2話 星のあいだのレストラン
ブラックホールから少しはなれた星と星のあいだ。
そこに、いっけんのすてきなレストランがあります。
でも、あれれ?
まわりをぐるっと見たけれど、見つけることができません。
レストランはうちゅうのきりにかくれているからです。
うちゅうのきりはガスやちりでできています。
星と星あいだはこのきりがいつもふわふわ。
これじゃあ、レストランが見つかりません。
でも、だいじょうぶ。
お店がひらくとあらふしぎ。
とうめいの丸いまどから星のランプがきらきらかがやいて見えるのです。
このお店のコックさんはやさしいもも色のゾウのモモさん。
今日のモモさんはどんなりょうりを作ってくれるのでしょうか?
いっしょに見てみましょう。
モモさんのおはようの時間はきまっていません。
今日はどうやらおねぼうさんのようです。
目をさましたモモさんはじまんのはなを、うんとのばします。
時計を見ると目をぱちくり。
「あら、もうこんな時間」
それでも、モモさんはあせりません。
レストランはお昼から。
まだまだ時間はたっぷりあります。
モモさんは顔をあらい、《《は》》をみがき、ふくをきがえます。
さてさて、朝ごはんは?
うちゅうのきりからあつめた、光る水。
モモさん手作りの、パンと星のジャム。
おやさいとフルーツをつけると、とってもすてきな朝ごはん。
いたただきます、と、ごちそうさま。
元気に言うと、モモさんは後かたづけをして、リュックをせおいました。
さあ、ここからがモモさんのおしごとです。
モモさんはお気に入りの、赤いリボンのついたくつをはきます。
とびらをあけて、外に出ると、モモさんは一、二、三、と声を出し、いっせーので!
ぴょーん!
くるくるとちゅうがえりをして、行きたいばしょまでひとっとび。
レストランから少しはなれたそのばしょで、モモさんはりょうりのざいりょうをさがします。
うちゅうのきりには、たからものがいっぱい。
モモさんはリュックから、さっそくビンをとりだします。
きりの中にうかんだ、大きなちりや小さなちり。
大きなちりははなでつかんで、小さなちりは手でひろって、モモさんはひとつひとつを見つめます。
長い時間をかけて、ひとつめのちりがビンの中へ。
また 長い時間をかけて、ふたつめのちりがビンの中へ。
またまた 長い時間をかけて……。
ビンがいっぱいになるころには、レストランのかいてんまであとちょっと。
それでも、モモさんは大まんぞく。
「今日もすてきなりょうりが作れそう」
ビンの中にははい色のちりがたくさん。
すてきなりょうりになるとは、とてもおもえません。
でも、モモさんがちょうりすると、とってもおいしいものになるのです。
さあ、このビンに入ったちりはどんなりょうりになるのでしょう。
それはまた次のおはなし。