか?」


「詳しくは無いな。だけど、前前世が人間だったから。VRMMOについてはそれなりに知識がある」


「ふーん、じゃあ教えてくれ。あたしたちはこれからどうすればいいんだ?」


「えっと、それはだな」



 顎に右手を当てて考える。俺たちは一体どうすればいいのだろう? 当てずっぽうで言った。



「ゲームをクリアすれば良いんじゃないか?」


「ふーん。ゲームクリアって、どうやるんだ?」


「最後のボスを倒せば良いと思うぞ?」


「ふんふん、じゃあ倒しに行こうか。最後のボスって奴はどこにいるんだ?」



 ため息をついた。俺のレベルは1である。ヒューリも変わらないだろう。だったら、まずはレベル上げをするしかない。だけど武器がない。

 俺は聞いた。



「最後のボスにはまだ勝てないな。それよりヒューリのジョブとサブジョブを教えてくれ」


「ジョブとサブジョブ? 何だそれ?」


「ステータス画面から見れるんだ」


「ステータス画面? どうやって見るんだ?」



 俺は右手を軽く上げて、ステータスオープンとつぶやいた。目の前に半透明の青いボードが出現する。



 ヒューリもマネして同じようにステータス画面を開いた。



 彼女の横に並び、ステータスのジョブ欄を開いてもらう。どうやら彼女のジョブは風であり、サブジョブは魔法使いのようだ。スキルは突風とヒールを覚えている。

 彼女は言った。



「何だこれ。突風と、ヒールって? あたしが使えるのか?」


「ああ、ヒューリの持っているスキルだ」


「ふーん。強いのかなあこれ」


「とりあえず、ヒューリはサブジョブが魔法使いみたいだから。魔法のようなスキルを使えるみたいだな」


「ふーん。で?」


「で? って何だ?」


「どうすれば良いんだ? あたしたちは」


「とりあえず、レベル上げをしよう。最後のボスを倒せるように、強くなるんだ」


「ふーん。まあ分かったよ。じゃあレベル上げをするか。どうやったらレベルが上がるんだ?」


「そこから説明しないといけないのか」



 苦笑した。彼女はゲームについて何も分からないらしい。あれやこれやと、色々教えていかないといけないようだ。



 ヒューリにステータスのアイテム欄を表示させると、持ち金はゼロのようだった。



「とりあえず、狩りに行こう」


「狩り? 狩りって、何か倒すのか?」


「ああ、村の外にモンスターがいるから、一緒に狩ろう」


「狩ろうって言っても、あんたもあたしも、武器なんて持ってないぞ?」


「……素手とスキルで狩るしかないな」



 昨日は、宿屋代や食事代を稼ぐために素手で狩りをしたのだった。



「ふーん、じゃあまあ、行くか」


「ああ、行こう」



 俺たちは道具屋を出て歩き出す。肩を並べると、通りがかるプレイヤーの視線がヒューリに集中していた。彼女の顔は秀麗であり、男なら振り返ってヒューリを眺める。そんな彼女と肩を並べるのは鼻が高い気分だった。



 ふと、遠くの方で悲鳴が響いた。



「何だ?」


「ヒューリ、引き返すぞ!」



 やばい!

 向こうで、悪いプレイヤーによる初心者狩り始まっている。

 俺は彼女の腕を掴んで引き返して歩いた。



「おおい! 助けに行かなくていいのか?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 早くも主人公達にピンチが!?(゜□゜)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ